デフバレーボール女子日本代表は合宿で「最後の1点」にフォーカス
- 女子日本代表
- 2025.09.21
狩野監督(左端)の身長が174cm。代表メンバーはサイズの不利を補うべく進化を続ける
耳が聞こえないアスリートのための国際的な総合スポーツ大会、デフリンピックが11月15日(土)から東京で開催される。日本で初めてとなる、この大会の開幕を2ヵ月後に控えた9月13日~15日に、デフバレーボール女子日本代表が味の素NTC(東京)で強化合宿を行った。
高いブロックに対していかに得点できるか、は重要なポイント
最近の代表合宿では、大学など外部のチームと練習試合を行うケースが多かったが、今回は男性スタッフに入ってもらい、海外の高いブロックを想定したゲーム練習を実施。「自分たちの確認を多めにとっていく合宿、というイメージ」と狩野美雪監督は話した。
これまでの合宿で、レシーブやつなぎに関しては手応えをつかんだ部分もあるが、「上がったボールを点数にするところが、なかなか。シニアもそうですが、高いブロックに対して最後の1点を取るというところが課題なので、そこにフォーカスしています」。そう監督が話す「シニア」とは、タイでの世界選手権で4位だった女子日本代表のこと。自身もかつてシニア代表として世界と戦った狩野監督は、「カテゴリーは違っても、相手は自分たちよりかなり大きいとか、パワーがあるとか、(デフリンピックでも)そういったことが想定される」と、世界選手権を参考に、きたるべき舞台での対応をイメージしていた。
この日、選手たちは手首を使ったアタックを繰り返し意識していた
いざゲーム練習になると、選手たちは相手の高さを意識してしまい、「高いブロック」がいないときでもスパイクをアウトにしてしまうなど、うまく得点できない場面も。そこで対策として、アタック時に手首をしっかり使い、ボールの上を捕らえるよう意識づける練習を実施し、繰り返した。強打にこだわらず空いたスペースを狙ってボールを落とし、確実に1点をもぎ取る。限られた時間とはいえ体力的にもハードな合宿の中で、選手たちはまた一つ、新たな武器を手にしつつあった。
一つのメニューが終わって指示の声が途切れた瞬間も、選手たちは表情豊かに手話でコミュニケーションをとりあっている。いくつもの力強い呼吸音が聞こえてくるが、それが落ち着くより前に、また次なるメニューへ――。彼女たちは目指す「頂点」への階段を、一段ずつ上り続けている。
デフリンピックのバレーボール競技は駒沢オリンピック公園総合運動場体育館(東京)にて11月16日(日)よりスタート。デフバレーボール女子日本代表は16日、10:15からの初戦でケニアと対戦する。
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