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SVリーグ2024-25

福岡女学院高 佐々木美紗惠が3年目につかんだレギュラーの座。「最高なんです。千尋のトスを打てるだけで」と涙する、セッターとの絆

  • 高校生
  • 2025.07.07

 「令和7年度全国高等学校総合体育大会」(インターハイ)の女子バレーボール競技女子が85日(火)から岡山県で開催される。2年ぶり3度目の出場となる福岡女学院高(福岡)は今年度に入ってから全九州総合選手権と全九州高校体育大会の“九州二冠”を獲得しており、目標に日本一を掲げて岡山に乗り込む。

 

 その主力である現3年生のメンバーは3年前の夏、一貫校の福岡女学院中にて全国大会ベスト4に輝いた実績を持つ。セッターの萩原千尋を筆頭に、彼女たちは高校でも下級生時から主力を務めてきており、この高校3年目はまさに“勝負の年”。そのなかでも、並々ならぬ思いでシーズンを過ごしているのがミドルブロッカーの佐々木美紗惠だ。

 

 

佐々木美紗惠(ささき・みさえ/福岡女学院高〔福岡〕3年/身長181㎝/最高到達点301㎝/ミドルブロッカー)

 

 

 比較的サイズに恵まれ(現在はチーム最長身の181㎝)、中学時代は身長を生かしたブロックでチームに貢献した。力のある同級生たちと一緒に高校へ進学して活躍を…、と願っていたものの、しかし高校では「みんなと比べて技術が足りなくて」(佐々木)、出場機会が巡ってこず。初めてスタメン入りをかなえたのは、3年生になってからだった。

「自分がコートに立てていない、それを考えるだけでほんとうに悔しくて。同じポジションには自分よりも下の学年の選手が入って、チームの一人としては支えなければいけない。でも、ときには純粋に応援できていない自分もいました」

 

 練習時にはBチームに回って、主力で構成されたAチームと対戦することもあり、そこでは悔しさに打ちひしがれた。それでも「チームのために、といつも考えるようにしていました。たとえ自分が出ていなくても、Aチームを相手にするときには、それが自分のためにもなる。自分を成長させる時間に使うんだ、と」。やがて念願かない、同級生たちと肩を並べてコートに立つことができるようになった。

 

 中学3年生時には「自分はブロックしかできません。身長があってもアタックの決定力が低いので、どんなトスでも打ちきれる選手になりたい」と語っており、今も「少しは攻撃面も長けてきたと思います」と謙遜するが、3mに達する到達点から鋭く放つクイックは立派な武器になっている。そのアタックを引き出しているのが、中学から6年目の付き合いになるセッターの萩原だった。佐々木はかみ締めるようにして、萩原のトスをこのように語る。

「(萩原)千尋のトスがいいんですよ。私はそれが打てるだけでうれしい。もう最高なんです。私が打ちやすいところに上げてくれますし、高校3年目の今は『決めて!!』という思いがトスから感じられます。だからこそ決めきれなかったら、とても悔しいです」

 

 

萩原(左)とは阿吽の呼吸でコンビを繰り出す

 

 

 今年6月の全九州高校体育大会。福岡工大附城東高との“福岡対決”となった決勝は2-0で勝利した。そのいずれのセットでもチームの最初のアタックポイントを決めたのは佐々木だった。その意図を「福岡女学院といえば“レフトに上げる”というイメージがまだ周りのチームに印象づいていると感じています。ですが今年は『レフト以外も打てるんだぞ』というのを見せたい」と萩原。むろん、その思いに佐々木も応えてみせている。

「試合の最初のローテーションではセッターが前衛なので、アタッカーは2枚。レフトがマークされると思うのですが、そこでは『私もおるし!!』という気持ちで最近は打っています。レフトのエースに頼るのではなく、自分が“センターエース”になれるように考えています」

 

 萩原が言うに、この3年間で最も成長した同級生が佐々木。「中学時代と比べて決まるボールが増えてきました。それに、こうしてほしいと伝えたことを徹底してくれる。とてもやりやすいです」と、お互いの信頼感は息ぴったりのコンビに凝縮されている。

 繰り返すが中高とともに過ごして、これが6年目である。気持ちがみなぎるのも無理はない。佐々木は少し照れくさそうに、それでも言葉に力を込めた。

「みんなのために、と思うとどうしても力んでしまって…。まだ自分の中で感情をコントロールできていないんです。でも、やっぱりこのメンバーで一緒に戦えるのがうれしいですし、だからこそ頑張れる。

 インターハイでは相手も高くなるでしょうし、自分よりも経験のある選手がたくさんいると思いますが、そこでも福岡女学院らしさは忘れずに。自分は高さで勝負して、どんなプレーであれ得点が決まったら全力で喜びたいと思います」

 

 全国の頂点を目指す夏。その瞬間にコートに立っていることへの喜びを胸に、佐々木は相方のトスを呼び込む。

 

 

中高6年間の絆を武器に、岡山でのインターハイに臨む

 

(文・写真/坂口功将)

 

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