「駿台学園文化祭 INVITATION MATCH駿台学園高校vs.中央大学」が9月20日(土)に駿台学園高(東京)で行われた。昨年は慶應義塾高(神奈川)を招いた一戦で、今年は関東大学リーグのトップチームとマッチアップ。ストレート負けを喫したが、目標に掲げる春高4連覇に向けて、得られたものは大きかった
ストレート負けも
高校生にはない高さとパワーを体感
多くの観客が詰めかけた前で対峙したのは、舛本颯真、OBである秋本悠月ら中央大のリーグ戦メンバー。現在はアドバイザーを務める梅川大介前監督と、その同級生である中央大の野沢憲治監督の縁もあって実現した公式戦さながらの一戦に、高橋真輝監督は感謝しきりだった。
「関東大学1部リーグのチームと練習試合をさせてもらうことはありますが、こうやって観客が入ったなかで、緊張感のある試合をすることはなかなかありません。ものすごく貴重な経験をさせていただきました」
サーブで主導権を握られ、第1セットは序盤から7点差をつけられたが、インターハイでベスト4入りした下級生中心チームはそこから反撃。堅い守りで食らいつき、同大会後に力を入れてきたバックアタックをサウスポー畠昊太郎、1年生の竹内祐一郎が決める。18-21と追い上げたが、セットを奪うことはできず。個人の能力の高さが光る高校王者をイメージしながら、高橋監督は選手たちに注文をつけた。
「高さとパワーにもう少しうまく対応できたらよかったんですけど、なかなかサーブで攻め込めなくて。逆に相手にしっかりと打ち込まれて、自分たちのコンビが組めませんでした。中央大学さんのレベルに対していい試合をできないと、鎮西高(熊本)とも戦えないと思います。
ただ、高校生ではなかなかない高さとパワーを経験できたので、それを生かしてこれからやっていきたいです」
この試合の1週間後に行われた国スポには選抜チームで臨み、東山高単独チームの京都府に敗れ、2回戦敗退。今季はここまで2大会で優勝を逃しているが、新チーム結成後から目標に掲げてきたのは春高の頂点だ。格上相手にも高い決定率を残した竹内は、「自分はバックアタックだったり、インターハイで負けてから課題が見つかってきました。レシーブしてからバックアタックを打つなど、引き出しを増やしていきたいです」と4連覇に向けて力を込めた。
中央大
高校生が相手でも
「自分たちのやるべきこと」をまっとう
天皇杯の関東ブロックラウンドの開催もあり、秋季リーグ戦の日程が2週間空いたなかで、中央大は対戦相手を引き受けた。ケガのリスクなども考えるとポジティブな要素ばかりではなかったが、野沢監督はそれ以上に得られるものを感じていた。
「松井先生(泰二監督〔早稲田大〕)がよく『(観客に)見てもらうことが学生たちの緊張感を高める』とおっしゃっています。今年に入ってから特に大学の先生たちもそういった共通認識になってきていて、こういった機会を逃すのはもったいないと思いました」
リーグ戦と変わらぬサイクルでこの一戦に臨み、指揮官が「相変わらずの驚異的な粘りですね。高校の中ではなかなかない攻撃のテンポ感だと思うので。しっかりたたき上げていけば素晴らしいチームになる」という駿台学園高と真剣勝負。第2セットからは次々とメンバーを代え、ふだんは出番の少ない選手も「自分たちのやるべきことをしっかりやろう」というテーマをまっとう。秋季リーグ戦、そして全日本インカレでも変わらぬ姿勢で目の前の相手と対峙する。
試合結果
駿台学園高 0(20-25、21-25、14-25)3 中央大
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