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WD名古屋退団のクレクが左腕に刻んだタトゥーの正体。「覚えておきたかった」と明かす“思い出の証し”とは

  • V1
  • 2024.04.06

得点シーンでは両腕を目いっぱいに広げてガッツポーズ。チームの士気を高めた

 

チームメートに影響を与えたクレクのマインド

 

 WD名古屋に入団して2シーズン目にはキャプテンを託された。これは自身のクラブキャリアにおいて初めてのこと。それでも自身が考える、“自分のやるべきこと”は変わらなかった。

「ヨーロッパでは胸番号の下にラインが入っていても、いなくても、リーダーシップを発揮する選手がいます。私自身は常にチームや自分にとってベストであろう、と考えています。自分以外の何かを表現するのではなく、私自身が自然体でいること、それがリーダーシップにつながっているのではないかと思っています」

 

 常にハードワークし、常にポジティブなマインドでコートに立つ。その姿勢に周りも刺激を受けたことは数知れず。内定選手時代も含めて2018-19シーズンからWD名古屋でプレーし、チームのエースへと成長した高梨健太は昨年5月、日本代表での活動中にこう口にした。

「ここ(日本代表)にくると毎年、思い浮かぶんですよ。どんなときでも弱気にならない、彼のマインドのことが。

 それは僕だけじゃなくて、WD名古屋ではみんな思っていることだと。おれも、おれも、となりますからね。なので、ほんとうにクレクが味方でよかったと思うんです(笑)」

 

 

日本で臨む最後の大会となった23-24 V・ファイナルステージではコンディション不良からコートに立つことはかなわなかった

 

左腕に刻んだ、新しいタトゥー。そのデザインとは?

 

 クレクという旗手を携えたWD名古屋は2022-23シーズンにリーグ制覇を果たした。その前年には決勝に進んだものの、優勝まであと一歩及ばなかったとあって、22-23シーズンは日頃の練習から「これではまた、あのときの悔しさを味わうぞ」とクレクは仲間を奮い立たせ続けた。その言葉は厳しくもあり、同時に、このチームで最高の感情をともにしたいという一心から出たものだった。

 

 悔しくも23-24シーズンは自身のコンディション不良もあり、V・ファイナルステージではコートに立つことなく、クォーターファイナル敗退を見届けた。続く5位決定戦も同様に、その姿はずっとベンチの中だった。

「最高の順位ではありませんでしたが、日本での最後の試合に勝ちをもたらしてくれたチームメートに感謝したいです」

 勝利した5位決定戦後の記者会見で開口一番に、そのような言葉で仲間を称えたクレク。感謝や気遣いを欠かすことなく、そして真摯(しんし)に受け答えする姿も来日したときから最後まで変わらなかった。

 

 違ったとすれば、その左上腕部には、1年前には見られなかった新しいタトゥーが彫られていたこと。

「日本で過ごしたこの素晴らしい4年間を覚えておきたかったので、この体に刻むことにしたんです。私にとって幸運の証し、最高の思い出のようなものです」

 今度はジョークじゃない。WD名古屋で戦うラストシーズンのために刻み、そしてこの先もずっと心はチームとともにあることを示す、クレクの愛情表現。

 そのデザインは、名古屋城を模したものだった。

 

左腕に刻まれたタトゥー。4年間の思い出を込めた

 

 

(取材・写真/坂口功将)

 

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