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月バレ!ザ・ワールド/vol.7-トーマス・ジェスキー-

  • コラム
  • 2020.04.19

ワールドカップバレー2019で来日も…、苦い結果に

 

 それからアメリカ男子は東京2020オリンピック大陸間予選を突破し、オリンピックの切符を手にした。10月にはワールドカップバレー2019のため、来日。ロスターの中に、ジェスキーの名前があった。

 

 だが、この大会は彼にとって苦い記憶として刻まれることになる。10月4日、大会3日目のポーランド戦。アメリカは強敵を相手に2セットを奪うことに成功したが、第3セットをジュースの末に失う。続く第4セットの途中で、ジェスキーは投入されると、攻守でバランスのとれたプレーを発揮しチームに勢いをもたらした。

 

 そうして激しい攻防が続いたセットの終盤、24−24の場面。ネット際に落ちそうになったボールに飛びついたジェスキーは、伸ばした右腕を妙な角度で床につけてしまう。苦悶の表情からは、その痛みが尋常ではないことが見て取れ、プレー続行は不可能。すぐに会場の裏手へと下がった。

 

 その試合はアメリカが3−1で勝利した。試合後の記者会見ではキャプテンのマイカ・クリステンソンが開口一番に、「ケガをしてしまったジェスキーに対して、賞賛の意を表したい。彼のガッツは、私たちがあるべき姿だった」とコメント。

 

 また、ポーランド男子のフィタル・ヘイネン監督は「彼のケガがひどくないことを願っています。アメリカがとてもキレのある攻撃を繰り出したことは、彼のプレーが象徴していましたから」と気遣い、その言葉を受けたアメリカ男子のジョン・スパロー監督も「ヘイネン監督の気持ちに感謝します。ひどいケガではないように、一刻も早くまたプレーができるようになってほしい」と願った。

ポーランド戦勝利の一役買ったが…(写真中央)

前向きに、夢舞台へと突き進む

 

 こうして、やむなくチームを離脱したジェスキーだったが、その後、自身のSNS上では手術後の写真と「これからがハード。乗り越えていきますよ!」と前向きなコメントを投稿。在籍するイタリア・セリエAのヴェローナにおいては2019/20シーズンをプレーすることなく退団となったが、今では元気そうな姿がSNSで見受けられる。

 

 ジェスキーがフォーカスする目標に変わりはないだろう。シカゴで聞いた、自身の目指すゴール。それは「日々、強い気持ちを持って過ごし、代表の一員として常に全力で、いいパフォーマンスを出すこと」だった。

 

   “お気に入り”の日本で開催されるスポーツの祭典で、代表選手としてメダルを取りにいく。その思いは今も、右腕の五輪マークとともに彼の闘争心を掻き立てているに違いない。

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<画:大嶽あおき>

著者紹介:GUCII(グッチー/坂口功将)。2016年春入社。月バレ編集部に配属後、本誌で『WORLD VOLLEYBALL NEWSPAPER』、「月バレ.com」では『WEEKLY SERIE A』を担当。2018年は世界選手権の男女両ファイナルを取材した唯一の日本人記者という称号を獲得し、昨年はネーションズリーグ男子ファイナルラウンドの取材のため単身でシカゴへ。だが、英語が特に話せるわけではない。

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