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春高2024

埼玉アザレアでデビューの中野竜が放つ“牛若丸”の輝き

  • 編集部取材
  • 2021.02.17

 V.LEAGUE DIVISION2 MEN(V2男子)も2020-21シーズンは終盤戦に突入した。この時期になると、各チームの内定選手が登場する試合も出てくる。その中で、今回取り上げるのは埼玉アザレアに新たに加わった中野竜。身長は180センチと決して高くはない。だが、ひとたびコートに立てば、持ち前のジャンプ力を光らせて得点を重ねる。

 

■それはまるで八艘飛び!? 埼玉アザレアの中野竜が放つ“牛若丸”の輝き

中野 竜(なかの・りゅう/中央大4年/身長180センチ/アウトサイドヒッター)

 

 その姿を見て思い出したのは、一つのキャッチフレーズだった。

 

 『牛若丸』。

 

 それは、元日本代表のエース越川優(ヴォレアス北海道&ビーチバレーボール)を筆頭に数多くのバレーボール選手を育てた高校バレー界の名将・壬生義文監督(当時)が指導してきた長野県の創造学園高、現在の名称は松本国際高のエースに対して代々用いられてきた表現だ。

 

 俊敏な動きを武器として数々の逸話を残した平安時代の武将・源義経になぞらえて、『月刊バレーボール』の全国大会出場校名鑑では、跳躍力の秀でたエースの【特徴】の項目に決まって「牛若丸」と記されている。例えば直近でいうと、2019年のインターハイでチームを日本一に導いたエース柳田歩輝(筑波大1年)は「松本国際の牛若丸」と表現されていた。

 

 そのフレーズを創造学園高時代に与えられた一人、中央大のアウトサイドヒッター中野竜がV2男子・埼玉アザレアの内定選手として、Vリーグデビューを飾った。

 

埼玉アザレアのユニフォームを着て、コートに立つ

 

2度目の長野GR戦ではチーム最多得点をマーク

 

 デビューは2020年12月19日の長野GaRons戦。三郷市総合体育館(埼玉)でのホームゲーム、その第3セット途中でリリーフサーバーとしてコートに立った。その後もコンスタントに出場機会を与えられては、最高到達点345センチから切れ味鋭いアタックを繰り出した。

 

 鮮烈だったのは、2月7日の長野GR戦。12月の前回対戦時ではストレートで勝利していたが、この試合では第1セットを奪われる展開に。第2セットも5点リードを許した中盤で、中野に出番が回ってきた。

 

 「デビュー戦で経験している相手ということもありましたし、事前にビデオも見ていました。ですが、前回とはメンバーも異なりましたし、自分がプレーしていない第1セットから相手をきちんと見て、研究していました。どう対応しようか、と考えながら、リラックスした状態でコートに入ることができたと思います」という言葉どおり、冷静にコースを見極めてアタックを打ち込んでいく。

 

 このセットの終盤22-22の場面で中野は後衛にいたが、「セッターの浜田(翔太)さんがトスを上げてくれると信じていました」と積極的に攻撃に参加。結果として23点目、24点目を自身の連続バックアタックによって刻むと、セットカウントをタイに戻す立役者となった。

 

 これで勢いを取り戻した埼玉は逆転勝利に成功。中野は第3セットに24-19のセットポイントからノータッチエースを決めたほか、終わってみれば、この試合でチーム最多17得点を記録する活躍を見せる。試合後の記者会見で、中野はチームへの思いと、プレーができることの喜びを口にした。

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