「女子でもパイプ(攻撃)ができるんだぞ、となれば」優勝した八王子実践高が目指すのは男子ばりの攻撃【春季大会兼関東大会東京予選(女子)】
- 高校生
- 2025.05.16
令和7(2025)年度春季大会兼関東大会予選(東京女子)最終日が5月11日(日)に十文字高、文京高(ともに東京)で行われた。決勝で下北沢成徳高をストレートで下した八王子実践高が、失セット0の優勝を飾った
決勝の第2セット、身長190㎝越えの#9紅野花歩(八王子実践高)のブロックに、仲間たちも大きく沸く
ルーキー大雲を軸に
新人大会のリベンジ
2月の新人大会と同じカードになった決勝で、2セットともに20点以下に抑える快勝。リベンジを果たし、八王子実践高の貫井直輝監督は「よく頑張りましたね」と目尻を下げた。
全国高校選抜候補のミドルブロッカー小島真佳が、この日は「14番」をつけてベンチに。「骨や腱に異常はありませんでしたが、ブロックで着地したときにかかとをとやってしまって」(貫井監督)と大事をとったが、厚い選手層でカバーした。
決勝では高さの光るブロックが機能。課題としていたレシーブで下北沢成徳高の力強いスパイクを拾うと、セッター窪田倖叶が多彩なトスを展開した。全国屈指の層を誇るスパイカーの中でも、「最後は勝負をかける」とトスを託したのは大雲舞子。準優勝した3月の全国私立高等学校男女選手権大会(さくらVOLLEY)以降、アウトサイドヒッターからオポジットに転向したゴールデンルーキーを軸に、高さのある攻撃陣が得点を重ねた。
第1、第2セットともに終始ペースを握り、18-12と大きくリードを広げた第2セットには大雲のブロックなどで5連続得点。23-14ではワンポイントブロッカーとして身長190㎝越えの紅野花歩がコートへ。ブロックを決めると、この日いちばんの盛り上がりを見せた。
コート幅を広く使った攻撃に手応えをつかみつつあるが、指揮官が「女子でもパイプ(攻撃)ができるんだぞ、となればいいなと思います」と語るように、理想はさらに上。窪田は「スパイカーがたくさんいるので、見ている人たちを楽しませるようなバレーをしていきたい」、大雲は「パイプを絡めて、ブロックがつきづらい攻撃ができたら」と力強く語った。目標の日本一へ、まだまだ満足はできない。
カバ カディアトゥ(下北沢成徳高)
下北沢成徳高
エース荻野にアクシデントも
ルーキーが経験を積む
ストレート負けで頂点を逃した下北沢成徳高は、エースの荻野明花キャプテンが、体調不良により決勝を欠場。土岐陽夏と小林天音のツーセッター、準決勝までオポジットだったカバ カディアトゥはアウトサイドヒッターと、それまでとは違う布陣で臨んだ。
伊藤崇博監督は「全私(ベスト8入りを逃したさくらVOLLEY)が終わってからだいぶよくなってきた感じはあったのですが。柱が一人いなくなってしまうとうまく回らないですね」と語ったが、カバ カディアトゥ、小林、ミドルブロッカーの高田実優花ら1年生にとっては大きな経験に。中でも第2セット終盤に相手ブロックに苦しんだカバ カディアトゥについては、「レフトでずっとやっていれば違ったと思います。いずれはパスヒッターにならないと、うちとして、また日本としてもダメだと思います」と攻守で期待を込めた。
5月11日の試合結果(十文字会場)
・決勝
八王子実践高 2(25-19、25-15)0 下北沢成徳高
・3位決定戦
文京学院大女高 2(25-15、25-19)0 共栄学園高
新人大会に続いて3位の文京学院大女高
・準決勝
下北沢成徳高 2(25-16、25-19)0 共栄学園高
八王子実践高 2(27-25、25-16)0 文京学院大高
・5位決定戦
藤村女高 2(25-14、15-25、31-29)1駿台学園高
日女体大附二階堂高 2(30-28、25-20)0 修徳高
・準々決勝
下北沢成徳高 2(25-16、25-18)0 藤村女高
共栄学園高 2(25-20、25-13)0 駿台学園高
文京学院大女高 2(25-11、25-17)0 日女体大附二階堂高
八王子実践高 2(25-13、25-18)0 修徳高
文・写真/田中風太(編集部)
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