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SVリーグ2024-25

目指すは永露元稀×関田誠大。身長183㎝の中学生セッター兼田創右がイエロースターズU15で躍動「この高さは武器ですから」

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  • 2025.11.25

 バレーボールの「2025 SV-V.LEAGUE U15 CHAMPIONSHIP supported by OPEN HOUSE GROUP」の大会最終日が1116日にパナソニックアリーナ(大阪)で行われ、3位の北海道イエロースターズU15からはセッターの兼田創右が大会優秀選手賞に選出された。

 

 

兼田創右(左端/かねた・そうすけ/西野中〔北海道〕3年,北海道イエロースターズU15/身長183㎝/最高到達点306㎝/セッター)

 

 

 兼田の魅力はなんといっても、そのサイズ。身長は中学生世代のセッターとしては比較的高い部類に入る183㎝であり、高い位置からのセットアップは本人も強みとするところだ。

「全員がしっかりと打ちきれる力を持っているので、とにかく高い打点から決めてもらえるようにトスを上げることを自分は心がけています。そのうえで速いテンポの攻撃を仕掛けていくのが、イエロースターズU15のバレーボールです」

 

 確かに見ていると、チームはエリアを問わず、幅広く攻撃を繰り出し得点を重ねている。アタッカーが豊富な点は、ときに迷いを生まないのだろうか?

「いや、むしろ悩むことはありません。だって、みんな全部決めてくれるので。どこに上げても決まってしまうな、と(笑)」

 

 チームにとって集大成となったこの大会では最終日に東レアローズ静岡U15との3位決定戦を制した。その勝利を演出してみせた兼田は試合後、晴々とした表情を浮かべていた。

「この特別なコートでの試合を勝ちきれたこと、それに3位という結果を残せました。こんなに嬉しい気持ちになったのはバレーボール人生で初めてでした。何よりイエロースターズU15のバレーを全国にしっかりアピールできたことがいちばんですね!!

 

 

司令塔としてチームのスタイルを体現した①兼田

 

 

 聞くに、バレーボールを始めたのは小学5年生の終わり頃。それまではサッカーやテニス、水泳などに取り組んでいたが、漫画作品『ハイキュー』のおもしろさにひかれ、また友人に誘われたことでスポーツ少年団に入団した。当時の身長は165㎝で、中学2年生で一気に15㎝ほどアップ。偶然にもセッターを始めたタイミングと同じだった。

「小学生の頃にセッターは一度だけ大会でやりました。ですが身長がこれほど伸びると思っていませんでしたし、どちらかといえばアタッカーをやりたかったんです。

 そんななか、監督から『セッターをやってみるんだ』と言われて本格的にトライしました。そこでボールを自由自在に上げて、アタッカーを操る楽しさを覚えました」

 

 果たして、180㎝を超える兼田の高さは本人そしてチームにとっての武器となる。「打点が高くないと、アタッカーのみんなが打ちきれないですから」と目いっぱいに腕を伸ばし、高い位置でボールをとらえてはリズミカルにトスを上げる。イエロースターズU15の心臓を担った。

 一方で、今年10月に岩手で実施された全国中学選抜第一次強化合宿にも参加した。そこは本人にとっても刺激を受ける場となった。

「参加が決まったときは『え、自分がいくんだ』とびっくりすると同時に、めちゃくちゃうれしかったです。いざ合宿では周りの選手がみんな大きくて、『自分、ちっさ!!』と思いましたけれど(笑) とはいえ参加選手の中でもセッターではいちばん背が高かったですし、技術的にも通用した部分はあったと感じています」

 

 

全国中学選抜第一次合宿では多くの学びを得た(コート奥左端)

 

 

 技術面でいえば、例えばイエロースターズU15では速いテンポを意識し、高さを維持しつつ平行に近いトスを上げていた。だが、選抜合宿では周りの選手たちにとって、それはときに窮屈なトスになることも。「ハイセットのトスは苦手だったのですが、だからこそ高いトスを上げることに取り組んでみました」と兼田。自分だけでなく、セッターとして仲間の高さを生かすこと。そうしたプレーの幅を広げるきっかけになったようだ。

 

 全国中学選抜は年末に大阪で開催されるJOCジュニアオリンピックカップ全国都道府県対抗中学大会での最終選考を経て、来年2月の海外遠征のメンバーが決定される。兼田は野心をのぞかせた。

「入りたいです! 絶対に入りたい。第一次合宿の参加メンバーに選ばれて、これは楽しいなと感じましたから。もちろん選ばれることがいちばんですが、たとえ落選したとしても、切り替えて次に向けて頑張ろうと考えています」

 

 バレーボールの競技歴さらにセッター歴でいえば、まだまだ浅い。それでも体のごとく、大きな夢を抱いている。

「これからもセッターで勝負します。この高さは武器ですから。今の日本代表では永露元稀選手(広島サンダーズ)の高さを生かすプレーと、それに関田誠大選手(サントリーサンバーズ大阪)のトスワークを参考にしています。将来はシニアの日本代表を目指せるように頑張ります!!

 世界で通用する長身セッターへ。北の大地から、新たな逸材が産声を上げた。

 

 

将来の日本代表を目指して、一段ずつ階段をのぼっていく

 

(文・写真/坂口功将)

 

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【ギャラリー】兼田創右が所属する北海道イエロースターズU15の様子

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