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春高2026

WD名古屋のホームゲームでSVリーグ男子が長崎に初上陸 ハピネスアリーナを揺らした熱狂の2日間

  • SV男子
  • 2026.03.12

コートまでの距離が近く

観客と選手を一体にする工夫を凝らした設計

 

 長崎県で初めて、大同生命SVリーグ男子の公式戦が228日、31日に開催された。対戦カードはウルフドッグス名古屋対VC長野トライデンツ。九州出身者が複数在籍しているWD名古屋のホームゲームとして行われた。トップリーグの試合を一目見ようと、両日とも5,000人近い観客が長崎スタジアムシティHAPPINESS ARENA(以下、ハピネスアリーナ)に詰めかけた。

 

 会場となったハピネスアリーナは、最大約6,000人を収容可能な最新鋭のアリーナで、徹底して「観戦体験」を考えた内部構造が特徴。2024年にオープンし、B.LEAGUEの長崎ヴェルカのホームアリーナとしても使用されている。スタンド席の勾配は急で、上方の座席からでもコートをのぞき込むような高い視認性と距離の近さを感じることができる。この全方位からコートを囲い込むスタンドが一種の「壁」となって観客の手拍子や歓声を反響させ、熱狂をコート中央へと凝縮させていく。
 ホスピタリティの面を見ると、クッション性の高い座席は全席ドリンクホルダー完備。天井中央には4面の大型センタービジョンが設置され、どの座席からでもリアルタイムで戦況やリプレイを把握できる。通常は最上階に配置されることが多いVIPルームを、アリーナ席のすぐ背後である1.5階部分に配置するレイアウトも一つの特徴。最先端の音響設備とこれらの設計が相まって、質の高い観戦環境が実現していた。

 

2セット連取されてからの逆襲

フルセットを制したWD名古屋の底力

 

 

第2戦でブロックを3本決めたVC長野の#24安部翔大も九州・福岡県の出身

 


 この優れた環境の中で繰り広げられた試合は、初開催にふさわしい激闘となった。初戦はWD名古屋がストレート勝ちを収めたが、2戦目は一転、VC長野が猛攻を見せる。第1、第2セットを連取したVC長野に対し、WD名古屋は第3セットでティモシー・カールと水町泰杜を投入して怒とうの反撃。この交代を機に水町とノルベルト・フベルが得点を重ね、25-21WD名古屋がセットを奪い返した。続く第4セットは中盤までVC長野が4点をリードする展開だったが、WD名古屋の宮浦健人が2連続サービスエースを決めて点差を詰めた。このプレーから勢いに乗ったWD名古屋が逆転で第4セットもものにし、勝負はフルセットへと持ち越された。
 最終第5セットは一進一退の展開だったが、13-12からVC長野がファルハン・ハリムの2連続サービスエースで王手をかける。しかし、そこからはジュース合戦に突入。最後はVC長野のミスもあってWD名古屋が21-19でこのセットを奪うと、会場は地鳴りのような歓声に包まれた。

 

 

熊本出身の⑫水町と長崎出身の⑰市川。九州出身選手たちの家族や友人も多数が来場した

 


 長崎市の出身であるWD名古屋の市川健太は、第2戦について「初めて(バレーボールの試合を)見る人にとってはとても楽しい展開だったのではないかと思います。こんなにハラハラする展開は(1シーズン)44試合の中でもそんなにないので、僕たちもしんどかったですが、地元でいい試合ができてよかったです」と胸の内を語った。
 目覚ましい活躍を見せたVC長野の山田航旗も「地元九州での試合ということで、高い士気で試合ができてよかったです。高校(鎮西/熊本)の先輩である宮浦選手や後輩の水町選手がいたので、より楽しくプレーができました」と振り返った。
 これを受けて宮浦は、後輩である山田について「あらためて対戦してみて、ほんとうに嫌な選手というか、特にスパイクの幅も広いしタイミングもすごく速くて、止めづらい選手であることを実感しました」と高く評価。同じく鎮西高の後輩、赤星伸城についても「高さがあるし、ポテンシャルのあるいい選手」とエールを送った。

 

 

激闘のあと、固い握手を交わすVC長野の山田(奥)とWD名古屋の水町

 

 

強豪校ひしめく「バレー王国」の願い

九州での継続開催に寄せる期待

 

 

サーブにスパイクに活躍したVC長野のファルハン(手前左)

 

 

 現在、九州においてSV男子のチームは存在しない。そのため、九州でトップレベルの男子バレーボールを体感できる機会は限られている。東福岡高(福岡)や鎮西高、大村工高(長崎)など全国屈指の強豪校を擁する「バレー王国」でありながら、ライブ観戦は年1回、日本製鉄堺ブレイザーズの北九州ホームゲームに頼らざるを得ないのが現状だ。それだけに、今回初めてSV男子の試合を間近で見た観客からは、「ボールのはじける音やシューズの音まで聞こえて臨場感があった」「また長崎で開催してほしい」といった切実な声が上がった。


 記者会見では、「次はぜひ熊本で!」と語る水町に対し、市川が「来年もまた長崎で」と応じるシーンも見られた。選手たちにとっても、地元九州での開催は大きな意義を持つのだ。今回、ハピネスアリーナという最高の舞台で放たれた熱狂は、九州のバレーボール振興を加速させる一歩となったはずだ。

 なお、321日(土)、22日(日)にもハピネスアリーナで、SAGA久光スプリングス対群馬グリーンウイングスの試合が開催される。2024-25シーズンの初開催以来、同会場におけるSAGA久光のホームゲームは2度目。SV女子もまた、長崎で熱狂を呼び起こしてくれるに違いない。

 男女ともにSVリーグを日本全体で盛り上げていくためにも、九州各地での継続的な開催を今後も期待したい。

 

取材:フジサキヒロ

 

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