バレーボールの国内最高峰リーグ、大同生命SVリーグ男子の2025-26シーズンが10月24日(金)から開幕する。日本代表の選手たちは、どんな思いで日の丸を背負ったのか。今年度初選出されたVC長野トライデンツの工藤有史には、すでにチームの中心選手としての自覚が芽生えている
――日本代表に初選出され、6月にはBチームでカタール遠征に参加しました
毎日高いレベルでプレーでき、とてもうれしいことだと思っていました。海外のナショナルチームと対戦するのは初めてだったので、とてもいい経験になりましたし、楽しかったです。SVリーグも(身長が)高い選手が多いのですが、日本だけではなかなか経験できない高さがありました。
――SVリーグでは2024-25シーズンの活躍も印象的でした。振り返っていかがでしたか?
チームとしてレギュラーシーズン10勝という目標は達成できましたが、個人的にはチャンピオンシップ進出争いをしてもおかしくなかったのかな、と思っていました。でも、チームの波などの部分で、まだ上位とは違いがあることも感じました。
昨季は開幕節でジェイテクトSTINGS愛知に勝利したのですが、そのときに自分で思った以上にサーブやスパイクが決まったので、そこで自信をつけられたことは大きかったです。よくない時期もありましたが、こうして代表にも選んでいただけて、充実したシーズンだったと思います。
――SVリーグではどういった部分が成長したと感じましたか?
例えばリバウンドを取る場面か、リスクをとって打つ場面か、そういった状況判断が自分の中で少しずつできてきたかな、とシーズン終盤に感じました。アタックにおける効果率を特に意識しており、そこが上がったことは収穫だったと思います。
――今季2年目を迎える、同級生たちが多くのチームで活躍していましたね
やはりとても刺激になっていました。自分たちは下位のチームでも、同級生には負けたくないという気持ちを常に持っていました。代表で一緒にやっているときはとても楽しいですが、リーグ中は絶対負けたくない、と思っていました。
――参考、あるいは目標にしている選手はいますか?
尊敬しているというか、僕が嫌なのは柳田(将洋/東京GB)選手です。サーブが回ってきたら嫌、というかいい場面で回ってきますし、リードしていても「追いつかれそう」という雰囲気にさせる力がある。メンタルを揺さぶられます。スパイクでも「ここぞ」の場面で決められる打ち方の技術はすごい、と肌で感じました。こんな選手になりたい、と思いましたし、相手にいたらとても嫌だなと思って。印象に残りました。
――今後の抱負を教えてください
細かい部分の精度を上げて、状況判断もさらに高いレベルでできなければいけないと思っています。日本代表で感じたものを長野で生かさなければいけないと思うので、2025-26シーズンは自分が中心となって、チームを引っ張れるように頑張りたいです。
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工藤は初めての日本代表シーズンにおいて、「2025バレーボール男子日本代表国際親善試合 日本B対オーストラリア(岩手大会)」などでプレー。ディフェンスやスパイクで高い技術を示した。今季も攻守の要として臨むSVリーグでは、昨季9位だったチーム順位をさらに押し上げる活躍が期待される。
くどう・ゆうじ
2001年9月24日生まれ
身長190㎝/最高到達点335㎝
清風高(大阪)→明治大
VC長野トライデンツ所属
アウトサイドヒッター
取材/豊野 堯(編集部)
写真/山田壮司
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