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富士通 兵頭佳樹/新人賞に輝いた“5番手の男”

  • 編集部取材
  • 2021.04.18

■富士通カワサキレッドスピリッツ 兵頭佳樹/新人賞に輝いた“5番手の男”

 たとえ最後尾からのスタートでも。たゆまぬ努力を続け、周囲の要求に応えることで道を切り開いた。そんな一人の男の、ルーキーイヤーをここに記す。

 

兵頭佳樹(ひょうどう・よしき/大阪商大/身長183センチ/アウトサイドヒッター)

 

チームメイトの誰もが認める成長株

 

 2020-21 V.LEAGUE DIVISION2 MEN(V2男子)で最優秀新人賞に輝いた、富士通カワサキレッドスピリッツの兵頭佳樹。Vリーグを終えた今、チームのいたるところから、「今季いちばん成長した男」という評価が聞こえてくる。それもそのはず。入団してまもないころは、練習試合はおろかAB戦でさえ、なかなか出番を与えられずにいたのだから。チームを指揮する山本道彦監督は正直に告白する。

 

 「2020年度の新人選手は4名いましたが、実力からの期待度でいえば4番手でした。それにアウトサイドヒッターでは、もともとレギュラーの浅野卓雅と米澤寛武に、角大樹と谷平拓海が続いて、その後ろの5番手。それが兵頭への評価だったんです」

 

 昨季、内定選手として帯同していたこともあったが、当の本人が明かすに「いつかコートに入れればいいかな」という心持ち。甘んじていたわけではなかったが、練習を見ているときも「周りから浮いているような…、チームに馴染めていない感覚でした」という。

 

 そうしてスタートしたルーキーシーズンだったが、リーグ戦開幕までに米澤と谷平が練習で故障したことで、兵頭に白羽の矢が立つ。もちろん、そこには彼の取り組み方が背景にあった。再び山本監督の評価。

 

「最初はプレーが粗かった。ですが、先輩たちから言われたことを彼はほんとうに貪欲に吸収して、努力を続けていました。アドバイスを忠実に形にする、それが成長と活躍につながったと思います」

 

<シーズンを通して、攻守で活躍を見せた(写真中央)>

 

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