第80回国民スポーツ大会(少年男子)が10月11日(日)~14日(水)に新青森県総合運動公園 マエダアリーナ(青森)で行われる。インターハイで初優勝を飾った清風高は、大阪府の単独チームとして出場。国スポに懸ける思いを、今夏全国高校選抜を経験した田原璃晟(3年)、そしてU18バレーボールアジア選手権大会で銀メダルをつかんだ西村海司(2年)に迫った
――田原選手が1学年上ですが、お2人はすごく仲がいいですね
田原 一方的です。
西村 いや、両想いのはずなんですけどね。
田原 すぐに絡んできます。生意気。
西村 いや、全然生意気ではないです。
田原 ほー、なるほど。
――中学時代は田原選手が昇陽中、西村選手が清風中と府内のライバル校で対戦しました。お互いのことはいつから知っていますか?
西村 自分が中学2年生のときですね。(昇陽中に)1人でかい選手がおるな、って。
田原 そのとき、自分は187㎝、88㎝ぐらいでした。清風中は下級生主体のチームだったので、すごいな、って。
――対戦成績は?
西村 ほぼ負けています。
田原 でも、大事な試合、3年の近畿大会の決勝で負けました。(西村)海司は全部ブロックの上から打ってくるので、「おもんない」と思いながら試合をしていました。どうすればいいやろう、って。
西村 当時の(田原)璃晟さんは大きかったですが、細いイメージがあって。めっちゃ打っていましたが、パワーは全然なかった。
田原 それはほんとうです。(高校で)トレーニングを頑張りました!
――高校に入ってから印象は変わりましたか?
田原 もっとおとなしい子だと思っていました。最初は「璃晟さん!」ってペコペコしていましたが、海司が入学前のさくらVOLLEY(3月に行われる全国高等学校男女選手権大会)あたりから、それが変わって。
西村 自分のほうが清風暦は長いので。 璃晟さんはまだ3年目ですもんね。
田原 毎回これを言うんですよ! 「俺のほうが長い!」って。
西村 璃晟さんは基本的にみんなと仲がいいタイプですが、後輩からしてもいちばんフレンドリーな先輩です。これは誉め言葉です!
田原 僕だけずっといじっていたのに、やられた(笑)
――初優勝したインターハイはどんな経験になりましたか?
西村 初めて日本一の景色を見られたので、とても貴重な体験でした。勝った瞬間は、みんな(コートに)寝転がっていましたが、まだラリーが続くのかなと思っていました。
田原 最後は(ブロックタッチ、レシーブから)海司につないだ瞬間、絶対に決めてくれると思っていました。
西村 まあ、当然です(笑)
――大会を振り返って印象的な場面は?
西村 僕は決勝の鎮西高戦で、(一ノ瀬)漣さんのスパイクを連続でレシーブして、パイプ(攻撃)を止めたところです。2セット目に漣さんにパイプをドシャットされていたので、やり返せてよかったです。燃えていました!
田原 海司からすれば1学年上で、日本代表も経験している選手ですが、それに立ち向かっていたのはすごくかっこよかったです。ギアが上がっていたな、と思います。
西村 パイプを止められることは正直全然なくて、しかも絶対に決まると思ったスパイクを止められました。びっくりして、絶対にやり返そうと思いました。
璃晟さんはあまりよくないプレーもありました(笑) (4セット目の)終盤で簡単なボールをアウトにして、何してんねん! って。
田原 でも、あのセットは取ったから!
西村 5セット目(13-12の場面)のダイレクトのスパイクは、絶対に止められると思いましたが、決めきってくれました。ミドル(ブロッカー)はダイレクトをミスしがちなので。
田原 信頼されるよう頑張らないと(笑)
自分も日本一の景色を知れたことと、今までにないぐらいすごかった一ノ瀬と戦えたことは大きかったです。(西村と対戦した)中学のときと一緒で、正直おもんないな、って(笑) 頑張って止めようとしましたが、ほかの選手とは全然違いました。届かへん、って。止めるビジョンが見えませんでした。
西村 (スパイクが)どこから抜けてくるのかがわからないです。「打点は高いけど、止められる」と思っても止まらない。
田原 打つまでが速い。パッときますね。
西村 でも打球は璃晟さんのほうが速いです。
田原 ほんま?
西村 璃晟さんのほうが速いですが、(一ノ瀬の打球は)重くて飛んでいってしまいます。ただ、璃晟さんにもフリーでライトからのバックアタックを打たれたら、多分捕れないです。まあ、僕のほうが強いですけど。
田原 おいおい、謙遜していたのに(笑) 鎮西はエースバレーなので、一ノ瀬を抑え込んで、今度はストレートで勝ちたいです。
――田原選手はクイックだけでなくセンターからのバックアタックでも、西村選手は攻守で活躍しましたね
田原 思ったよりも(トスを)流したクイックが決まったので、これからはもっと使ってもいいかなと思います。
西村 璃晟さんのクイックは上がったら決めてくれるので、言うことがないです。
僕はレセプションとパイプがよかったです。レセプションは(U18)アジア選手権から帰ってきてからめっちゃよくなったイメージがあって、自信を持ってやっていたら返るようになりました。
田原 マジでうまいです。パスが返らなかったら僕たちミドルが生きないので、1本目をしっかり返してくれてありがたいです。
西村 U18ではレシーブがあまり得意ではない選手もいて、主に僕とリベロ(溝渕冬馬)の2人でサーブレシーブをしていました。自分は小さくて守備もできないと試合に出られないので、ずっと頑張っていました。海外ではサーブが速いし、捕る範囲も広かったので、清風に帰ってから自分のできる範囲だけをレシーブするようになったら、以前よりもできるようになりました。
――西村選手だけでなく、田原選手も全国高校選抜として日本代表のプレーを経験しました
田原 日の丸を背負うといろんな人に見られるので、人間性や細かいところももっとしっかりしないといけないと思いました。
(全国高校選抜で)インドネシアに行ってからすぐに足をひねってしまって、最初の 2 日間はリリーフサーバーでした。その後は試合に出させてもらいましたが、あまり出られませんでした。ミドルのときは何事もなくできましたが、サイド(オポジット)ではうまくいかないこともありました。
西村 (U18アジア選手権)決勝のイランはびっくりするくらい強かったです。それまでの試合以上に攻められて、みんながシュンとなってしまったのですが、そのときにどうすればみんなのモチベーションが上がるかな、と考えながら声をかけました。「まだ大丈夫」、「5セットあるし、自信を持っていこう」と言ったり。
田原 僕たちに対してはそれはないですね。長く一緒にやっているので、言葉を考えているぐらいなら、パッと言ったほうがいいと思います。
インターハイの決勝では、(1-1の)3セット目に点差がついたので、4セットにつなげよう、と思っていました。そうしたら、2回目のタイムアウトのときに海司が「(このセットも)いけるわ、取りきれるやろ!」ってブチギレて。負けず嫌いが出ていましたね。覚えてる?
西村 たしか「やめんなよ!」みたいに言いましたね。落とすセットがあるのがすごく嫌なんです。全部取るという気持ちでした。
田原 それから「勝ちにいかな」って。あきらめたらあかんなと思いました。
――日本代表のトップチームはアジア選手権で優勝しました。刺激はいかがでしたか?
西村 特にサーブがすごかったです。終盤でもガンガン攻めて、ショートも打って。サーブは気持ちが大事だと思いますが、それができているなと感じました。
田原 勝負強さが違うなって。僕たちはジャンプサーブを打つときにビビることもありますが、日本代表の選手たちは、それまで積み上げてきたものが違うと思いました。
西村 自分たちのスタメンにはジャンプサーブを打つ選手が4人います。今の課題はサーブですが、みんなが調子よく打ったらどこにも負けないと思っています。調子が悪い人をみんなでカバーする、そんな関係性がいちばんかなと思います。
田原 助け合いだと思います。悪いときこそ考えて打っていきたいです。
――国スポに向けてはどこをレベルアップしたいですか?
田原 僕はサーブをいちばん強化したい。 調子がいいときはミスが少なくて、コースに打てますが、悪いときは自分でもどこに打つのかがわかりません。波を少なくしたいです。
西村 僕は二段トスのスパイクです。リバウンドをとったり、フェイントをして決められる試合もありますが、最後は絶対打ちにいくしかないので。インターハイの鎮西戦で2本打ちましたが、アウトになったのが心残りでした。最後の1点を決めるために、二段トスを打ち続けたいです。
田原 もう、頑張ってほしいですね。
西村 他人事ですよね(笑)
田原 ミドルに最後のトスが上がることはほとんどありませんが、それまでに楽をさせてあげたい。海司ばかりに頼るよりも、今年はミドルが強みなので、そこまでの過程で僕たちが頑張りたいです。
西村 正直、(田原と石川叶真の)ミドルは日本一だと思っています。ミドルが決まればサイドも決まる。サイドが決まればミドルも決まる、それが強みだと思っています。そこをもっと磨いていきたいです。
――日本一を獲ってから臨む初めての全国大会です
田原 国スポは去年負けているので(5位)、インターハイで勝ったからといって驕らず、チャレンジャーの気持ちでいきたいです。
西村 璃晟さんも言ったとおり、去年は春高も、インターハイも、国スポも全部負けていて、正直悔しさはまだあるので、全部勝ちきります。
――最後に、お互いにどんなプレーをしてほしいですか?
西村 フェイントをするよりは、強気でガンガンいくと絶対に決まると思うので、強気で打ってほしいです。
田原 やっぱりエースなので、エースらしく頑張ってほしいです。
西村 雑じゃないですか? もうちょっとほしいです(笑)
田原 海司は躍動感があるので、会場を沸かせるようなスパイク打って、僕たちを盛り上げてほしいです!
西村 (満面の笑みで)納得です!
取材/田中風太(編集部)
写真/中川和泉、編集部
西村海司
にしむら・かいじ/2年/身長183㎝/最高到達点342㎝/清風中(大阪)出身/アウトサイドヒッター
田原璃晟
たはら・りせい/3年/身長190㎝/最高到達点340㎝/昇陽中(大阪)出身/ミドルブロッカー
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