バレーボールの国内最高峰リーグ、大同生命SVリーグ男子の2025-26シーズンが10月24日(金)に開幕した。日本代表の選手たちは、どんな思いで日の丸を背負ったのか。長年日本代表の司令塔を務めてきた関田誠大(サントリーサンバーズ大阪)は、手術からの復帰に専念。日の丸、そして移籍したサントリーでのプレーについて思いを語った
――今年は右足関節の手術を敢行し、STINGS愛知からサントリーへ移籍。改めてですが手術から夏まで、どんな流れで過ごしてきたのでしょうか
手術したのが5月末です。もともと右足首の状態がずっと悪くて、普通の動きができなかったんです。常にかばいながらプレーしていたので、一度そこをきれいにしよう、と思っていたのですがなかなかタイミングがなくて。ゆっくり休める時間自体がなかったので、この時期になりました。手術してからしばらくはボールにも触っていませんでしたが、7月にサントリーへ合流して、ボール練習もそこからスタートしました。
――日本代表の試合がある中で、「関田選手がいれば」という声もありましたが、関田選手ご自身は、自分がこの先どうするかは明言していないにもかかわらず、関田待望論がある。どんなふうに受け止めていましたか?
ロサンゼルスオリンピックに向けて、と聞かれることもありますけど、正直僕はまだ何も考えていないです。現役生活は長く続けたいですけど、それがイコール代表ではないし、もともと僕、あんまりそういう周りの期待に応えないタイプなので(笑) いい加減なことは言えないし、言わないし。だから今、「ロスはどうしますか」と聞かれても、「わからない、考えていない」としか言えないしそれが本音です。それぐらい、僕はパリ(オリンピック)でやりきったと思っているので。でももちろん現役はやめないですよ。いけるところまでいけたら、と思っているし、まだまだうまくなりたい。それは変わらないです。
――代表とクラブ、ずっとバレー漬けの中にいると、できることもあるけれど、できないこともある
そうですね。代表へいくと9月まで合宿や試合があるので、身体づくりもしっかりできるわけではないし、体も心もだいぶ削られます。大会がない期間に高重量でウエイトをしたこともありましたが、練習もハードなので体に負担がかかってケガにつながる。だから強化というよりも維持ですね。ポジション柄走ってばっかりでだいぶ体力を消耗しているので、今年はちゃんと身体をつくりたいというか、体の使い方やメンテナンスに目を向けたいという気持ちもありました。
――日本代表に行かずに過ごす夏はかなり久しぶりですね
ですね。2017年に代表を落ちたことがあるので、そのとき以来ですかね。そのときと今回ではまた違いますけど、代表へ行かないという選択肢は体と心を酷使せずに済むことではあるので、選手生命を伸ばすためには一つのやり方かもしれませんね。
――ご自身がいない日本代表を見て、どんな感覚でしたか?
普通に楽しく見ていました。あと、「みんな頑張ってんなぁ」とか(笑) ティリさん(ロラン・ティリ監督)がどういったバレーをするのか、新しく入った選手がどれだけできるのか。自分だったらこうするかな、とか、相変わらず(宮浦)健人はいっぱい打って決めるな、とか。いろんな見方をしていたので楽しかったです。
――今季はサントリーへ移籍、目指すところは?
もちろん勝つことです。勝ちたいですよね。そのために頑張りたいし、もっと成長したいし挑戦したい。なので、自分でも楽しみです。
文/田中夕子
写真/山岡邦彦、石塚康隆(NBP)
10月24日(金)、25日(土)に行われた大阪ブルテオンとの開幕戦では、スパイカー陣と息の合ったトスワークを披露。GAME1では1-3で敗れたが、GAME2は3-1でリベンジを果たした。11月1日(土)には、Asueアリーナ大阪(大阪)にて東京グレートベアーズとのホーム開幕戦に臨む。
せきた・まさひろ
1993年11月20日生まれ
身長175㎝/最高到達点315㎝
東洋高(東京)→中央大→パナソニック→堺→ルビン(ポーランド)→STINGS愛知
サントリーサンバーズ大阪所属
セッター
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