デフバレー日本代表の長谷山優美が東京ゆかりパラアスリート等認定式で決意表明
- 女子日本代表
- 2025.06.20
認定選手たちを代表しての大役
今年は日本で初めて、耳が聞こえないアスリートのための国際的な総合スポーツ大会「デフリンピック」が11月に開催される。その開催地である東京の、都庁第一本庁舎にて「東京ゆかりパラアスリート」「東京ゆかりジュニアパラアスリート」認定式ならびに「東京パラスポーツスタッフ」公認証授与式が6月19日に実施された。
認定された各種目のパラアスリートは計162人、パラスポーツスタッフは98人。この日はそのうち104人が出席し、大勢が見守るなかで認定証の授与やパラアスリートによる演舞(パラダンススポーツ)などが行われた。
大役を果たしたデフバレーボール日本代表の長谷山。認定証を手に
ここで選手を代表して「決意表明」の大役を任されていたのは、デフバレーボール女子日本代表の長谷山優美(ゆうみ)。出番が近づくにつれて緊張感が高まるのは誰でも同じだが、今回はもう一つの難しさがあったという。
彼女がイメージしていたのは、主催者と向き合って一対一で行う選手宣誓のような形式だった。ところが「実は大勢の皆さんの前で、正面を向いて行うというので…、もうドキドキしてしまって。お話することを忘れてしまいました(笑)」
あとでそう振り返ったが、表情豊かに最後まで手話での宣誓を終えると、会場は温かな拍手に包まれていた。
初めて認定選手となった昨年は、デフバレーボールの世界選手権(沖縄)と時期が重なったため、長谷山が認定式に出席したのは今回が初めてだった。結果的にその世界選手権を制したデフバレーボール女子日本代表は、デフリンピックに向けて6月21日(土)から再び合宿をスタートする。「これまでも代表候補としての合宿はありましたが、先日デフリンピック(出場メンバー)の内定をいただいて、みんなが集まってくるこの合宿からはきっと雰囲気が変わるだろうと思います」と長谷山は気を引き締める。
手話で行った宣誓の様子
豊かな表情もデフバレーボールの魅力
現在、ネーションズリーグで活躍する男女日本代表の「あきらめない気持ちを強く持って戦う姿」を参考にしたいと話す長谷山に、あらためてデフバレーボールの魅力を教えてもらった。
「私たちは手話でコミュニケーションをとっています。しかしプレー中、ラリーが続くと手話が使えません。コミュニケーションがとれないなかでもアイコンタクトやちょっとしたサインを使って、多彩な攻撃を展開するのが私たちの強みです。また、聞こえない私たちは表情がとても豊か。ミスをしたときの『悔しい』という顔や、決まったときの『うれしい』という顔など、みんなの表情がとてもおもしろいので、見ている側も自然と気持ちが入り、一緒に喜んでいただけるのではないかと思います。技術面はもちろんですが、そういった表情の動きも楽しみ方の一つとして考えていただければと思います」
東京2025デフリンピックは11月15日(土)に開幕。バレーボールは男女とも駒澤オリンピック公園総合運動場体育館を舞台に16日(日)から競技が始まり、25日(火)に最終日を迎える。
■選手宣誓(決意表明)
「宣誓。私たち東京ゆかりパラアスリート認定選手一同は、東京都を代表する選手としての自覚を忘れることなく日々の練習に励み、競技における高みを目指し、アスリートとしてはもちろん、人としても大きく成長することを志してまいります。そして自分たちの夢に向かって全力で努力し、都民をはじめとする多くの人々に夢と感動を届けられるよう、これからもいっそう精進していくことを誓います。令和7年6月19日 選手代表 デフバレーボール長谷山優美」
この日の参加者たち
■東京2025デフリンピック 男女バレーボール日本代表の内定選手が決定
■「大会本番のあとで社会がどう変わるのか、に期待」 デフバレーボール女子日本代表が東京2025デフリンピック開幕1年前イベントで躍動
■わんだふるぷりきゅあ!(愛知)と7匹やぎのがらがらどん(東京)が優勝 第26回ジャパンデフバレーボールカップ