新井雄大(広島TH) 昨季残した数字も裏付けに、再びグリーンのユニフォームが舞う【日本代表を経て2年目のSVリーグへ】
- SV男子
- 2025.10.25
バレーボールの国内最高峰リーグ、大同生命SVリーグ男子の2025-26シーズンが10月24日(金)から開幕する。日本代表の選手たちは、どんな思いで日の丸を背負ったのか。広島サンダーズの新井雄大は、Aチームでのプレーを常に思い描いて、SVリーグの戦いに臨む
新井雄大
視線の先に見据える
ロサンゼルスオリンピック
日本代表メンバーに初めて選ばれたのは、上越総合技術高(新潟)3年生時で、東海大への進学を控えた2017年3月のことだった。キャプテンとしてもチームを力強く引っ張っていた新井を、同高の千葉賢一監督(当時)は「どんなブロックもお構いなしのスーパーエース」と評している。
その力強さは大学に進んでも変わらず、全日本インカレではタイトルにこそ届かなかったが、常に上位に進出。新型コロナウイルスの影響を受けた4年生時には、高校時代以来となるキャプテンとしてチームを支え、視界不良の困難な道を最後まで先頭に立って歩み続けた。
JTサンダーズ広島(当時)に入団して5年。SVリーグ初年度の昨季は、レギュラーシーズン全44試合で出場を果たし、チャンピオンシップのクォーターファイナル2試合でもコートに立った。鍛え抜かれた強靭な体から放つスパイクは、レギュラーシーズンのアタック決定率48.2%(チーム2位)、バックアタックにいたっては51.4%(同1位)を記録。本職はアウトサイドヒッターだが、チャンピオンシップの最後の出場枠がかかったシーズン終盤戦には、チーム事情でオポジットも任され、鮮やかなグリーンのユニフォームで躍動した。
今春、日本代表登録メンバーに名を連ねた新井は、Aチームのメンバーとして初めてコートに立つ覚悟を秘めていた。前記の数字も、その裏付けとなっていたに違いない。
「ここにいる選手たちはみんなほんとうにレベルが高いです。チームのなかでも競争の激しいポジションですが、(登録メンバーに)選ばれた以上は、やはりAチームで試合に出て活躍したい。その思いはほんとうに強いです」
今年、新井がAチームのコートに立つことはなかった。だが、7月に岩手で行われたオーストラリアとの国際親善試合では、東海大時代以来となるキャプテンとして出場した。高校、大学と、大きな責任を託されてきた経験を見込まれての起用、そして数字だけでは示すことのできない大切な仕事ができることを期待されてのものだろう。その思いを受け止めた新井は、誇らしくコートに立っていた。
7月の国際親善試合ではキャプテンとして出場した#7新井
SVリーグ2シーズン目。日本のバレーボールシーンの中でも有数の歴史あるチームのメンバーとして、新井は再びグリーンのユニフォームに身を包み、新たな戦いに挑む。その視線の先にはもちろん、3年後のロサンゼルスオリンピックもとらえられている。
あらい・ゆうだい
1998年6月27日生まれ
身長188㎝/最高到達点350㎝
上越総合技術高(新潟)→東海大
広島サンダーズ所属
アウトサイドヒッター
取材/村山純一(編集部)
写真/青山義幸、山田壮司
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