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「こういうときだからこそ盛り上がる試合を」日立Astemo渡邊彩が石川県開催のVリーグへ誓い。東北出身アスリートとして

  • SV女子
  • 2024.01.19

 バレーボールのVリーグは今週120日、21日に金沢市総合体育館(石川)でV1女子の計4試合が実施される。今年11日に能登半島地震が起きてから、石川県内では初の開催。アウェーチームとして20日にKUROBEアクアフェアリーズ、21日にPFUブルーキャッツと戦う日立Astemoリヴァーレの渡邊彩は、東北出身の選手として思いを馳せた。

 

渡邊彩(わたなべ・あや/身長176㎝/最高到達点303㎝/古川学園高〔宮城〕→三洋電機レッドソア→仙台ベルフィーユ→トヨタ車体クインシーズ→日立Astemoリヴァーレ/ミドルブロッカー)

 

協議の結果、予定どおりに現在実施されているVリーグ

 

 元日の日本を襲った能登半島地震。石川県を中心に、今も現地では救助活動や避難生活が続いている。バレーボールの国内リーグ「Vリーグ」は震災が起きてまもなく、「地震発生地域に所在するチームの選手・スタッフについては全員の無事を確認しております」(13日/リーグ公式HPより)と発表され、開催地や主催チームとの協議のうえで当初のスケジュールどおりに大会が実施されることが決まった。各会場ではチームによる募金活動も行われるなど、被災地支援というボールをつないでいる。

 

 振り返ること8年。2016-17 Vリーグでは、20164月に発生した熊本地震の影響のため、いくつかの大会が中止になるなど影響を受けた。練習拠点の体育館が使用できなくなり苦境の中で迎えたリーグを戦うフォレストリーヴズ熊本のもとには、Vリーグ女子の全チームによる寄せ書きが記された横断幕が届けられた。

 そして、そのシーズンの最中には宮城県でも震度4クラスの地震が発生した。201611月上旬のことである。

 

 

豊富な経験を生かし、日立Astemoをリードする渡邊

 

仙台ベルフィーユ在籍時に渡邊彩が語っていた言葉

 

 その当時、宮城を拠点に活動していたV2女子の仙台ベルフィーユに在籍する渡邊彩に話を聞いたことがあった。現在は日立Astemoリヴァーレでプレーし、昨年は日本代表で活躍したベテランミドルブロッカーだ。渡邊は宮城出身で、さかのぼれば2011年に起きた東日本大震災で実家が被災している。

「私たちも東日本大震災で被災された方々をたくさん見てきました。バレーボールを通して感動や元気を与えられる立場であるのは、年数がどれだけ経ったかに関係なく、すごく幸せなことだと感じます。それに今しかできないことでもあるので。そこへの使命感、責任感を持って臨まなければと考えています」

 

 そんな言葉を聞いたのは、翌171月に熊本との試合が控えるタイミング。「(フォレストリーヴズ)熊本は気持ちで戦ってくるチームですよね。だからこそ対戦するときは、自分たちも気持ちをぶつけて戦いたいです」と意気込むあたりに、一人の選手として真摯(しんし)に向き合う渡邊らしさがうかがえた。

 

 

コートに立つかぎりは一人のアスリート、バレーボール選手としてプレーする

 

「誰かの力や光になれる存在」として、コートに立つ

 

 そのときの取材風景がフラッシュバックしたのは、今回そのシチュエーションが重なったからだ。日立Astemoは今週、PFUKUROBEと北陸地方を拠点とするチームと戦う。先週14日、15日のホームゲームでチームメートがうなるような活躍を披露した渡邊に、あらためて思いを聞いてみた。

PFUのみんなの心境を考えると、『バレーボールをしていていいのかな』と思ったりもするのかなと。そんな中でも、『スポーツを通して元気をもらった』と感じてもらえたり、誰かの力や光になれる存在であるアスリートは貴重だと思うので。

 こうときだからこそ、見ている方々や会場が盛り上がるような試合ができたらいいなと思います。『バレーボールを頑張っている』と感じてもらえる内容のゲームをしなければ」

 

 一人のアスリートとして今、自分にできることを精いっぱいやる。これまでも、これからも変わらぬ思いを抱き、渡邊らVリーガーたちは石川の地を踏む。

 

(文・写真/坂口功将)

 

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