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春高2025

洛南高 全国大会の経験を生かし逆転勝ちで2年連続の本戦へ 中上キャプテンは両チーム最多の42得点【春高2025京都府予選(男子)】

  • 高校生
  • 2024.11.18

令和6年度全日本バレーボール高等学校選手権大会京都府予選会は、11月16日(土)に島津アリーナ京都で決勝が行われた。男子はインターハイベスト4、国スポ5位の洛南高が2年連続25回目の本戦出場を決めた

 

 

#5中上烈(洛南高)

 

 

セッター樋口が途中交代のアクシデントも対応

 

 チャレンジャーだった1年前とは真逆の展開だった。全国大会に出られなかった悔しさをぶつけ、インターハイ、国体準優勝の東山高に逆転勝ちした昨年の府予選決勝とは違い、今季2度の大舞台を経験した洛南高が第1セットを落とした。そのまま崩れてもおかしくない状況だが、セットを先取されるケースは全国でも経験済み。エースの中上烈キャプテンは落ち着いた口調で話す。

「スタートダッシュがあまりよくないことは今まで何回も経験しているので。そこはいつもどおりかな、と。悪いところですが、切り替えて1本を取ったらいけるやろ、という気持ちでした」

 

 細田哲也監督が「うちのバレーが全然できていませんでした。中上、中上でいくと単調になる恐れがあって、先にクイックを使おうとしたことがマイナスに出た」という第1セットとは一転。第2セットは序盤から中上キャプテンにトスを集め、前衛後衛問わず相手のレシーブを弾き飛ばす。すると、オポジットの吉田海斗の引き出しの多い攻撃、サウスポーでミドルブロッカーの大西風弥のクイックなども決まった。第2セット、第3セットともに一度もリードを許さないまま連取して、勝利に王手をかけた。

 

 だが、第3セット終盤にはセッター樋口卓朗が足をつり、2年生の清水愛音に交代。第4セットはスタートから清水がコートに立った。1年生時から司令塔を務める樋口は、インターハイ直前に左足小指を骨折。10月末に復帰したが、その後は「最初からできることを100%でやろう」と気持ちがはやり、肉離れを起こしていた。

 

 回復はしていたものの、完全復活ではないなかで襲ったアクシデント。清水は「めっちゃ緊張しました」と振り返ったが、樋口が離脱したインターハイ、国スポでは正セッターとして大舞台でプレーしていた。中盤までリードされたものの「いつどこで上げてもしっかり決めてくれて、すごく頼りになる存在」というエースにトスを集めた。19-20からはバックアタックも含めてすべて中上キャプテンの得点で逆転勝ち。細田監督は言う。

「インターハイ、国スポでは途中で負けてしまいましたが、セッター(清水)を使えたことが今回の勝利に絶対つながっていると思います。あのままケガをせずに樋口でいって、今日初めて足をつっていたら、あんなトスは上げられなかった。チーム洛南で戦えたと思います」

 

 

洛南高

 

 

 昨年度、3年生の多くは5年ぶりの春高を経験。2回戦敗退に終わったが、今回は頂点だけを見据える。この試合で両チーム最多の42得点をマークした中上キャプテンは「3年生は引退試合になるので、負けたくない気持ちはどこのチームよりも強いと思います」と鋭い眼差し。樋口は「スパイカーが決めて笑顔になるのが好きなので。スパイカーが調子を上げられるような、気持ちよく打てるトスを上げたいです」と本戦での全開のプレーを誓った。

 

 

東山高

ルーキー岩田が躍動も逆転負け

「来年は春高に出られるように」

 

 東山高は1年生エース岩田怜緯がチーム最多の24得点と存在感を発揮したが、3年ぶりのオレンジコートには届かなかった。

 

 第1セットはこの1年間で鍛えてきたディフェンスが機能。相手エース中上の強打も体を張って上げ、鳥羽勇佑のクイックや、岩田、守屋徒輝の両エースの得点につなげ、セットを先取した。だが、第2セット以降は中上の硬軟交えた攻撃に揺さぶられ、リズムに乗れず。岩田は「最後、自分に託されたところで決めきれなかったのが課題。エースとしてチームを鼓舞することができなかったので、来年はここで勝って春高に出られるように練習したいです」と唇をかんだ。

 

 それでも、U16日本代表などで国際大会経験も豊富で、今大会からエースナンバーの「4」を背負ったルーキーへの期待は大きい。松永理生監督は「1年生ですが、東山のエースとして打ちきってくれたので、そこは感謝しかありません。彼には将来的に日本を背負ってもらいたいので、これからも頑張ってほしい」とエールを送った。

 

 

#4岩田怜緯(東山高)

 

 

決勝の試合結果

洛南高 320-2525-1925-2225-221 東山高

 

文・写真/田中風太(編集部)

 

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