月バレで振り返る 東日本大震災後のバレーボール選手たちの祈り【2】
- SV女子
- 2021.03.11
2011年3月11日に発生した東日本大震災。被害に遭われた方に向けて当時の月刊バレーボールでは、国内外問わず多くのバレーボール選手からメッセージをいただき、掲載しました。その一部をウェブに掲載いたします。当時を振り返りながら、今の自分たちに何ができるのか、考える時間となれば幸いです。(所属は2011年当時のまま・文章については一部省略、また表現を改変しています)

バレーを通じて周囲を勇気づける連鎖を
山本隆弘(パナソニックパンサーズ)
「今まで普通にあったものがこういう形でなくなってしまうことなんて想像できなかったし、何とか助けられないのか。そればかり考えていました。だからといって、現地へ行っても何ができるわけでもない。もどかしさがある中、できることを探していたら、陸上の為末(大)選手が立ち上げたアスリートによる募金のサイトを見つけました。手助けできることがあるならどんどんやっていきたかったし、ぜひ賛同しようと。清水や宇佐美を始め、チームメイトのみんなも協力してくれたし、多くの方に賛同していただいたおかげで、微力ながら協力することはできたのかなと思う部分もあります。
とはいえ、僕の本職はバレーボールなので、義援金集めだけが協力できることなのかといえば、それだけではないですよね。バレーボールを通じて何かサポートをしていかないといけないだろうし、バレーをしたくてもできない子どもたちもいっぱいいるので、そういう人たちに勇気や希望をプレーで見せていかないといけない。アスリートとしてやらなきゃいけないことがいっぱいあると思います。まずは5月の黒鷲旗で、100%の力を発揮して正々堂々戦う姿を多くの人に見てもらい、勇気を与えていくことが、今、僕たちに与えられている一番の仕事じゃないかなと思っています。
少し状況が落ち着いたら東北地方で試合をしたり、避難所にいる方々と触れ合いの場を設けたいとも思っています。東北はもともとバレーが盛んな地域だし、バレーをやっている人たちをまずは僕らが勇気づけて、その人たちが今度は周りの人たちを勇気づけるような連鎖を起こしてくれたら一番いい。それこそが僕らの役割だと感じています。
僕1人の力ではどうしようもないかもしれないけれど、1人でも多くの人が一緒に考えて、動くことができれば小さなことも大きなものに変わるはず。そのためには、僕らが協力できることは何でもします。我慢することなくどんどん言ってもらえれば協力体制は作れると思うので、みんなの力を合わせてこの困難を乗り越えられるように頑張っていきましょう。今はただ、その思いだけです」
↓【次ページ】清水邦広選手からのメッセージ↓
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