8月上旬に滋賀で開催されたバレーボールのインターハイ女子で、初の日本一をつかんだ横浜隼人高(神奈川)。そのチームの中心であり、1年生時から数多くの経験を積むスタメンの3年生7人に迫る。第2弾はアウトサイドヒッターで対角を組む、佐々木結愛と片野杏の対談をお届けする
2年生時の経験を
最大限に生かして
――インターハイでお2人はアウトサイドヒッターとして得点を重ねました。自分たちではどんな役割を果たそうと思っていましたか?
佐々木 苦しいところで決められる人になろう、と。1学年上のマクアリスター(アイリーン心寧)さんが卒業され、「いよいよ自分たちしかいない。もっと自分がやらなければ」と思い、努力してきた結果が出せてよかったです。
片野 今年の春高後に、ミドル(ブロッカー)からレフトへ転向し、ずっと結愛(佐々木)の対角になれるかな、と不安な気持ちがありました。ミドルとレフトでは打ち方が全然違いますし、結愛はとても決めるので、「私はそんなに決められるかな」と。でも、インターハイでは精いっぱい自分のやるべきことができたのではないかと思います。
――お2人がいちばん印象に残っている場面を教えてください
佐々木 (準決勝で)金蘭会高(大阪)と対戦して、片野が(第3セットの13-11の場面で)連続でサーブを決めて流れを引き寄せ、その勢いのまま勝ったのが印象的です。
片野 とりあえず攻めてこっちに流れがくるように、と思って(相手レシーバーの)間を狙ったら抜けてくれて。サーブが決まった瞬間は「うわぁ」とこちらの力が抜けました(笑)
――片野選手は武器であるサーブを打つときに意識することはありますか?
片野 やっぱりトスが重要で、それをミスしてしまうと力も半減してしまいます。とにかくトスをていねいに上げて、しっかり踏み込んで思いきり打つことを心がけていました。
――決勝(対東九州龍谷高〔大分〕)で両チーム最多タイの30得点を記録した佐々木選手。得点を重ねられた要因を教えてください
佐々木 身長があまり高くないので、ブロックを利用した打ち方や、トスを少し速くしてブロックが来る前に打ち込むというプレーを練習で身につけました。トスが高いとブロックにハマるので、低く速いトスをもらうように心がけています。あとは、少しメンタルが強くなったのではないかな、と。1年生からスタメンで出ていた経験があったので、そのおかげだと思います。
片野 ほんとうによく決めてくれるなと思って見ていました。決勝の東龍(東九州龍谷)戦の最後も決めてくれたのですが、トスが上がった瞬間に「これは決まるかも。いけいけ」と心の中でずっと思っていたので、「やっぱりエースで天才やな」と思いました(笑)
――お互いはどんな存在でしょうか?
佐々木 とても力強いスパイカーです。スパイクに関してもボールの回転が少なくて、重くパワフルなイメージがあります。
片野 普通のボールの落ち方とは違って、自分のスパイクは鋭いと思います。なので、エンドラインギリギリに入っていることが結構多いです。
結愛は「なんでその体勢でそのコースに打てるの?」と思う場面が多くて、ブロックの間が狭い場面でも打ち抜きますね。見ていても感心することが多いです。
――佐々木選手がレギュラーになった1年生のときは、1学年上のマクアリスター選手にトスが集まる印象でしたが、佐々木選手らが2年生になると、ほかの選手もスパイクを打つチームに変わったと感じました
佐々木 自分たちはバックアタックの練習をしていなかったので、マクアリスターさんが後衛のときにローテーションを回せないことが課題でした。なので、そこからひたすらスパイクを打ち、得点できるように練習をしました。
片野 自分は入学当初、リリーフサーバーでしたが、(1年生のときの)春高県予選が終わって、佐藤先生(喜一郎監督)に「ミドル(ブロッカー)をやってみよう」と言われました。最初はレフトに入りたかったので、少し複雑な気持ちでしたが、「どのポジションでもいいからコートに入りたい、レギュラーを勝ちとる」という目標だったので、任された役割でまっとうしました。実際にやってみたらだんだん楽しさもわかってきて。去年はブロード攻撃が決まって楽しい、と思えるようになり、ミドルで頑張ることができました。
でも、そのおかげで今年からレフトに入っていても、ライトなどいろいろなパターンで得点できるので、ミドルをやってよかったなと思います。
――1年生からセッターを務める瀧澤咲羽選手とのコンビはいかがですか?
片野 ほぼ瀧澤がサインを出して攻撃を決めています。「ここに入ってきて。無理だったら自分で変えて」と言われて、「OK」とサインどおりに助走します。
佐々木 そうですね、うまく組み立ててくれます。
――瀧澤選手はどんなセッターですか?
佐々木 一緒に攻撃をしていて楽しく感じます。自分がなかなか決まらないときに(相手コートの)空いている場所を伝えてくれて、実際にそこに打ったら決まるので、よく見ているなと感じます。
片野 ほんとうに相手の細かいところまでしっかり見ているので、「そこまで見えるんだ」と思うことが多いです。だからこそ自分たちも納得してスパイクを打つことができますし、コースも広がったりします。逆に決まらなかったら自分たちが悪いと思って、修正しています。
――国スポではどんなプレーで貢献したいですか?
佐々木 インターハイのときよりも、いろいろなコースに打って決めたいです。(インターハイでは)あまりストレートコースに打つことができなかったので、練習しているプレーを国スポに生かせたらと思います。
片野 練習試合から(アタック)決定率を意識してプレーしています。コースは関係なしに、とにかく決定率を上げないと得点源になれないので、自分で工夫しながら成長していきたいです。
国スポは10月11日(日)に青森県で開幕。少年女子は伊藤鉱業アリーナつがるを舞台に熱戦が繰り広げられる。横浜隼人高単独の神奈川県はシードにより翌12日(月・祝)の2回戦から登場(香川県と福井県の勝者と対戦)。インターハイに続く2つ目のタイトル獲得に挑む。
佐々木結愛
ささき・ゆあ/3年/身長166㎝/最高到達点275㎝/綾北中(神奈川)/アウトサイドヒッター
片野 杏
かたの・あん/3年/身長171㎝/最高到達点278㎝/座間西中(神奈川)/アウトサイドヒッター、ミドルブロッカー
取材/廣田充則(編集部)
写真/山田壮司、編集部
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