8月上旬に滋賀で開催されたバレーボールのインターハイ女子で、横浜隼人高(神奈川)が頂点に。初の日本一をつかんだチームの中心であり、1年生時から数多くの経験を積むスタメンの3年生に迫る。全3回の最終回はオポジットで守備の中心である石渡心珠と、ミドルブロッカーの松澤杏、河瀬結衣の座談会をお届けする
さくらVOLLEY準優勝が
大きな自信に
――今年3月のさくらVOLLEY(全国私立高等学校男女選手権大会)では準優勝に輝きました。センターコートでの経験はインターハイに生かされましたか?
松澤 さくらVOLLEYでセンターコートを経験し、応援席からたくさんの声援をいただいたので、自分はインターハイで落ち着いてプレーすることができ、そこまで緊張はしなかったです。
石渡 さくらVOLLEYでは今まで経験したことがないセンターコートでプレーすることができたので、インターハイの決勝(対東九州龍谷高〔大分〕)では自分らしく戦えました。
河瀬 さくらVOLLEYでは多くの人が応援してくれたのを感じていました。でも、みんなと同じく、そんなに緊張はしなかったです。
――攻撃ではどのようなことを意識して戦っていますか?
松澤 たくさん得点してくれるレフトの佐々木(結愛)が苦しいときに、助けられるようにしています。やっぱりレフトの攻撃だけになると相手もブロックを絞りやすくなるので、得意の相手のブロックを利用したスパイクで、攻撃の幅を広げています。レフトだけではなくてチーム全員で勝つ、ラリー中でも自分に上がってきたらしっかりサイドアウトを取る、という意識です。
河瀬 自分の役割は速攻です。ブロード攻撃にも頑張って入って、サイドにつくブロッカーの枚数を1枚半以下に減らせるように意識しました。これからも点を取ることはもちろん、サイドのスパイカーを助けるような動きもできたらと思って頑張っています。
石渡 自分はレフト側でサーブレシーブをする場面が多いので、そのときは片野(杏)がライトに回って打つことが多いです。なので、ライトだけでなく常にどこからでも打てるように意識しました。
――石渡選手は攻撃ではもちろん、守備で貢献する場面が多く見られます
石渡 サーブレシーブに入っているのですが、決勝では忠願寺(莉桜)さんのドライブサーブで何本か乱されてしまいました。すぐに慣れたのでよかったですが、最初からサーブレシーブができていたら、1セット目から自分たちのリズムがつくれたかなと反省しています。
松澤 石渡は3年生になってから「ディグのしかたがよりわかるようになった」と言っていて。プレーを見ていても相手のスパイクを拾う場面が増えて、とても頼りになります。
石渡 2年生までは先生(佐藤喜一郎監督)に「レシーブするときの姿勢が高い」と指導を受けていました。なかなか直せなかったのですが、3年生になって一から修正してみようと思いました。構える際に力が入ってしまうので、力を抜くことを意識し、相手がスパイクを打つときの手をちゃんと見たら、どこに打ってくるかがわかってくるようになってきました。ブロックタッチしたときのレシーブはまだ遅いので、そこをもっと確実にできたらと思います。
――ミドルブロッカーのお2人はインターハイでのプレーを振り返っていかがですか?
松澤 (インターハイ決勝の)1セット目はあまり相手を研究できていなかったので、自分たちも試行錯誤しながら戦っていました。2セット目からは相手の攻撃を把握し、相手セッターのトスの上げ方などをお互いに理解したうえで、ブロックでもワンタッチが結構増えて、そこからコンビバレーにつなげられたと思います。
河瀬 落としてしまった1セット目はバタバタしてしまって、試合前に話していた、マークの部分がうまくできていませんでした。でも、2セット目からは明確に絞れて、その後は3セット取れたのでよかったと思います。
――石渡選手と河瀬選手は汐見台中(神奈川)から6年間一緒ですね
河瀬 中学のころはバチバチでした!(笑)
石渡 ほんとうにしょうもないことで言い合ったりね。
河瀬 お互いにちょっかいをかけていました。でも、JOC杯(全国都道府県対抗中学大会)の神奈川県選抜の練習からだんだんそれがなくなりました。
石渡 ほかの中学の子たちと話しているのを見て、自分が見ていた河瀬と違う感じだったので、「ああ、こういう感じなんだ」ってなったのかな?
河瀬 わからないよ(笑) JOC杯のときもそんなに変わった感じはなくて。気づいたら仲いい関係に戻っていました。
松澤 2人はふつうに仲がいいので、中学の話を聞いているかぎり、ほんとうにそんなことがあったのかなと…(笑) そう思うくらい今はとても仲がいいです。
――最後に国スポに向けた意気込みを教えてください
松澤 日本一をつかみましたが、さらに上を目指していかないと、勝利にはつながらないと思います。きちんと責任感と自覚を持ちながら、前衛で自分のやることをしっかりまっとうし、スパイクやブロックの強度を上げていきたいです。チームとしてもよくない雰囲気になったときの声かけなど、まだまだ足りないものはたくさんあるので、もっと高みを目指して成長していきたいと思います。
石渡 暗くなってしまったときや、追い込まれているときこそ、自分たちのプレーを出し続けることが大事だと思います。個人としては前衛にスパイカーが3人いるときに自分も打つので、上がってきたボールをしっかり決めきれるようにしていくことと、もっとディグの精度を上げたいです。
河瀬 チームの強みである明るく、常に笑顔でいることを継続したいです。国スポでも苦しい場面で楽しくできることがいちばんだと思うので、その気持ちをいつも持つことを心がけたいです。個人としてはクイックなど攻撃に参加する場面をもっと増やして、相手のブロックを分散させ、ブロックではもう少しタッチを増やして、攻撃につなげていきたいです。
国スポは10月11日(日)に青森県で開幕。少年女子は伊藤鉱業アリーナつがるを舞台に熱戦が繰り広げられる。横浜隼人高単独チームの神奈川県はシードにより翌12日(月・祝)の2回戦から登場(香川県と福井県の勝者と対戦)。インターハイに続く2つ目のタイトル獲得に挑む。
松澤 杏
まつざわ・あん/3年/身長176㎝/最高到達点282㎝/南毛利中(神奈川)/ミドルブロッカー
石渡心珠
いしわた・しずく/3年/身長167㎝/最高到達点269㎝/汐見台中(神奈川)/オポジット
河瀬結衣
かわせ・ゆい/3年/身長176㎝/最高到達点280㎝/汐見台中(神奈川)/ミドルブロッカー
取材/廣田充則(編集部)
写真/山田壮司、編集部
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