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男子日本代表2026

水町泰杜/黒澤孝太組のイタリア戦記その1:初戦はリタイア寸前!? 灼熱のモデナで飾った白星発進

  • ビーチ
  • 2026.09.18

 現在開催中の「第20回アジア競技大会(2026/愛知・名古屋)」ビーチバレーボール競技に日本代表として参加している水町泰杜(ウルフドッグス名古屋/トヨタ自動車)/黒澤孝太(トヨタ自動車)組。今年は「ジャパンツアー」で出場3大会連続優勝そして「ビーチバレージャパン 第40回全日本選手権大会」で日本一に輝くなど、勢いとまらぬ2人はこの夏、海外遠征に出向いた。アジア競技大会を前に臨んだ最後の国際大会は「バレーボールワールド ビーチプロツアー フューチャーズ-モデナ(イタリア)」。2人はいかなる戦いをそこで繰り広げたのか、現地密着レポートをお届けする。全6回。

 

 

大会初戦はスペインの17歳ペアと対戦した水町(左端)と黒澤(同2番目)

 

 

■現地827日/予選ラウンド 第1 vs.フェッレール・マルティネス/ガブリエル・ブラスル(スペイン)

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 イタリア北中部に位置するエミリア=ロマーニャ州の都市・モデナ。イタリアを代表する自動車ブランド「フェラーリ」の創始者であるエンツォ・フェラーリや世界的歌手のルチアーノ・パヴァロッティ(ともに故人)の出生地として知られる。そして、もう一つ。「カルチョ(サッカー)」が絶対的な地位を築いているこの国においても、栄光に彩られた歴史とともに確かな熱を持って愛されるスポーツ「パッラボーロ」、そうバレーボールの伝統がつむがれているのが、このモデナだ。

 その町で今回、ビーチバレーボールのワールドプロツアーが現地827日〜30日に開催された。9月中旬に開幕したインドアのヨーロッパ選手権の開催地の一つがモデナのアリーナ「パラ・パニーニ」であり、そのプロモーションの一環も兼ねている。そこで行われる大会に、水町/黒澤組はやってきた。

 

 

メイン会場となったローマ広場のドゥカーレ宮殿の下で、開催国イタリアと参加国の一つである日本の旗がはためく

 

 

 もっとも2人がペアを組んでワールドプロツアーに参戦したのは今年から。7月には中国で、またモデナ大会の前週にはエストニアでいずれもフューチャーズのカテゴリーに参加していたものの、エントリー時点におけるワールドプロツアーのポイントはほんのわずか。アジア枠が空いていたこともあって大会への出場がかなったわけだが、それでもシードは参加16チーム中13番目という扱いだった。

 大会自体も、まずは初日27日の予選ラウンドに臨むところから。2勝すれば翌日からの本戦に進めるが、予選ラウンドで負ければその時点で大会を去ることになる。厳しいが、これがワールドプロツアーだ。

 なお、同日の同じ会場には7月のスロベニア合宿で練習をともにしたベンジャミン・ムゲーリとマルク・ペシュニク(ともにスロベニア)の姿も。あえなく第1戦で敗れたが、試合後には水町たちとの再会を喜んでいた。

 

 

2年前のスロベニア合宿から交流を持つマルク(左)とイタリアで再会

 

 

 そうして予選ラウンドの初戦はスペインのフェッレール・マルティネス/ガブリエル・ブラスル組と対戦。なお2人とも17歳である。

 試合は相手のサーブミスでスタートし、黒澤が「Tako je!!(タコ イェー!!)」と叫ぶ。これはスロベニア語で直訳すれば「それだよ!!」になるが、実際は前向きな意味合いで用いられており、水町/黒澤組もスロベニア合宿で習得した言葉。「いいぞ!!」というニュアンスで、自分たちのムードを高めるときに使っている。

 先制点からまずは水町のサーブを起点にリズムをつくり、黒澤がきっちりとアタックを決めて、開始から8-0と先行することに成功する。リードを保ち、16-10から水町の今大会最初のサービスエースが飛び出すなど、21-12と大差でセットを先取した。

 

 続く第2セットは出だしからサイドアウトの応酬となるも、ジリジリと引き離す。だが、16-12でコートチェンジしてから状況は一変した。水町のアタック、黒澤のツーアタックがブロックにつかまると、スパイクアウトやフェイクセットの失敗などミスが続き、7連続失点。一度も得点できず、ましてや逆転を許して再びコートチェンジを迎えたのである。そこから水町のアタックなどで3連続得点を挙げるもジュースにもつれこみ…、25-23でなんとかセットを取りきり、ストレート勝ちを収めた。

 

 

 第2セット途中から水町の動きもにぶってきて…

 

 

 この第2セットでは、水町の動きが完全に止まっていた。青木晋平コーチ(トヨタ自動車)も「後衛で何もしなくなったんだもん。定点観測していた」と笑ったが、実は熱中症の一歩手前。試合中、何度もつばをはき出すなど、ギリギリのところで戦っていた。

 「第1セットで飛ばしすぎました。のどが乾いているから、つばを飲み込みたいけれど、飲んだら絶対にはくな、と思ったからはき出す、そのジレンマと戦っていました」と水町。聞くに、1週間前のエストニアは気温が15度ほどで、上着を着用しても十分なほどの気候だったそう。そこから一転、この日のモデナは36度近くに達しており、その寒暖差も熱中症に輪をかけた。

 

 ビーチバレーボールというアウトドアスポーツならではの敵、と言おうか。ただ、苦しむ相方の姿を見て奮闘したのが黒澤だ。ジュースにもつれこんだ展開でも「Tako je-!!」の声かけを欠かさず、また自身も気持ちが上がるという「Come on!(カモン!)」と叫ぶことで気丈にペアをリードする。「なんとかアゲなければ、その意識だけでした」と黒澤は語った。

 

 果たして勝利したものの、試合後もベンチで白目をむく水町の元へ、大会のイタリア人スタッフが駆け寄る。ねぎらいと心配の声をかけると、水町がひと言。

 See you next my life…

 生まれ変わったら、また会おう。気絶寸前でも、英語でジョークを飛ばす姿がそこにあった。〔続く〕

 

 

 満面の笑みを浮かべる黒澤と、最後に力を振り絞って1勝目の撮影に応じてくれた水町

 

(文・写真/坂口功将)

 

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【ギャラリー】気絶寸前!? 水町泰杜/黒澤孝太組が臨んだ大会初戦(vs.スペイン)の模様

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