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ブロックは習得も指導も「難しい。けれど…」サントリー山村宏太監督が語る重要性 “成功体験”が鍵に

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  • 2023.07.13

 バレーボールの男子日本代表が国際舞台で快挙を遂げている。なかでも、長年ウイークポイントと呼ばれてきたブロックに関しては、ブロックポイントこそまだまだ少なくとも、相手に決定機を与えない効果的な武器となっている。とはいえ、あらゆる世代で、競技者から「難しい」「苦手」と聞かれるのが、このブロックでもある。今回、自身も現役時代は長身ミドルブロッカーとして名を馳せたサントリーサンバーズの山村宏太監督に、その見解を聞いた。

 

山村宏太(やまむら・こうた/1980年10月20日生まれ/現役時代は身長205㎝/錦城高〔東京〕→筑波大→サントリーサンバーズ/08年北京オリンピック出場/サントリー監督)

 

「ブロックはかなり重要なスキル」と山村監督

 

 相手のアタックをねじふせるかのように、ボールをたたき落とす。ブロックシャットは、観客たちのボルテージを上げ、決めた側は試合の流れを一気にたぐりよせる。

 また、戦術的なサーブを起点として後衛のレシーバーたちを絡めた“トータルディフェンス”の面でも、ブロックは欠かせない要素だ。

 けれども、その習得は難しいとよく聞かれる。競技に励む学生たちを始め、長年プレーしてきている現役Vリーガーでさえ、「課題はブロック」「ブロック力を伸ばしたい」と話すもの。

 そして、それは指導者視点でも同じのようだ。サントリーの山村監督は言う。

「確かに、我々Vリーグのカテゴリーでも、ブロック練習は難しくて。セッターのトスも難しいのですが、おそらくはブロックがいちばん難易度は高いでしょう。

 ただ、ブロックはかなり重要なスキルの一つです。今の男子日本代表を見ても、あのレベルになればブロックができない選手は生き残れないのではないか、と思えるくらい。それほど必要とされてくる能力です」

 

 世界を相手にサイズはやむないが、相手に決定機を与えない日本代表のブロック

 

試合本番で得る成功体験にまさるものはない

 

 それなのに、ブロックのスキルアップが難しいのはなぜか。

例えば、プレーの成長を促す要素の一つに“成功体験”がある。練習してきたことが「結果に表れる=成功した」ときにさらにレベルアップできる、という具合だ。まずその点に関して、ブロックは難しいのだと山村監督は話す。

「そもそも、相手の打つスパイクに対してのブロック、なので。練習だと、同じチームなだけに『こっちに打ってくるからわかっているよね』となるもの。たとえシャットできたとしても、ブロッカー側は『やった!!』ってならないんですよね、不思議と。

練習だけでは成功体験とはいけないし、練習でやってきたことが試合で発揮できたからこそ楽しいわけで。こればかりは、大事な場面で1本止めた、という経験にまさるものはないのではと思います」

 いかに成功体験を積み重ねられるか、が鍵だ。それはプレーヤーだけでなく、指導者にとっても同じだろう。

 

試合本番で、それも勝負どころで決めた経験が次の成長意欲を生む

 

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