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男子ポーランド代表のクレイジージャーニーは世界一のチーム内競争

  • コラム
  • 2021.05.19

<バルトシュ・クレク>

 

圧倒的な選手層から導かれる最適解は

 

 順当に考えれば、「クビアク&クレク+レオン」という図式が現時点における、男子ポーランド代表のいわば“最強アタッカー陣”ではあるが、実のところ、これは主要国際大会において実現していない。2019年はクレクがケガのため、代表シーズンの大半をリハビリに費やし、復帰したのはワールドカップだった。このとき、レオンやクビアクは直前までヨーロッパ選手権を戦っていたため合流は大会途中から。以降も、この3人がそろって1セットを通して戦った場面はなく、まだベールに包まれたままなのだ(紅白戦、国際親善試合、プラクティスマッチを除く)。

 

 いざ、この3人が並んだときにポーランド代表がどのような力を発揮するかは、お楽しみといったところか。

 

 一方で2018年以降、選手層はさらに厚くなっており、この3人を脅かす選手たちも出てきている。

 

 アウトサイドヒッターでいえば、今年5月のCEVチャンピオンズリーグでケンジェジン-コジエ(ポーランド)を優勝に導きMVPに輝いたアレクサンデル・シリフカと、レシーブで安定感あるカミル・セメニウクが台頭。モデナ(イタリア)やカザン(ロシア)といった強豪クラブで実績を積んだバルトシュ・ベドノシュも、その実力は確かだ。

 

 オポジットも、シリフカらと同様にケンジェジン-コジエで勝負強さを印象づけたウーカシュ・カチュマレクや、ロシアリーグで2019/20シーズンに最多得点、2020/21シーズン終盤にはヘイネン監督が指揮するペルージャ(イタリア)に移籍したマチェイ・ムザイもメキメキと成長を見せている。

 

<ミハウ・クビアク(写真右から2番目)>

 

ネーションズリーグの登録18名を選出

 

 今年の現地5月13日にはベルギーとのプラクティスマッチを実施し、そこではお互いにサブメンバー中心の試合ではあったものの、ポーランドは4セットを戦い、圧倒(25-13,25-14,25-14,25-17)。その後、チームはネーションズリーグに臨む登録18名を以下のとおり発表した。

 

<ネーションズリーグ2021登録メンバー18名>

セッター:マルチン・ヤヌシュ、グジェゴジュ・ウォマチ、ファビアン・ジズカ

リベロ:ダミアン・ボイタシェク、パベウ・ザトウスキ

オポジット:ウーカシュ・カチュマレク、マチェイ・ムザイ、バルトシュ・クレク

ミドルブロッカー:カロル・クウォス、マテウシュ・ビエニエク、ピヨトル・ノバコフスキ、ヤクプ・コハノフスキ

アウトサイドヒッター:カミル・セメニウク、アレクサンデル・シリフカ、バルトシュ・ベドノシュ、トマシュ・フォルナル、ウィルフレド・レオン、ミハウ・クビアク

 

 メンバー発表の際、ヘイネン監督はアウトサイドヒッターで最後にクビアクの名前を読み上げる前に、「もちろん、ミハウ・クビアク」と強調したあたりは信頼の表れが見て取れた。

 

 同時に、当初の合宿参加メンバーからは6名が外れることになった。その中には、2018年世界選手権優勝メンバーであり2019年のワールドカップ日本戦でもスピード感あるアタックを繰り出したアウトサイドヒッターのアルトゥル・シャルプクや、これまでの主要国際大会で名前を連ねてきたオポジットのダビド・コナルスキが含まれている。

 

 人選についてヘイネン監督はベルギー戦後、ポーランドのスポーツチャンネル「POLSAT SPORT」の取材の中で、このように語った。

 

 「今回の18名の選別は、私のコーチ人生の中でも、最も心が揺れ動くものでした。ここには、ほんとうに素晴らしい24名がいる。そこから外さざるをえない6人に対して、『私はあなたたちを信頼しているが、それでも、他の選手に比べると足りない点があった』と言わなければなりませんでした。心苦しいが、それが私の仕事の一部なのですから、やるしかありません」

 

 決断の苦しみは、これからも指揮官につきまとう。ネーションズリーグの18名から、さらにオリンピックの12名へと厳選する仕事が待ち構えているからだ。

 

 熾烈なサバイバルは、そのチームの強さの表れでもある。世界屈指の猛者たちと歩むクレイジージャーニーは、最高のエンディングを目指し、最終章へ突入しようとしている。(文/坂口功将〔編集部〕)

 

<2019年ワールドカップでは準優勝。さらなる飛躍へ(写真:FIVB)>

 

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