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【リベロがBクイック】君の名は

  • カメラマン
  • 2021.01.08

 ご無沙汰しています。カメラマンの中川っす。2021年最初の撮影は春高バレーに来ています。春高と絡めて、お久しぶりのカメラマンコラム「リベロがBクイック」です。

 

 皆さんは春高バレーのポスターをご存知ですか?春高の一場面を捉えた写真をベースにデザインされたもので、前年の大会で撮影したものを使用して製作されています。第71回大会と第72回大会のポスターは自分が撮影してるっす。スパイクやブロック、ディグなどのプレー中の力強さや、美しさが伝わる写真を狙ったり、勝った瞬間などの感情が爆発したところ、チームワークが感じられる瞬間などを撮影していきます。

 

 今回、話をするのは第72回大会のポスターの写真の話です。ポスターはこちら。

 

 

 この写真は清風高校が勝利した瞬間、ベンチメンバーがコート上の仲間のもとへ駆け出す瞬間を捉えたものです。清風高校の選手たちは感情表現が豊かで、試合中、得点するたびにベンチまで一体となって大きな笑顔で喜びます。彼らのその姿を見て、勝利の瞬間は感情が爆発して良い画になると予想し、狙い始めました。しかし、どこを撮影すべきか迷います。コート上の選手か?はたまたベンチか?そして、一番エモーショナルに見えるのはどこか?考えて考えて、この時チョイスしたのはベンチでした。笑顔と喜びで叫ぶ全員の顔がキレイに見えており、狙った通り、いやそれ以上の1枚になりました。こんなに選手同士が重ならずにキレイに見えることは珍しいです。運も味方してくれた1枚と言えます。

 

 そんな渾身の1枚を撮影した2019年の春高バレーから約2年が経ったある日のこと。とある撮影で清風高校をお邪魔する機会がありました。取材でたくさんの学校を訪れますが、清風高校はこの時が初めてです。お会いしたら先生や選手に「良い写真を撮らせてもらいました。ありがとうございました。」とお礼を言いたいなぁと思っていました。とはいえ、撮影したのは2019年1月。写っている生徒も、もう卒業していてもおかしくないなと

 

 撮影に入ってすぐのことです。選手全員が揃っているところを撮影していると、清風高校監督の山口誠先生が「春高ポスターも写ったのに、また写真に写るなぁ」と、ある選手に声を掛けました。春高ポスターと聞いて思わず自分は「それ撮ったの自分です!」と言いました。すると山口先生に声をかけられていた選手が「ありがとうございました!」と大きな声で突然の御礼。なんと、あのポスターに写っていた選手の1人がいたのです!こちらこそ良い写真を撮らせてくれてありがとう!

 

 ん? でも待てよ。撮影したのは2019年1月。卒業していてもおかしくないよね。

 

 ここで驚きました。なんと、彼は現在関西大学に通う1年生で金子玄君と言います。ポスターに写る8番の選手が彼です。この日はたまたま母校の練習に来ていたのです!なんという偶然!嬉しさもあって撮影後に少し話を聞きました。

 

 ポスターになったと知った時のことを覚えてる?

 

「今でもよく覚えています。山口先生から知らされて、他に写っていたメンバーと大喜びしました。写っていなかったメンバーにとても羨ましがられたのを覚えています」

 

 どんな気持ちだった?

 

「春高に出場する全ての学校に貼られたり、春高の会場近くの駅にも大きく飾られることを想像するととても嬉しくなり、ちょっとした有名人になった気分を味わったのも覚えてます」

 

 被写体になった選手に当時の気持ちを聞くことは、とても珍しい体験。そして当時の彼の反応がとても高校生らしくて、最高に良かったです。ポスターの撮影から、約2年、思わぬ形での再会となりました。最後に金子君と記念写真を撮影させてもらいました。

 

カメラマンとモデルが2年越しで同じフレーム内に収まって記念撮影

 

 大会を撮影していて、選手たちの見せる表情やプレー、感情に胸を打たれることはありますが、全員の名前を知っている訳ではありません。今年もまだ名前は知らないけど、選手たちの最高にかっこいい瞬間を撮影して残していきます。そして、どこかでまた、偶然に君の名前を知る日がくれば良いなと思います。

 

 


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