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【プレイバック!】JT吉原監督の現役時代・東洋紡での優勝【第7回Vリーグファイナル】

  • V1
  • 2021.02.15

 

 第3セット。久光製薬もセンターが奮起した。敢闘賞とベスト6に輝くことになる関井が、独特の、縦に高く弾むジャンプを生かしたブロードをストレート、超クロスへと決めやっとリズムを引き寄せた。前回の対戦ではおもしろいように決まっていたフェイントを拾われて疲労困ぱい、ベンチに戻るたびに励まされていた橋本も、体重を乗せたスパイクをよみがえらせて16-11。その後もセンター陣が佐々木、西村を連続ブロック。最後は大村が決めて25-17と1セットを奪い返した。

 

 だが、第4セット序盤、サーブで崩されたのがすべてだった。3-8とリードを許すと、その差は最後まで縮めることができなかった。24-17とマッチポイントを握った東洋紡は、3点を許したものの、最後は佐々木が決めてぴょんぴょんと跳ねるベテランセッター永富とセンター吉原。柳本監督、林部長が宙に舞ったその脇で、13得点をたたき出した佐々木は、疲労困ぱいして倒れ込みそうになりながら、涙も流せず立ち止まっていた。

 

東洋紡のエース佐々木みき

 

 4強入りが決まってから、いちばん頑張ってきたのが、永冨と吉原だった。「二人のために頑張れてよかった」と思ったが、「しんどすぎて、涙も出てこなかった」(佐々木)

 

 新チームとしては初(ダイエー時代から数えると3年ぶり3回目)のリーグ制覇をねらった久光製薬の夢は成らなかった。だが、その若い軍団が、陽気な姿に戻るまでに時間はかからなかった。静かにスタンドのファンに手を振ると、大きな拍手が返ってきた。もちろん冷静だったわけではない。「ただ、精一杯に戦った」(鶴田)という充実感を感じていた。セリンジャー監督の言ったことばが、選手たちの気持だった。

 

 「東洋紡がいいゲームをした。チャンピオンとしてふさわしいチームだった」

 

 ベスト4に進出したチームは4チームとも、それぞれに懸命に戦った。

 

 3位となったNECは、大友という宝石を抱えていたし、だれもがその姿を称賛し、新人賞のリストにその名前を書き込んだ。

 勝利した東洋紡にも、エース佐々木、センター森山の復活といううれしいニュースがあり、ベテランセンター吉原も、そのうまさでは、まだまだどんな若手にも負けないことを証明した。

 

 だが、やはり、適度なウォーミングアップでもあるかのように平常心で戦った久光製薬の、戦いぶりがさわやかだった。バレーの練習も試合も“苦行”ではないことを教えた、新時代を切り開く選手たちの登場でもあった。

 

ヒロイン・インタビュー

吉原知子 (東洋紡)

同級生として目立時代から頑張ってきた永富と“もう一度、 優勝しようね”と言ってやってきたので、それが実現できてうれしいです。永富とは暗黙の了解があって、大事な場面で思うようなコンビを展開できたのが大きかったと思います。

 

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