月バレで振り返る 東日本大震災後のバレーボール選手たちの祈り【2】
- SV女子
- 2021.03.11
被災者の方々のことを思ってもっと頑張らなきゃ
清水邦広(パナソニックパンサーズ)
「地震の時は大阪にいました。かなり大きな地震だとテレビで報道されていたので、すぐに親へ電話したら『大丈夫だった』というので安心しました。
自分自身も高校時代に福井豪雨を経験しました。大雨で川が氾濫(はんらん)して、家も浸水しましたし、川沿いでは流されてしまった家もありました。自分は合宿で家にいなかったのですが、腰まで水につかったので役場まで逃げるのがたいへんだったとか、水道管が破裂して道路がぐちゃぐちゃになったことをあとから聞いたので、水の怖さを知っていましたし、そういった面でも被災者の方がたいへんだろうと気になります。しかも、雪国はまだ寒いですから思っている以上に苦しい状況だと思います。福井も海が近いし、原発もある。他人事じゃありません。
チームとしてはすぐに練習を再開しましたが、自分自身はあまり身が入らない部分もありましたし、津波の情報や原発のことが気になっていました。みんなとも『こんな時に練習をやっていていいのか』という話をしましたし、悩みました。何ができるかわからない中、山本さんが募金活動を始めたので、自分たちもそれに協力させてもらったり、関西はあまり関係ないかもしれないけれど節電をしたり。
自分にできることといえば、周りの人を勇気づける、元気にしてあげることぐらいしかないので、頑張っているプレーを見て少しでも笑顔が戻ればいいなと思うし、被災者の方々のことを思って、自分自身ももっともっと頑張らなきゃいけないと思います。
満足な食糧がなくて1日2食で過ごしていたり、東と西、同じ日本なのにいる場所が違うだけでこんなに生活が違うのかと思うと悔しいです。それでも被災者の方々には希望を持って生きてほしいし、そのために勇気づけられるような試合をするとか、バレー界でも今後はしなければならないことがたくさんあると思います。国際大会でも少しでも勝って勇気づけたいですし、希望の光を持ってもらうためにも勝たないといけないし、その義務があると思っています」
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