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春高2024

兵庫デルフィーノ トライアウト入団の饒平名丈衣が宿す覚悟

  • 編集部取材
  • 2021.11.27

 今季、兵庫デルフィーノに加わった新たな戦力の一人、饒平名丈衣(よへな・じょい)は開幕週を終えて、目を丸くさせた。

 

 「想像していたのとは全然違いました。正直、これまではV1の試合しか見てこなかったので、多少はV2に対して、たかをくくっていた自分がいたんです。けれど、V2もすごい選手やチームがたくさんいると実感しました。全然スパイクも決まらなかったですし、背の高い選手に圧倒されました。これからトレーニングも頑張って、いつかあんな高いブロックを前にしても90%近く決められるような選手になりたいです」

 

 自身にとってVリーグデビューとなった11月6日(土)の大同特殊鋼レッドスター戦では、アタック決定率20%(15本中3本)と、さっそく大きな壁に阻まれる。けれども、同時にそれは喜びでもあった。一度は離れたコートに、再び戻ってこられた証しでもあったからだ。

 

<饒平名丈衣(よへな・じょい)/身長181センチ/最高到達点330センチ/美里工高→兵庫デルフィーノ/アウトサイドヒッター>

 

美里工高時代に全国大会を経験

 

 沖縄出身の饒平名は外国人の家系にルーツを持ち、「なので、身体能力が高いのかな、とは自分ながら思っています」と本人。幼少期はバスケットボールに興じていたが、中学の顧問に誘われてバレーボールを始めると、とりこになった。

 

「チームは大会でも初戦や2回戦で負けるチームだったんです。でも、周りのメンバーがすごくバレーボールが好きで、自分も好きになっていきました」

 

 やがて、レベルの高いところでプレーしたいと思うようになり、地元の美里工高に進学する。

 

「県ベスト4とは聞いていたので。その中で、先輩たちがあと一歩のところで全国大会出場を逃してきた姿を見て、“オレたちは1位になるぞ!!”と決めて練習していました」

 

<開幕週からコートに立つと、気持ちを押し出した>

 

 県内でいえば、西原高が名門として君臨してきたが、饒平名たちの代は3年生の夏にインターハイ予選で優勝(本戦はコロナ禍で中止)。集大成となる春高は18年ぶりの出場を果たしてみせた。「自分たちの代は経験者も半分くらいだったのですが、それでも全国の舞台に立てました。自分はほんとうに周りに恵まれているな、と思います」とほほえむ饒平名。

 

 高校卒業後は就職のため、今春に上京した。一方でバレーボールへの思いも持っていたため、「社会人になっても、どこかでできるだろうな」ともくろんでいた。だが、現実はコロナ禍のため、体育館の使用はおろか、どのチームも活動すらできない状況。何もしないうちに自然と心が離れていき、バレーボールを辞めよう、という思いにも至った。

 

>>><次ページ>【再びバレーボールへの道へ】

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