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大阪マーヴェラスが薩摩川内市で初の合宿 バレーボール教室で地元中学生と交流

参加チームとの記念撮影

 参加チームとの記念撮影

 

 

 SVリーグ女子の初代女王である大阪マーヴェラスが、916日から22日まで薩摩川内市(鹿児島)で初の合宿を実施。会場となったサンアリーナせんだいでは、21日に地元の中学生を対象としたバレーボール教室が開催され、選手・コーチが直接指導に当たった。

 

 

ウォームアップの様子

 

 

 バレーボール教室には薩摩川内市内の5つの中学校と1つのクラブチームが参加。およそ70名の女子バレーボール部員たちが、トップ選手たちから直接指導を受ける機会に恵まれた。アイスブレイクを取り入れたウォーミングアップから始まり、パス、ディグ、サーブ、スパイクといった実践的な練習が休憩を挟んで行われていく。セッター塩出仁美のテキパキとした進行もあり、生徒たちは選手の質の高いプレーを真剣な眼差しで学び、最初は緊張していた表情もしだいに笑顔へと変わっていった。コーチや選手から「いいね! ナイス!」と声をかけられると、喜びを仲間と分かち合う姿が多く見られた。練習後には、選手と車座になっての質問コーナーやサイン会も実施され、充実した時間を締めくくった。

 

 海星中の野村空亜(くりあ)さんは薩摩川内市の離島、甑島(こしきしま)から参加した。学校では女子バレー部員は野村さん一人。ふだんは男子バレーボール部員と一緒に練習している。練習後は「林選手と握手してもらい、来てよかった」と満面の笑み。「練習を怠ってしまうこともあったが、今日のことを思い出し、毎日の練習を大事にしたい」と決意を新たにした。生徒を代表し、お礼の言葉を伝えた東郷学園義務教育学校の上野愛莉さんは「新しいことを知ることができ楽しかった。スパイクの踏み切り方、ひじを後ろに引くにはどうすればいいかなど、詳しく教えていただいたので、ふだんの練習で生かしたい」と、意欲を見せた。

 

 

田中瑞稀主将のスパイク。レシーブできる?

 

 

選手インタビュー

■田中瑞稀主将

――ここまでチームの調子は?

「新加入の選手も入り、いい雰囲気の中でチームをつくり上げている段階。チームとしても、個人としてもレベルアップができ、充実した合宿になっている。昨季は途中出場の選手が活躍するなど、今まで試合機会の少なかった選手が自信をつけたシーズンだった。目指すチーム像を体現できたし、総合力、チーム全員の力で勝つことができた。今季も『誰が出ても勝てるチーム』を目指す」

 

――キャプテンとして、どんなことを意識していますか?

「選手それぞれ、個性の強いチームで、みんなのよさを存分に生かせるようなチームにしたいと思っている。チームの調子がいいときは特に何もせずともいいプレーをしてくれるので、よくないときにキャプテンとして落ち着きを与え、チームを引き締めるような声かけを意識している」

 

――今季の目標は?

「今季も優勝を目指します。試合を重ねるごとに強くなり、自分たちのチームがより一層、進化していけるように頑張りたい」

 

――プロ野球の始球式にも登場しました

「初めてのことで緊張したが、大阪での認知度を高めていきたい。ほかの競技の力も借りながら、大阪にマーヴェラスというチームがあることを知ってもらい、試合を見にきてくれる方々を増やしたい」

 

 

レシーブのお手本を見せる林琴奈

 

 

■林 琴奈選手

――昨季はレギュラーシーズンMVPを獲得しました

「シーズン当初、自分が取るという思いはなかった。自分の成長と、チームとしても成長していきたいという思いでやった結果、MVP受賞につながったことは素直にうれしい。一方で、攻撃面、レシーブ面でも足りない部分はあったので、今季はできていない部分を少しでも伸ばしたい」

 

――今季の個人的な目標は?

「レシーブの面がよいという印象が強く、攻撃面での印象が薄いのでは? と自分では思っている。今季は攻撃面での勝負強さを出していきたい。競った場面、最後にトスを託してもらえるような決定力を出せるようになりたい」

 

――SVリーグアワードでの衣装も話題でした

「一生着ないと思うような衣装でしたけど(笑) みんなでまた出られるよう、頑張りたい」

 

――バレーボールを頑張る生徒たちへ

「こうして薩摩川内市に来て、子どもたちと出会えて一緒にバレーができてうれしい。しんどいこともたくさんあると思うが、楽しむことを忘れないでプレーを続けて。また一緒にバレーができたらうれしいです」

 

 

優しく指導する福村心優美

 

 

■福村心優美選手

――練習教室に参加して

「純粋に頑張っている姿を見て、自分たちも元気をもらえたし、いろんな人にマーヴェラスを知ってもらえるいい機会なので、もっとこういう活動をしていきたい。楽しかったです」

 

――2025女子U21バレーボール世界選手権大会では準優勝でした

「悔しさのほうが大きかったが、世界レベルのブロックの高さを知ることができたし、戦い方を学んだ。高いブロックが相手でも、ひるまず打っていけるよう頑張りたい」

 

――大阪マーヴェラスに入団して

「素晴らしい先輩と一緒にバレーができる喜びをかみしめながら、いろんなことを吸収して、もっとうまくなりたいと思ったシーズンだった。今季は一試合でも多くコートに立って、マーヴェラスのことや自分のことも、より多くの人に知ってもらえるように、練習から頑張っていきたい」

 

 酒井大祐監督の推薦もあり、薩摩川内市での初の合宿となった大阪マーヴェラス。田中主将や林を中心に、チーム一丸となって戦う堅実さは練習からも感じられた。合宿終了後は薩摩川内市から佐賀県鳥栖市に移動し、923日(火・祝)には久光スプリングスとのWorld Challenge Matchに臨む。SVリーグ初代女王として、シーズン開幕に向けて、しっかりと照準を定めている。

 

取材:泊 亜希子

 

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