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春高準優勝 畑野久雄監督(鎮西高)が語る「当たり前のことを当たり前に」 名将が最も警戒したチームは?

  • 高校生
  • 2022.02.15

インターハイ王者として臨んだ第74回全日本高等学校選手権大会(春高バレー)では、決勝で先に2セットを奪いながらも日本航空高(山梨)に逆転負け。就任して49年目の指揮官が語る「当たり前のことを当たり前」にするバレーとは

 

取材/田中風太 撮影/中川和泉、石塚康隆

 

当たり前のことをできなかった春高決勝

 

――昨夏のインターハイで優勝し、今回の春高では準優勝。結果を残した1年でした

 

 こんなに成績を残せるとは思っていなかったです。

 インターハイが終わってから、ミドルブロッカーの2人(平嶋晃、荒谷柊馬)、そして舛本(颯真)の対角の平田(悠真)がもう少し伸びてくれたら、という気持ちがずっとありました。スピード、高さ、パワー。そしてそれに伴うボールの扱いができないといかんと、常に言い続けましたね。ミスが出なければいいけど…、という状態で大会に臨みました。

 

――決勝では2-0から逆転負けと、悔しい結果になりました

 

 3セットで勝つつもりでいました。そうしたら、舛本が息切れしましたね。第5セットの9-9からスパイクがアウトになって。インターハイでもそうでしたが、よくあの体で持つな、と思っていました。ふだんはおとなしいですが、「なにくそ」という気持ちがあるんでしょうね。

 第3セットに勝つチャンスは何度かありましたが、日本航空高もしつこくて、全然リードできませんでした。

 

――その要因をどこに感じていらっしゃいますか?

 

 ずっと言い続けていたことができませんでした。前半の2点差が後半になるにつれて3、4点と広がっていくのが理想です。でも、一見ポカ(ミス)とは見えないかもしれないですが、私から見たらポカ、というプレーが出ていました。だから、リードできるときにできなかったと思います。

 具体的には、決めないといけないボールが決まらないし、チャンスボールがそうではなくなっていました。ブロックのワンタッチでチャンスボールが上がっても、それをしっかりセッターにつなげていません。セッターが走ってトスを上げて、舛本につながないと仕方がない状況が何回もありました。それこそ、いつも言っている「当たり前のことを当たり前に」ということができていませんでした。

 

――惜しくも優勝は逃しましたが、準々決勝では牧大晃選手(高松工芸高)、準決勝では甲斐優斗選手(日南振徳高)と、身長2mを超える選手がいるチームを続けて破りました

 

 甲斐選手はナンバーワン(スパイカー)だと、インターハイが終わったあとからずっと言ってきました。彼にはブロックの上から打たれるだろうし、舛本がまともにスパイクを打ってもブロックされるだろうと。試合の出だしがまさにそうでした。ただ、こちらも3枚ブロックでしつこくいけば、息切れするだろうと思っていました。そうすると、うちが連続で止めましたね。あそこで彼も萎えたんじゃないでしょうか。高松工芸戦は、うちにはミスの少ない安定した舛本がいるので、おそらく大丈夫だろう、という気持ちがありました。

 ただ、いちばん心配だったのは清風高(大阪)です。春高の事前合宿で、4セット戦いました。1セット目は舛本が相手のブロックの上から打って、25-21くらいで取りました。でも、2、3セット目は向こうが攻撃パターンを変えてきて、10点台で落としました。4セット目にようやく20点を越したぐらいで、それも取れませんでした。

 清風はスパイカーの身長は低いですが、セッター(前田凌吾)が振り回してきて、うちのミドルブロッカーはついていけませんでした。サイドは1枚(ブロック)で止めるようにして、攻撃を通さなかったら、2セット目からあまりそこにトスを上げなくなって。1人時間差、バックアタック、ライトのクイックを使われました。彼(前田)中心のチームですからね。うまいセッターでしたよ。

 ミスがなく、安定していて、いちばん強いと思っていました。ああいうミスをしないチームは反対側のブロックでよかったです。多分決勝までくるだろうと思っていたので。

 

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