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春高2024

バルドヴィン監督が語る西田有志と石川祐希のイタリアでの姿とパドヴァの育成論 今季WD名古屋を指揮

  • 編集部取材
  • 2022.07.25

 2022-23シーズンからウルフドッグス名古屋の指揮を執るヴァレリオ・バルドヴィン監督。イタリア出身で、男子イタリア代表のユースチームに携わったほか、セリエAでは19/20シーズンのパドヴァで石川祐希と、昨季はビーボ・ヴァレンティアで西田有志とともに戦った。イタリアでの彼らの姿は、指揮官の目にどう映っていたのか? また、現・男子イタリア代表の面々に通じる、パドヴァの育成論を聞いた

 

<Valerio Baldovin(ヴァレリオ・バルドヴィン/1966年7月25日生まれ/イタリア出身)/Photo:legavolley.it>

 

イタリアでともにシーズンを過ごした石川祐希、西田有志への賛辞

 

 ネーションズリーグ2022男子予選ラウンド大阪大会に足を運んだバルドヴィン監督。来日はこれが初めてだという。名古屋に到着後は、名古屋城などに足を運んだようで、「モダンな建物もあり、素晴らしい町だと感じています」と語った。

 

―大阪大会をご覧になられて、会場の雰囲気はいかがでしたか?

バルドヴィン監督 とても感動しました。規則のために声を出しての応援ができませんでしたが、それ以外の方法で、たくさんのファンの方々がエールを送っていました。選手たちにとっても、うれしかったことでしょう。

 

 確かに、イタリアにも情熱的なファンがいますが、まるで違うと感じました。イタリア以上に、日本ではバレーボールが支持されていると思います。

 

―男子日本代表の印象をお聞かせください

バルドヴィン監督 とてもいいチームです。将来性豊かな若い選手たちを起用し、チャンスを与えていました。それに、イタリアでプレーしてきた石川祐希や西田有志、髙橋藍といった国際レベルにある選手たちの存在も大きい。システムも充実している、いいチームだと感じます。

 

―指揮されるWD名古屋の高梨健太選手や小川智大選手はいかがでしたか?

バルドヴィン監督 大阪で実際に話す機会がありました。ドイツ戦(7月9日)では試合に出続けていましたね。彼らのプレーを見ることができ、知ることができてよかったです。2人とも、私たちのチーム(WD名古屋)においてキープレーヤーになるでしょう。

 

<来日後まもなく、ネーションズリーグが行われた大阪へ足を運んだ>

 

―昨季はビーボ・ヴァレンティアで西田有志選手とともにシーズンを過ごされました

バルドヴィン監督 私が来日すると知ったときに、彼からメッセージがありました。また会えるのを楽しみにしている、と言ってくれましたね。

 

 第一印象から、彼はほんとうに素晴らしい人間でした。日本にいるときから世界的な選手となっていましたし、イタリアに到着した時にはイタリア語を話せていました。それは、ほかの外国籍選手より並外れていたほどです。すでにイタリアで力を発揮する準備ができている、と感じました。

 

 彼とは一緒にトレーニングに励みましたが、不幸にもシーズン途中でケガを負ってしまいました。ですが、彼はチームに貢献しようとしてくれましたし、日本とは異なるイタリアでの戦いの中で、例えばブロックに対しても適応しようとしていました。

 

 振り返れば、21/22シーズンはたくさんのことが起きました。ですが、自分たちがコントロールできないことが起きるのもまた、スポーツの持つ一面です。主力選手が離脱した(※)際も、私自身はそのときに最適なアドバイスを送ることができなかったと感じています。できることといえば、それらから学び、次につなげることです。

(※)主力だったアウトサイドヒッターのドウグラス・ソウザ(ブラジル)がシーズン途中で突如離脱した

 

<「自分の欠点を踏まえたうえで成長させてくれましたし、色々な面で助けてもらいました」と西田はバルドヴィン監督との時間を振り返った/Photo:legavolley.it>

 

―22-23シーズンでは西田選手と対戦することになります。どうやって彼を止めますか?

バルドヴィン監督 そうなんです(笑) とはいえ、今はとにかく自分たちのチームをつくることが最優先。自分たちのパフォーマンスを安定させてからようやく、相手チームにフォーカスすることができます。ですが、仰るとおり、彼を止めるのは決して容易ではありません。とにかく点を取ってくるでしょうから、こちらとしてはベストを尽くして対応したいところです。

 

―日本人選手でいえば、石川選手のパドヴァ在籍時に監督を務められていました

バルドヴィン監督 そのときすでに、彼はイタリアでのプレーを経験し、システムにも順応し、言葉も十分に話せていました。印象としては、素晴らしい、のひと言に尽きます。彼と過ごした19/20シーズンは残念ながら、コロナ禍のためシーズンをまっとうすることができませんでしたが、レギュラーシーズンでも順位は中団グループの上につけており、非常にいい戦いができたと思います。

 

 私が思うに、彼はあらゆる面において、完璧に近い選手です。サーブレシーブ、アタック、ディフェンス、それにボールのセット(トス)も。世界トップレベルのプレーヤーの一人であると言えるでしょう。私が指揮していた当時と今の姿を比べても、それほど大きな違いはありません。素晴らしいままです。その中でも、たくさんの経験を積み、そこで力を発揮し続けたことが、今のような安定感あるプレーにつながっているのだと思います。

 

<パドヴァでは育成チームも含めて計9シーズンを指揮し、2019/20シーズン(写真)では石川と一緒に戦った(Photo:legavolley.it)>

 

>>><次ページ>バルドヴィン監督の指導者人生で、最も成長を遂げた選手は?

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