一ノ瀬漣(鎮西高3年)が高校生では唯一の男子日本代表に選出 目標の石川祐希、髙橋藍と同じ環境で「世界で通用するプレーヤー」へ
- 男子日本代表
- 2026.04.17
2026年度バレーボール男子日本代表チームの登録メンバーが4月17日(金)に発表された。高校生からは唯一、一ノ瀬漣(鎮西高〔熊本〕3年)が選出。2022年度に麻野堅斗(当時東山高〔京都〕3年)が選ばれて以来の高校生でのメンバー入りとなった
一ノ瀬漣(鎮西高)
中学時代に
海外でのプレーを経験
昨年度は鎮西高を2度の日本一に導いた高校界注目のエースが、フル代表では初めて日の丸のユニフォームを身にまとう。
その名がまず全国に轟いたのは中学時代。大和中(佐賀)では、高校生と中学3年生が選ばれることが多い全日本ジュニアオールスタードリームマッチに、2年生で唯一選出。3年生時の第26回全国ヤングクラブ優勝大会では佐賀バレーボールクラブU14のエースとしてチームを日本一に導いた。さらに、全国中学生選抜の一員として初めて海外でのプレーも経験した。
佐賀で育ったが、小学生時代から憧れたのは黄色のユニフォーム。小学生時に見た春高では、鍬田憲伸(サントリー)、水町泰杜(WD名古屋)の2枚看板を擁した鎮西高が、インターハイに続いて21年ぶりの頂点に輝いた。「上がったトスを絶対に決めるのがかっこよかった」。心をつかまれると、中学時代に見た舛本颯真(中央大4年)のプレーに「やっぱりかっこいいな」とその思いをさらに強くした。
先輩たちと同じユニフォームに身を包み、鎮西高では1年生時からエースの一角として活躍。2年生時にはインターハイで優勝し、国スポでは準々決勝からすべてフルセットという熾烈なトーナメントを勝ち抜く。中でも決勝の京都(東山高単独)戦では、第5セット3-8の崖っぷちから逆転勝利に導いた。
自信を深めた
天皇杯の日鉄堺BZ戦
同世代を牽引してきた一ノ瀬が、そのプレーにさらに自信を深めたのが昨年12月に行われた天皇杯だった。2回戦ではヴィアティン三重に3-1で勝利し、迎えた3回戦の日本製鉄堺ブレイザーズ戦。相手はマシュー・アンダーソンら身長200㎝越えが3人そろうスパイカー陣を、大宅真樹が操る。「メンバーを確認するときに大宅選手も出てきたので、すごっと思いました」と笑ったが、フルメンバーの相手に挑まない選択肢はなかった。
「試合中はほんとうに楽しくて、その気持ちがプレーに出たのかなと思います」
高いブロックに真っ向から挑んだ天皇杯
身長205㎝のミドルブロッカー、蔡沛彰に豪快なブロックを浴びる場面もあったが、「怖くはなかったです。気持ちよかったですね」と臆せず打ち込む。1年生時の春高を終えて磨いたバックアタック、そして、得意のクロスへのスパイク。また強烈なジャンプサーブにもふん張ったサーブレシーブと、男子日本代表のロラン・ティリ監督が見つめる前で、攻守にハイレベルなプレーを見せた。
ストレート負けを喫したものの、第2セットは23-25と競り合う展開に。その打球を受けたリベロ、森愛樹は「超高校級のスパイクの能力があると思いますし、レシーブを受けていて非常に楽しかった。高校生にしては、結構やってきよるな、という感じはありましたね」と賛辞を送った。
試合を終えると、一ノ瀬の表情は充実感で満ちていた。
「自分の得意なコースに思い切り打つことが目標でした。ブロックされたところもありましたが、そこはまだクロスの抜き方だったりが甘かった部分なので。いいときはブロックも抜けていたのでよかったです。
代表に入って、これよりもっとすごい世界で通用できるようなプレーヤーになりたいと思います」
翌月に行われた今年1月の春高では、優勝した東山高との準々決勝での激闘に屈し、目標の全国三冠には届かなかった。だが、そのわずか1週間後に始まった県新人大会。「高校のラスト1年なので。時間が経ったからではなくて自分で切り替えました」と前を向き、伝統のキャプテンナンバー「3」を背負ってトップレベルでのプレーを見据えてきた。
悔し涙を流した春高を経て、鎮西高で勝負のシーズンに挑む
9月4日(金)〜13日(日)に福岡で行われる2026男子アジア選手権大会で優勝すれば、2028年のロサンゼルスオリンピックの出場権を獲得することができる今季。緊張感の高まる1年で、「どのプレーをとっても100点以上。(自分も)守りの部分ももっと成長していくべきだと思います」と目標に掲げる、石川祐希(ペルージャ〔イタリア〕)や髙橋藍(サントリー)と同じ環境でプレーするチャンスが巡ってきた。注目の高校シーズン、そして嘱望される将来に向けて、ターニングポイントとなる1年になりそうだ。
いちのせ・れん
身長190㎝/最高到達点333㎝/大和中(佐賀)出身/アウトサイドヒッター
文/田中風太(編集部)
写真/石塚康隆(NBP)、中川和泉
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