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SVリーグ2024-25

畑野久雄監督(鎮西高)80歳、就任51年目の夏へ「このままでは絶対に勝てん」 九州三冠も満足せず

  • 高校生
  • 2025.07.27

令和7年度全国高等学校総合体育大会男子バレーボール競技大会(男子)が728日(月)~81日(金)、松江市総合体育館、鹿島総合体育館(ともに島根)で行われる。九州三冠で本戦に挑む鎮西高(熊本)は、岩下将大、一ノ瀬漣らスパイカー陣が充実。それでも、今年80歳を迎え、就任51年目の夏に臨む畑野久雄監督は、6月下旬の取材時では課題を口にしていた

 

 

畑野久雄監督(写真は昨年度の春高)

 

 

強い自覚で

どれだけミスをなくせるか

 

――6月の全九州高等学校体育大会では、決勝で東福岡高(福岡)と今季3度目の対戦。ストレート勝ちで九州三冠を飾りました。これまでの対戦で、最もいい内容に見えました

 まだミスがあります。個人でせんでもいいようなミスをして。集中はしていたみたいですが、しっかりやってほしいですね。

 サーブレシーブ、レシーブがもう一丁(足りない)ですからね。そして、決めてほしいというときにサイドのアタッカーが決めきらん。セッターが大事なときに上げる場所を間違えるといった不満もあるんですよ。だから、このままでは絶対に(インターハイで)勝てんと言っています。

 

――1、2年生中心のチームで臨んだ昨年度の春高では、準々決勝で東亜学園高(東京)に敗れました。悔しさを知る選手が多く残っています

 どうですかね。それにしては「なにくそ、俺がやってやる」といったものが見えない。だから、いちばん大嫌いなポカ(ミス)が出る。高校の試合ぐらいだったらですね、ミスをしなかったら負けやせんのですよ。

 

――昨年度は春高だけでなく、2回戦で神奈川県に敗れた国スポでもミスが響きました

 ミスで負けていますからね。本人がどれだけ自覚して練習しているかどうか。ということは、練習していないということです。ずっと言うてきたんです、それは。

 

――下級生時からコートに立つ岩下将大選手たちには、特によく言っている印象です

 そうです。本人には直接言わんけど、あいつで負けるゲームが何回もあったんです。それも本番、大事な試合で。だから、もうちょっと自覚してもらわんと。

 それと、今大会(九州大会)の前に言うたのは一ノ瀬ですね。やっぱりエースとして自覚してもらわんと。後ろでのレシーブ、サーブレシーブの安定性と、インナーに打つときのスパイク。「そんなスパイクを打ちよってもシャットを食らうぞ」と厳しく言っています。

 

――以前は学年が上がったからといって、ミスが減るわけではないとおっしゃっていました

 自覚しきるかどうかですね。自覚していたら、トレーニングからちゃんとやっていくんです。いちばん顕著なのは立ち三段(跳び)。自分は跳べないと悟っているんと違うかな、と思います。三歩でどこまでいくか。だいたいそれでジャンプのバロメーターはわかります。

 

――歴代のエースはどれくらい跳んでいたのでしょうか?

 9m4、50㎝は跳んでいます。水町(泰杜〔現・WD名古屋〕)もそれぐらいは跳んでいました。今は9mが跳べないんです。跳べるのは1人、2人でしょう。楽勝と思って(練習で)跳んでいるんとちゃうかな。「俺は9m780㎝跳んでたぞ」と言えんし(笑) 

 

――そうはいっても、今年は例年以上にスパイカーがそろっている印象です

 そうですね。水町が1年生のとき(全国二冠を達成した2017年度)は、決勝で3人しか打っていないですからね。水町と鍬田(憲伸〔現・サントリー〕)と山田航旗〔現・VC長野〕。それも、ほとんど(水町、鍬田の)2人が打って。今は(トスが)上がっていないけど、45人が打ちますから。

 

 

充実のメンバーで、スタメン争いも熾烈に

 

 

――スパイカーが粒ぞろいなだけに、期待がかかるのがセッターの福田空キャプテン。1年生から経験を積んできた選手です

 急にピュッっとボールを突いたり、まだ合わないところがあります。でも、そういうボールを打てる選手になってもらわないと困ります。ボールが上がったらアタッカーの責任。それをうまく処理するのがいいアタッカーであって、まだそれをしきれていないです。

 

――いちばん安定しているのはどの選手ですか?

 いないです、だから心配なんです。優勝しようと思ったときには、絶対的な選手がおりましたもんね。だから、そういうときには「負けたら熊本に帰れん」と言っていましたからね。若いときは。

 

――今のチームではいかがですか?

いやぁ(笑) どこと当たってもやっぱり不安ですね。

 

取材/田中風太(編集部)

写真/石塚康隆(NBP)、編集部

 

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