サイトアイコン 月バレ.com【月刊バレーボール】

髙橋藍のパドヴァが臨む第3節。「地に足をつける」チステルナとの全勝対決

 イタリア・セリエAは2022/23シーズンは先週の第2節を終えて、波乱の幕開けとなった。これまで常に上位4つを占めていた“トップ4”のうち、ルーベ、トレンティーノ、モデナがすでに黒星を喫しているのだ。それもトップ4どうしの直接対決によるものではなく、昨季まで中団~下位グループに位置していたチームを相手に星を落としている。

 

 まだ2試合を消化しただけだが、近年の勢力図からすれば思いも寄らない状況といえるだろう。その主役となっているのが、第2節終了時点で首位に立つチステルナや、日本の若きエース高橋藍擁するパドヴァ、また昨季得点王のロク・モジッチ(スロベニア)が所属するヴェローナである。

 

イタリア・セリエA レギュラーシーズン

==順位表/第2節終了時点==

1 チステルナ 6pt(2勝0敗)

2 ペルージャ 6pt(2勝0敗)

3 ヴェローナ 4pt(2勝0敗)

4 パドヴァ 4pt(2勝0敗)

5 ルーベ 4pt(1勝1敗)

6 トレンティーノ 4pt(1勝1敗)

7 モデナ 4pt(1勝1敗)

8 ミラノ 2pt(1勝1敗)

9 ピアチェンツァ 1pt(0勝2敗)

10 モンツァ 1pt(0勝2敗)

11 シエナ 0pt(0勝2敗)

12 ターラント 0pt(0勝2敗)

 

<アウェーでの開幕ミラノ戦で快勝を収めたチステルナ(Photo:legavolley.it)>

 

開幕から2試合連続でストレート勝ち

 

 そのチステルナとパドヴァが、さっそく今週16日の第3節でぶつかり合う。チステルナは、過去に石川祐希が中央大時代にプレーしたチームで、当時の名称はラティーナ。2019/20シーズンから、自治体の名前に変更されて現在のチステルナとなった。

 

 昨季の成績はレギュラーシーズン8位(13チーム中)、5位決定プレーオフ準優勝、と中団グループに位置するチームだが、今季は一味違う。第1節(10/2)のミラノ戦、第2節(10/9)のターラント戦でともにストレート勝ちを収め、今や首位に立つのだ。ミラノ戦では戦術的なサーブから流れをつくり、内容では完勝(25-22,25-19,25-23)。ファビオ・ソーリ監督も「大きな力を与えてくれる結果」と喜んだ。そして、第2節も第3セットこそジュースになるも、最後は勝ち切ってみせた(25-20,25-16,28-26)。

 

<高い決定力を武器に得点を重ねるディルリッチ(Photo:legavolley.it)>

 

 コート上を見ると、33歳のセッター、ミケレ・バラノビッチ(イタリア)と31歳のミドルブロッカー、エイダン・ジンゲル(オーストラリア)のベテラン2人が安定する一方で、昨季から得点源を担うオポジットのペータル・ディルリッチ(クロアチア)が好調をキープ。ディルリッチは開幕から2試合連続でMVPに選出される活躍ぶりだ。

 

 また、今やファンを魅了してやまない“韋駄天リベロ”ダミアノ・カタニア(イタリア)がボールを拾い上げる。そのカタニアは開幕2戦を振り返り、「シーズンまでの3ヵ月間、こつこつと準備を進めてきましたし、その手応えは十分にあります」と胸を張る。

 

<俊敏な動きと抜群の反応でフロアディフェンスの要となるカタニア(Photo:legavolley.it)>

 

 快勝が続き、充実感がみなぎるチステルナ。だが、ミラノ戦後は指揮官が、ターラント戦後は司令塔が、いずれも口をそろえて発したのは「地に足をつけて戦わなければならない」という言葉。まだまだ始まったばかりで、そして激しい戦いが毎週のように続くセリエAにおいて、あくまでも謙虚に、現在地を確かめながら一歩ずつ進むという姿勢が表れている。

 

 ソーリ監督は「自分たちが試合に臨むメンタルも、また周りの期待値も異なってくる」と見定め、バラノビッチも「まだ何も成し遂げていない」と語る。とはいえ、無敗どうしの直接対決となる今週末に勝利すれば、その勢いをさらに加速させる1勝になることは間違いない。そしてそれは、髙橋藍のパドヴァも同様のことが言えるのである。

 

<就任2季目のソーリ監督の元、チステルナは上位進出を目指す(Photo:legavolley.it)>

 

〔責任編集:GUCII(坂口功将/編集部)〕

 

>>観戦のおともに必須!!<<

2022/23シーズン セリエA選手名鑑掲載の

『月刊バレーボール11月号』は好評発売中

世界最高峰の戦いをさらに味わえること間違いなし♪

お求めは【NBPオンラインショップ】までコチラ

 

【関連記事】

石川祐希が渡伊を前に会見 「今後のキャリアにとってとても重要なシーズン」

「このシャツを着るかぎりは…」ブラジル男子のブルーノが日本戦で6番を着た背景と節目の年に語ったプライド

男子世界選手権はイタリアがポーランドに逆転勝ちで4度目V

髙橋藍が出国 2年目のイタリア挑戦へ

 

モバイルバージョンを終了