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インドネシア女子代表を率いる杉山マルコス監督 日本で培った経験や姿勢を軸に強化を図る

インドネシア代表を指揮する杉山監督

第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)の女子バレーボール競技が9月22日(火・休)まで7日間にわたって、小牧市スポーツ公園総合体育館と岡崎中央総合公園総合体育館(ともに愛知)で開催された。日本と予選ラウンドで対戦したインドネシアを率いていたのが、ブラジル出身で男子日本代表でもプレーした杉山マルコス監督だ。2025年からインドネシアチームに携わり、日本で築いたスタイルを軸に、発展途上のチームを強化している

 

 

インドネシア代表を指揮する杉山監督

 

 

目標は日本のレベルにまで

チームを引き上げること

 

 杉山監督は現役時代、2002年に堺ブレイザーズ(現日本製鉄堺ブレイザーズ)で日本でのキャリアをスタートし、翌年に日本国籍を取得。2004年のアテネオリンピック世界最終予選直前に代表デビューを果たした。国内外でプレーしたあと、2014年に現役を退き、ブラジルに戻ると現地では女子チームを指導することに。「女子選手は話をよく聞き、より熱心に学ぼうとする姿勢があり、私自身もしだいにこの仕事が好きになっていった」とのめり込み、FIVBの研修やコーチングプログラムにも参加。ホンジュラス女子代表監督などを務めたのちに、昨年は兼任しているU21インドネシア女子代表監督として、イタリアで行われた女子U21世界選手権に出場した(結果は16位)。現在もシニアチームだけでなく、若手選手の指導にも携わっている。

 

 杉山監督はチームの世代交代を進めており、今大会は16歳の選手を選出するなど、若手を積極的に起用。「現段階では『若すぎる』『チームが未熟だ』と言われるかもしれませんが、新しいプロセスに着手しながら、長い期間をかけて日本代表と同じレベルまで引き上げることが目標です」と青写真を描く。インドネシア代表の選手たちが「夢見ていた」という日本との試合では敗れたものの、粘り強い守備が光り、セットカウント0-2で迎えた第3セットを奪取。第4セットも23-25と善戦した。杉山監督は「この試合での集中力やエネルギーは非常に高く、いいプレーができた」と選手たちを評価。その後は9月21日のベトナムとの順位決定戦に勝利するなど、6位で大会を終えた。

 

 

チャイニーズタイペイとの5-6位決定戦の敗戦後、杉山監督は選手たちを鼓舞した

 

 

 指揮官は、自身の経験から選手たちにきちんとした土台づくりを求めている。

 「より高いパフォーマンスを発揮するために、バレーボールの基本技術をしっかりと身につけることが不可欠だと考えています。現役当時の私のプレーを見た選手たちは私に親近感を抱き、闘志をむき出しに戦うスタイルを目指そうとしていますが、彼女たちには『まずは自分自身のスタイルを確立させること』が大事だと伝えています。今大会も素晴らしい成果を残すなど、チームづくりは順調に進んでおり、私自身の歴史や経験をもっと選手たちに触れさせて、一歩ずつ成長を促したいです」

 

 最後に杉山監督は日本への思いを述べた。

 「日本のおかげでこれまでの私の歩みや、今の私の人生にあるすべてのものが構築されました。その経験を生かして、彼女たちに『日本流』のプレースタイルを伝えながら、困難を乗り越える忍耐力を身につけさせ、さらなる可能性を引き出しています。勝っても負けても『立ち止まってはいけない』というモチベーションなど、日本の皆さんが私に大事なものを教えてくれたことに心から感謝を伝えたいです」

 

 常に相手へ向かっていく強い気持ちを日本で学んだ杉山監督。インドネシアを強豪国に押し上げるという、飽くなき挑戦は始まったばかりだ。

 

 

 アジア大会で6位入賞のインドネシア代表。近い将来、アジアの勢力図を変える可能性を秘めている

 

文/廣田充則(編集部) 写真/Ryu Makino

 

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