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デフバレーボール女子日本代表はトルコに勝利して金メダル 東京2025デフリンピック

金メダルポイントは③平岡早百合のスパイクだった

日本開催の記念すべき大会で有終の美

 

 デフ(きこえない・きこえにくい)アスリートのための国際的な総合スポーツ大会、東京2025デフリンピックのデフバレーボールは25日に駒沢オリンピック公園総合運動場体育館(東京)で最終日を迎え、デフバレーボール女子日本代表は決勝でトルコを3-0で下し、2大会ぶりの金メダルに輝いた。

 

 

金メダルポイントは③平岡早百合のスパイクだった

 

 

 23日の準決勝ではウクライナをフルセットで振り切って、決勝に勝ち上がった日本は、前回大会を制したトルコと対戦。第1セットを圧倒すると、第2、第3セットはいずれも競り合いを抜け出した。マッチポイントからのラリーでは、最高の二段トスがレフトへ。身長162cmのエース平岡早百合が迷いなくこれを打ちきり、満員の観客の前で優勝を決めた。

 

 選手たちは、ほぼ音が聞こえない状態でプレーしている。しかし、徹底されたリバウンドからのフォローやそこからのコンビを見ていると、彼女たちは「聞こえない」のだということを忘れてしまう。ほかのどの出場国よりも小さいのは、多くのカテゴリーで日本にとってはおなじみの状況だが、特にこのデフバレーボール女子日本代表は、170cm以上の選手がいないなかでも持ち味を磨き上げ、高さに屈しない明るいチームをつくってきた。

「言葉が出ないくらいうれしさでいっぱい。聞こえなくてもできるんだ、と示すことができた」と話したのは梅本沙也華。双子の姉である梅本綾也華主将は「応援が力になり、それを生かして思い切ったバレーをすることができた。頑張ってよかった」と、充実した表情で語った。

 

 

日本開催で注目されるなか、意義深い活躍

 

 

 11月15日に幕を開けたデフリンピックは、26日(水)に閉会式が行われ、すべての日程を終了する。1924年に始まったこの大会が今回は日本で初めて開催され、多くの人にとって世界を広げる機会となった。今後は、一人一人の理解を出発点とした、継続的な取り組みが重要となってくるだろう。

 

【女子決勝 11月25日(火)】

日本 3-0 トルコ

(25-8、25-21、25-20)

 

■トルコ戦の日本のスターティングメンバー(女子)

中田、平岡、長谷山、梅本(綾)、梅本(沙)、岡田、リベロ石原

 

 

会場を埋め尽くす観客が声援を送った

 

 

【デフバレーボール女子日本代表選手(14人)】

ポジション表記はS=セッター、OH=アウトサイドヒッター、MB=ミドルブロッカー、OP=オポジット、L=リベロ

<背番号/名前/所属都道府県/身長(cm)/ポジション>

1 中田美緒/神奈川/165/S

2 岡田夕愛/新潟/168/MB

3 平岡早百合/神奈川/162/OP・OH

4 栗林愛美/愛媛/162/OH

5 尾塚愛実/鹿児島/169/OH

6 佐藤愛莉/東京/156/L

7 長谷山優美/東京/166/MB

8 松永彩珠/東京/159/S

9 戌丸奈美/大阪/149/L

10 髙濵彩佑生/神奈川/163/OH

11 石原美海/大阪/160/L

12 梅本綾也華/大阪/165/MB ※キャプテン

13 高橋朋伽/新潟/164/OH

14 梅本沙也華/大阪/165/OH

【監督】川北美雪(東京)

 

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