第78回鹿児島県高等学校バレーボール競技大会(兼全国・九州大会県予選)は、6月1日に西原商会アリーナで大会最終日を迎えた。男子は川内商工高が5年連続6回目の優勝、女子は鹿児島女高が2年ぶり49回目の優勝を果たし、それぞれ全国大会への出場を決めた。
春高ベスト8の川内商工高は新チームも視界良好
男子決勝リーグ最終戦、2勝どうしで激突した川内商工高と樟南高の一戦は、川内商工高が攻守にわたってギアを上げ、ストレート勝ち(25-12、25-19)で樟南高を退けた。3年生アウトサイドヒッターの尾田原琉碧と、今季スーパールーキーとして加入した1年生オポジット田中洸が躍動。さえわたるジャンプサーブで樟南高の守備を崩し、攻撃の芽を摘んだ。
守備では、リベロに入った3年生の牧田蒼翔が安定感をもたらし、声を出してチームを鼓舞。3年生ミドルブロッカーの吉永博智、2年生の飯伏文矢、3年生の原囿愁穂らも加わり、“全員バレー”で一気に勝負を決めた。
田代博明監督は、「手の内を読まれるなかで、布陣を変えるなど構える部分もあった」と、県大会の難しさを振り返る。「春高ベスト8から、もう一つ上の山に挑めるよう、チームの“でこぼこ感”をなくして戦いたい」と全国を見据える。
キャプテンの尾田原は、「先輩たちがつないできた優勝を、自分たちの代でも達成できてうれしい」と笑顔を見せた。この夏、川内商工高の新たな章が幕を開ける。
鹿児島女高は昨年のリベンジ
女子決勝リーグ最終戦は、鹿児島女高が1年前には敗れた鹿児島実高を寄せつけず、ストレート勝ち(25-12、25-16)で2年ぶりの頂点に立った。攻撃の枚数を増やして臨んだ鹿児島女高は、第1セット序盤から連続ブレイクで大量リードを奪い、流れを掌握。
第2セットでは、3年生エースの山下凛華が負傷退場するアクシデントに見舞われたが、3年生ミドルブロッカー小園朝巳が鋭い速攻で得点を重ねてチームを支えた。中盤以降、復帰した山下(凛)、キャプテンの3年生、山下京香、同じく3年生の山口友奈らが得点源となり、どこからでも攻められるバレーで春高ベスト16の鹿児島実高を圧倒した。
「粘り強く、全員で守って全員で点を取る、“つなぐバレー”を全国でも発揮したい」と、山下(京)キャプテンは力を込めた。
取材/泊 亜希子
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