早稲田大が昨秋に続き関東1部で優勝 前田凌吾キャプテン「後輩たちは心強い」
- 大学生
- 2025.05.27
春季関東大学バレーボールリーグ戦の男子1部は5月24日に日本体大健志台キャンパス(神奈川)で最終日を迎えた。18日終了時点で首位に位置していた早稲田大は1敗で並んでいた明治大を3-1で下し、同じく1敗だった順天堂大も敗れたため、昨秋に続き2季連続の優勝を決めた。
後輩であるスパイカー陣を操り、攻撃を組み立てる#1前田キャプテン
早稲田大は春季リーグの前半戦と後半戦の間に黒鷲旗に出場して優勝したものの、過密な日程で戦うことを強いられた。体調不良者も多く出てしまい、17日の中央大戦で初黒星。18日の東海大戦ではセッターの前田凌吾キャプテンが途中交代し、勝利したが、苦しい状況が続いていた。前田キャプテンは「(東海大戦では)何もできなかった。そこからの1週間は生きている心地はしなかった」と本音を口にしたが、負けが許されない最終戦には気持ちを切り替え、「自分のよさを出せば大丈夫だと思って。みんなも信じてくれたのでありがたい」と自信と感謝を胸に臨み、大一番を制した。
春季リーグ戦、黒鷲旗で主力として活躍し続ける川野
途中で退いた試合をコートの外から見ていた前田キャプテンは「後輩たちはやっぱり心強いな」と感じたという。特に1年生で今季の3戦目からスタメンに名を連ねる川野琢磨への信頼が垣間見られた場面があった。明治大戦の第1セット、23-24の局面で前田キャプテンがトスを上げたのはオポジットの川野。見事に決めきってジュースにすると、次のラリーでも司令塔は再び川野を選択し得点につなげた。前田キャプテンは「1年生だけど、とても肝が据わっている選手なので」とトスを託し、セット先取の流れをつくった。連続得点をあげた川野も「大事な場面で上げてくれる信頼というのは、春リーグの序盤から培われたものなのかな」と振り返る。自身がスタメンで起用されることについては「中学や駿台(学園高〔東京〕)からやってきた自分のバレーができれば出られると思っていた。しっかり最終戦まで(自分のプレーを)維持できたことはほんとうによかった」と笑みを浮かべた。
目標に掲げている大学四冠(春秋リーグ戦、東日本、全日本インカレ)へまずは第一段階をクリアしたが、決しておごることはない。前田キャプテンは「早稲田に対して絶対(マークが)くる。去年も経験しているが、4年生という立場はまた違うので、もっと自分がやるんだ、という気持ちで戦っていきたい」と意気込む。ほかの大学の対策も厳しくなることが予想され、大学四冠の道のりは簡単ではないが、成長を止めることなく、6月から始まる東日本インカレに挑む。
なお、男子の東日本インカレは6月24日(火)からエスフォルタアリーナ八王子(東京)と所沢市民体育館(埼玉)で開幕。3位決定戦と決勝は28日(土)に日本体大健志台キャンパスで行われる。
取材/廣田充則(編集部) 写真/山岡邦彦(NBP)
春季優勝の勢いのままに東日本インカレに臨む早稲田大
□2025年度春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦 最終結果
※カッコ内はセット率。下位2チームは5月31日(土)に行われる2部との入替戦へ
優勝 早稲田大 10勝1敗
準優勝 順天堂大 9勝2敗(2.417)
3位 明治大 9勝2敗(2.231)
4位 筑波大 7勝4敗(1.846)
5位 東海大 7勝4敗(1.563)
6位 中央大 6勝5敗
7位 法政大 5勝6敗
8位 東京学芸大 4勝7敗(0.654)
9位 国士舘大 4勝7敗(0.625)
10位 日本体大 4勝7敗(0.615)
11位 専修大 1勝10敗
12位 駒澤大 0勝11敗
■個人賞
最優秀選手賞 前田凌吾(早稲田大4年)
敢闘選手賞 石坂朋也(順天堂大4年)
ベストスコアラー賞 黒澤孝太(明治大4年)
スパイク賞 渡邉 健(明治大3年)
ブロック賞 小田周平(法政大3年)
サーブ賞 木下柊人(東京学芸大4年)
サーブレシーブ賞 磯脇侑真(明治大3年)
レシーブ賞 德留巧大(早稲田大2年)
セッター賞 前田凌吾(早稲田大4年)
リベロ賞 南口辰揮(東海大4年)
新人賞 三宅綜大(順天堂大1年)
■女子は筑波大、男子は早稲田大が優勝 黒鷲旗JVA第73回全日本選抜大会
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