高校三冠メンバーの櫻井信人(岐阜協立大男子1年) 初の全日本インカレで深めた自信
- 大学生
- 2025.12.17
大学日本一を決める第78回秩⽗宮賜杯全⽇本バレーボール⼤学男⼦選⼿権⼤会 ミキプルーンスーパーカレッジバレー2025(以下、全日本インカレ)は12月7日まで大田区総合体育館(東京)などで行われた。早稲田大の優勝で幕を閉じた同大会だが、ベスト16に終わるも、大会を通して高い得点力を発揮した岐阜協立大の櫻井信人のプレーが輝きを放った。
駿台学園高(東京)出身の櫻井は、高校3年生時の昨年度、現在日本代表にも登録されている川野琢磨(早稲田大1年)とのWエースとして、インターハイ、国スポ、春高と3つの全国大会で優勝。跳躍力を生かしたバックアタックやサーブを武器に、春高決勝ではチーム最多の28得点をたたき出した逸材だ。岐阜協立大進学後、春からレギュラーをつかむと、東海大学春季リーグ戦でサーブ賞と最優秀新人賞を獲得し、2年ぶりの優勝に大きく貢献。秋季リーグ戦でも2位に入り、全日本インカレに挑んだ。
ベスト8進出はならなかったが、大会を通して高い得点力を発揮した櫻井
磨いた攻撃は関東の大学にも通用
「今後のモチベーションになる」
1回戦(対北翔大)と2回戦(対徳島大)をストレートで勝利した岐阜協立大は、3回戦で今年の関東大学春季リーグ2位の順天堂大と対戦。最初の2セットを落とし、後がない第3セットの21-21の場面、櫻井はサーブレシーブを乱すも、リベロの城戸健太郎から上がった二段トスを打ちきる。
「自分は高いブロックを相手にするのが苦手。二段トスの打ち方に関して、いろいろな人からアドバイスをもらいながら、工夫しました」
繰り返してきた練習が実り、レフトからのスパイクを3枚ブロックの内側に通した。続けて強烈なジャンプサーブで、相手レシーブをはじいてサービスエース。波に乗ったチームはこのセットを奪取した。続く第4セットはものにできず敗れたが、櫻井は得意のバックアタックで得点を重ねた。試合後、「バック(アタック)のほうが得意。関東の強豪にも通じたことは、今後のモチベーションになる」と満足げに振り返った。
この順天堂大戦では、駿台学園高の同期である三宅綜大と対峙。「自分のことをすべて知っているので、全部読まれているのではないか」「どう裏をかこうか」と模索しながら攻撃していたという。三宅だけでなく川野や谷本悦司(筑波大)ら高校時代の仲間とはふだんからみんなでビデオ通話をする仲であり、「全カレ(全日本インカレ)で再会できたのはうれしい。高校のときとは違い、それぞれ各大学のオーラを身にまとっていておもしろいです」と、今はライバルとなった仲間たちの存在を励みに感じている。
今年度の岐阜協立大は櫻井や伊達清穏、森田悠斗の1年生3人がコートに立ってきた。チームを支えた4年生に感謝しつつ、「今度は自分たちが鼓舞できるようになりたい」と語る櫻井。自身としては「関東勢にも引けをとらないバックアタックやサーブで、前衛よりも後衛でのプレーで貢献したい」と武器を磨き上げていくつもりだ。昨年度オレンジコートで見せ、今年輝きを増したパワフルなプレーはこれからもチームを明るく照らすだろう。
櫻井は来年度、「全日本インカレでベスト8以上に入るチームをつくりたい」と意気込む
櫻井信人(岐阜協立大1年)
さくらい・まこと/身長182㎝/最高到達点330㎝/駿台学園高(東京)出身/アウトサイドヒッター
■岐阜協立大の全日本インカレ戦績(ベスト16)
1回戦
○ 3 (25-23、27-25、25-17) 0 北翔大
2回戦
○ 3 (25-21、25-13、25-20) 0 徳島大
3回戦
● 1 (19-25、21-25、25-21、19-25) 3 順天堂大
文・写真/廣田充則(編集部)
■全日本インカレ男子 早稲田大が失セット0の完全優勝で2年ぶり11回目の栄冠
■全日本インカレ女子 東京女体大が鹿屋体大を下して55年ぶり2回目の優勝
■天皇杯・皇后杯 JVA全日本選手権大会ファイナルラウンド 男子はヴォレアスが前回王者のサントリーを下し準決勝進出 女子は連覇を狙うヴィクトリーナ姫路がベスト4へ





























