伊藤吏玖(東京GB) 「自分の限界値を決めなくなった」【日本代表を経て2年目のSVリーグへ】
- SV男子
- 2025.10.25
バレーボールの国内最高峰リーグ、大同生命SVリーグ男子の2025-26シーズンが10月24日(金)に開幕する。日本代表の選手たちは、どんな思いで日の丸を背負ったのか。今年度初選出された東京GBの伊藤吏玖は、高いレベルで刺激を受けるなかで、向上心に満ちている
伊藤吏玖
――代表初選出、Bチームで海外にも遠征しました
カタールではサイズやシンプルなパワーにおいて正直、圧倒してくるような。「うわぁ、こんなに違うんだ」と感じました。SVリーグも外国籍選手は多くなりましたが、ミドルブロッカーは日本人のほうが多いので、そういった部分でもまた少し違いましたね。とてもいい経験になったと思います。
――代表として一歩を踏み出しましたが、今後はどんな選手になっていきたいですか?
ミドルブロッカーの中では「バランスのいい選手でありたい」と思っていましたが、代表に来て思ったのは、豪快さや大胆なプレーが僕に足りていない部分だということです。ミドルブロッカーとしての存在感がまだまだなので、そういった部分も伸ばしていきたい。フィジカルも技術もそうですし、判断や度胸などいろいろな要素が絡んでくると思いますが、そういったすべての要素を向上させていかないと、(日本代表の主力に)食い込むことはできないと思っています。
――そうやってバレーボールで上を目指したいと思ったのはいつからですか?
大学のころあたりから、自分の中で限界を感じていたというか、勝手に限界値を決めていたというか。同期に水町(泰杜/WD名古屋)や山田(大貴/東レ静岡)がいて、自分が代表に入るとも、上にいけるとも思っていませんでした。ですから、恐らく東京GBに入ってからです。そこで人と話すことが多かったので、いろいろな考え方や生き方を学んで、今は限界値を決めなくなり、いろいろな意欲が出てきました。
――東京GBで過ごした昨季はどうだったのでしょうか?
新しいことだらけで、最初は自分の殻を破り、無意識にかけていた枷(かせ)を外すことに抵抗がありました。いろいろと新しいことをやらせてもらうときにも、ためらったり、結局それまでの自分に戻ってしまうことが多かったです。それでも、(カスパー・ヴオリネン)監督もそうですし、東京GBのイズムというか、「自分で自分の限界値を決めるのは絶対に違う」というものがあるので。やがて持っていた概念を取っ払って、とにかく新しいこと、今までの自分になかったものに目を向けられるようになりました。東京GBに入ったことは、大きな分岐点になったと思います。
10月9日に行われた日本製鉄堺ブレイザーズとのプレシーズンマッチで、MIP賞を獲得した伊藤(左/右は日鉄堺BZのトンマーゾ・リナルディ)
――これからの伊藤選手の注目ポイントを教えてください
みんなそうだと思うのですが、どの場所でも、どんな環境でも常に全力で頑張りたいと思っていますので、そういったところを見せられれば。ブロック、クイック、サーブに注目してもらえたらうれしいです。
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昨季は5位と飛躍を遂げた東京GBとしては、さらに上位を狙う今季。チームにはヤン・コザメルニク(スロベニア)や村山豪といった強力なミドルブロッカーも加わった。そんな中で、どのように存在感を発揮していくのか? ハイレベルな勝負に挑む、伊藤の活躍を見届けたい。
いとう・りく
2001年11月14日生まれ
身長195㎝/最高到達点348㎝
駿台学園高(東京)→早稲田大
東京グレートベアーズ所属
ミドルブロッカー
取材/豊野 堯(編集部)
写真/石塚康隆(NBP)
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