太陽のごとく、まばゆいほどの輝きを目の前にしたとき、一人は「ほんとうに強いなぁ。それだけです」と圧倒され、一人は「なんで、あんなに跳べるんだ?」と開いた口がふさがらなかった。
「ビーチバレージャパン第40回全日本ビーチバレーボール選手権大会 男子」の愛知県予選が6月20日、碧南緑地ビーチコート(愛知)で行われた。ビーチバレーボールのジャパンツアー2026で開幕から2大会連続優勝を遂げていた水町泰杜/黒澤孝太(ともにトヨタ自動車)組も参加したこの大会で、その強力ペアと対戦したチームはいずれも愛知県内の高校生たちだった。シードの水町/黒澤組と対戦する権利を懸けて一回戦を戦ったのは、栄徳高(愛知)のA、Bの2チーム。「勝ち上がれば、水町選手と絶対戦えるわけですからね。高校内でお互いに『勝ってやるぞ』と言い合っていました(笑)」と明かす同校、髙田昊(たかだ・そら)キャプテンの「栄徳高校B」が結果的に勝利した。
そうして水町/黒澤組と対峙することになったわけだが、当然のごとく胸がはずんだ。いや、それはむしろ大会の組み合わせが決まったときから、だった。まさか試合をするなんて思いもしなかったのでは? という問いかけに「栄徳高校B」の髙田と宇山颯祐(うやま・そうすけ)は「思っていなかったです」と口をそろえた。
「せっかくできるのだから、もう楽しもう」(髙田)と臨んだ試合は出だしから連続得点を許したが、サイドアウトとなった直後のサーブで宇山はまず「どちらかを考えたときに、水町さんに打ってもらおうと思いました」と水町を狙ったサーブを放つ。髙田がブロックに跳んだが、さらりと得点を決められた。
「しっかり跳んでもブロックの上から打たれてしまいましたし、うまくかわされて、自分たちはまったく足が動きませんでした。どうしたら止められるんだ? と感じていました」と髙田。
ほんとうに強いなぁ。興奮を覚えた髙田と宇山のインドアでのポジションは水町と同じアウトサイドヒッター。身長はそろって184㎝で、水町の181㎝よりも高い。しかし、だからこそ、そのすごみを感じずにはいられなかった。
「身長はそれほど変わらないのに、筋力がまるで違う印象でした。上半身もムキムキですし、ジャンプ力もすごい。なんで、あんなに跳べるんだろうなと思いました」という宇山の言葉に、髙田も「ほんとうに」とうなずく。
マッチポイントから最後は水町が移動攻撃のようなかたちで仕掛けたアタックに宇山が飛びつき、ブロックの手にボールを当てることはできたものの、「パワーがすごすぎて!! おそらくまっすぐ跳んでもとまらなかったです」と振り返った。
「10点取れたらいいな」(宇山)とにらんでいたものの、結果は8-21で敗北。試合後、雨天のため本来の3セットマッチが1セットマッチへ変更されたことに「もっともっとやりたかったです」と2人は漏らしたが、それでも感動を隠せず。「すごくうれしかったです。もうずっと自慢していこうと思います」と髙田は白い歯をのぞかせた。
栄徳高校自体はインドアとビーチバレーボールの双方に取り組んでおり、今回は5月のインターハイ愛知県予選で敗れたあとから、本格的に砂の上での練習機会を増やしてきた。「メインはインドアで、そこに生かすためにビーチバレーボールを頑張りたいと心がけています」と宇山は言い、ここからは秋の春高愛知県予選に向けて再びインドアの戦いに身を投じる。
「インターハイの県予選では自分たちの目標よりも手前の結果(ベスト16)に終わってしまったので、次は目標であるベスト4入りを果たしたいです。個々で力を磨くことはもちろん、周りのチームメートとコミュニケーションをとって、このビーチバレーボールでの経験を生かしていきます」(宇山)
「ビーチバレーボールでは広いコートで2人だけという状況だからこそ、とにかく足を動かしていました。インドアでも足を動かすことや移動の速さを生かしていきたいです」(髙田)
この夏、味わった格別の思い出と砂上で得た学びを胸に、彼らの高校バレーボール生活は次の章へ移った。
(文・写真/坂口功将)
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