インターハイの余韻も残る夏の終わり。しかし、国スポや春高バレーに向けた準備は進んでおり、各校とも課題の克服やさらなるチーム力の向上を目指し、指導者や選手たちは日々動き続けている。その一助となるべく、9月13日から15日まで、岐阜県を舞台に新たな試みとして開催されたのが「NOBITA CUP」だ。主催はスポーツアパレルブランドやソイプロテインを手がける株式会社feel.(フィールドット)。会場を提供した岐阜協立大および地元の強豪校である県立岐阜商高男子バレーボール部が共催、さらに株式会社feel.と地元の文具事務用品店である熊樹堂の協賛のもと、全国から下記男子10チームが一堂に会して実施された。
「第1回 NOBITA CUP」出場チーム
駿台学園高(東京)/東海大付相模高(神奈川)/静清高(静岡)/愛知工大名電高(愛知)/県立岐阜商高(岐阜)/岡谷高(長野)/洛南高(京都)/清風高(大阪)/高川学園高(山口)/都城工高(宮崎)
試合は3日間を通して10チームによる総当たりリーグ戦(25点先取の2セットマッチ。28点打ち切り)で行われ、3月の全国私立高等学校選手権大会で初優勝を飾り、インターハイではベスト8の清風高が負けなしの8勝1分けで優勝を飾った(参加チームと詳しい試合結果は別記のとおり)。負けたら終わりのトーナメントとは異なり、課題の修正や、失敗を恐れず練習の成果を繰り返し試すことができるのはリーグ戦ならでは。選手たちにとっては目の前の一球をいかにして仲間につなぎ、その思いを受け止め、そして託された者は得点に結びつけるかに意識を集中させた、一瞬一瞬が成長につながる貴重な時間となったようだ。
先に記した大会を支えた各団体に共通しているのは、高校部活動でチーム強化を図るにあたり、多くの自己負担が必要となるなか、さまざまな支援の形で学生たちに試合機会を創出し、バレーボール界の発展に貢献したいという思い。それらが結実し、今回、第1回大会の開催が実現した。
「大会が無事に終了し、ほっとしています」と語るのは、1年前からこの大会の開催のために奔走してきた、県立岐阜商高の辻裕作監督。「企業がスポーツを支え、スポーツが企業を支えていくような関係性は、この先のジュニアスポーツ界にも必要なことだと私自身は考えています。今回の大会がきっかけとなり、日本全国でこのような取り組みが広がっていくことを期待しています」と続け、来年以降の展開に思いをはせた。
大会期間中には協賛社による栄養知識に関するイベントも実施されるなど、試合の勝ち負けだけにとどまらず、心身ともに大きく成長する年代にとって意義ある学びの時間となった。辻監督が語るように、第2回、第3回と大会が継続的に開催され、さらにその輪が全国に広がってゆくことを期待したい。
写真提供:株式会社feel. 資料提供:県立岐阜商高男子バレーボール部
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第1回NOBITA CUP試合結果一覧表