水町泰杜/黒澤孝太組のイタリア戦記その5:「試合に入りきれず」悔しさ残る敗戦で大会に幕
- ビーチ
- 2026.09.22
現在開催中の「第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)」ビーチバレーボール競技に日本代表として参加している水町泰杜(ウルフドッグス名古屋/トヨタ自動車)/黒澤孝太(トヨタ自動車)組。今年は「ジャパンツアー」で出場3大会連続優勝そして「ビーチバレージャパン 第40回全日本選手権大会」で日本一に輝くなど、勢いとまらぬ2人はこの夏、海外遠征に出向いた。アジア競技大会を前に臨んだ最後の国際大会は「バレーボールワールド ビーチプロツアー フューチャーズ-モデナ(イタリア)」。2人はいかなる戦いをそこで繰り広げたのか、現地密着レポートをお届けする。全6回。
水町/黒澤組にとって大会最後の試合に。本人たちは不完全燃焼だったか
■現地8月29日/ラウンドオブ12 vs. テディー・アルムブラッド–イングホール/アレキサンダー・アネールステッド(スウェーデン)
- 0-2(12-21、19-21)
プール戦の成績を1勝1敗とした水町/黒澤組が大会3日目に臨んだのはラウンドオブ12というステージ。勝てば準々決勝に進むことができる。この組み合わせを見たとき、青木晋平コーチ(トヨタ自動車)は「これは表彰台もあるな…」とにらんだという。
ラウンドオブ12で対戦するスウェーデンのテディー・アルムブラッド–イングホール/アレキサンダー・アネールステッド組は大会のシードでいえば14番目(水町/黒澤は13番目)。またシードで待つ準々決勝の相手は今大会に参加していたイタリア籍ペアでも下位のチームだったからだ。しかし、事前にスウェーデンの映像を見ると、嫌な予感がよぎった。
「相手のブロッカーがそれほどジャンプせず、最後にボールに対して腕を出すタイプの選手だったんです。これは、相性が悪いだろうなと。かなりブロックにつかまりそうだと感じました」(青木コーチ)
相手のブロックに苦しめられ、次第に持ち味のスピードを生かした攻撃も沈黙
その予感は見事に的中した。試合は水町がブロックシャットを浴びて始まると、以降も攻めあぐねる展開が続く。1-6でコートチェンジをする際に、観客席からカタコトの日本語で「ガンバッテー!!」という声援が送られる。2-8から水町のサービスエースや黒澤のブロックポイントなど4連続得点で盛り返したが、終盤に再び連続ブロックシャットを浴びて第1セットを落とした。
第2セットは序盤から中盤にかけてサイドアウトを重ね、緊迫した試合展開が続くが、14-14から水町がつかまり3連続失点を喫する。なお最後の1点は、水町のアタックが「キャリー」(ショットではなくフェイントのようにボールを「運ぶ」反則)と判定されたもので、これには本人も猛抗議。ボールをヒットした音からすれば、青木コーチもベンチで「これは…」と首をかしげるほど問題ないのは明確だったというが、ジャッジはくつがえらない。だが、直後のプレーで水町がレフトからフルスイングでアタックをかち込み、場内から大きな拍手が巻き起こった。だが、追撃およばず、ストレートで敗れる結果に。ここで大会を去ることになった。
試合後、「ヌメっと入ってしまった」と水町が表現すれば、「試合に入りきれていなかった」と黒澤も唇をかむ。前日の晩には、敗れたとはいえミスなくやりたいことを実現できていただけに、そのギャップを本人たちが痛感していた。
「相性の悪さはあったとはいえ、(プール戦 第2試合の)あのクオリティーが出せていれば、それほど難しくはなかったはず。ですが、試合のスピード感にどんどん遅れてしまい、後手に回ってしまいましたね」とは青木コーチの分析だ。
リズムに乗りきれず。「まだまだ若いチームですね」と青木コーチもコメント
振り返れば不可解なジャッジもあったが、青木コーチは「ワールドプロツアーの上位カテゴリー(チャレンジ、エリート)であればまずないのですが、フューチャーズの場合は主審を開催地の人間が務めることもあるわけで、ああいうジャッジも出てくる。それにも慣れていかなければいけません」と理解をうながす。
さらに大会運営でいえば、この試合が始まる直前に水町/黒澤組は大会指定のジャージ(タンクトップ)を着用しておらず、運営側から指摘を受けていた。前日までは試合ごとにジャージが支給された一方、この日に向けてはとくにアナウンスがなかったそうで、あわや不戦敗に。公式練習中に、帯同していた廣裕介トレーナー(株式会社ケッズトレーナー)が陸上競技経験者の脚力を生かしてホテルまでダッシュで取りに行き、無事に間に合ったが…。そうした、海外だからこそ起こりうる不測の事態と向き合う機会になった。〔続く〕
キャリーか…? 本人たちは納得のいかないジャッジとなった水町のプレー
(文・写真/坂口功将)
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