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SVリーグ2024-25

「一試合一試合を着実に」女子日本代表が挑む世界選手権は8月22日開幕

  • 女子日本代表
  • 2025.08.12

初陣となったVNLで着実に成果を得たアクバシュ監督【写真:月刊バレーボール】

 

日本のよさが可視化されたVNL

 

 2025女子世界選手権大会は822日(金)にタイで開幕し、日本は23日(土)に初戦を迎える。この大会に向けて準備を進めている女子日本代表が82日に味の素ナショナルトレーニングセンター(東京)で報道陣に練習を公開。取材に応じたフェルハト・アクバシュ監督は4位で終えたネーションズリーグ(VNL)を総括し、「日本のよさが何なのかを可視化できた」と手応えをつかんだ。主な一問一答は以下の通り。

 

――VNLを振り返っての感想をお願いします

 チーム全体にとって素晴らしい経験になりました。最終戦(ポーランドとの3位決定戦)は少し違った感触ですが、VNL全体を総括すると有益な大会だったと思います。

 

――4位という結果についてはいかがでしょうか?

 まずチーム全体として、VNLのファイナルラウンドに進むことを一つのターゲットに掲げていました。そのターゲットが、試合を重ねるごとにより高いものになっていった。短い期間でしたが、しっかりと改善できたこともあります。千葉ラウンドで完敗したブラジルには、1週間後の準決勝で23という結果を残すことができました。全15試合で10勝できたことは、新しいチームにとって素晴らしいことだと思います。メダルには届きませんでしたが、満足しています。

 

――今年のスローガンは「STRONG ROOTS(強い根っこ)」です。VNLで根を張れたことは何ですか?

 このかたち、このメンバーでコートに入れば、日本のよさが引き出せるということがわかりました。日本のよさが何なのかを可視化できた大会になったと思います。新しいチームでそこを確立するのは難しいのですが、それができたことはよかった。VNLが始まる前の世界ランクは7位でしたが、終わった段階で5位まで上がっています。そこが一つの結果として表れたのだと思います。

 

――3位決定戦については?

 ポーランド戦は雰囲気が大事でした。31で勝った千葉ラウンドは、(ホームの)素晴らしい観客のサポートがあり、素晴らしいモチベーションを保ちながら戦うことができた。逆にポーランドで行われた3位決定戦は、ポーランドの素晴らしい観客、ポーランドの雰囲気の中での試合でした。結果として31でポーランドが勝った。ネット際の高さが素晴らしいポーランドですが、我々としても相手の弱点をうまく突くことができたと思います。強いチームとの連戦となったとき、どう勝ち抜いていくかが一つの課題です。

 

 

佐藤(右端)や秋本(左端)らは世界選手権でも活躍に期待【写真:月刊バレーボール】

 

 

――大会を通して、佐藤淑乃選手を主力として起用し続けました

 とてもいい伸びがあったと思います。他の選手も同様ですが、ものすごい才能がある選手です。国際レベルでは少し欠如している部分がありますが、一つ一つ試合を重ねることで、国際レベルをもぎ取ることができた。日本の女子バレーの将来を考えたときに、すごく大事なものになると思います。

 

――佐藤選手について、攻撃はどうでしたか?

 基本的には、個人の話より全体としての話に言及したいと思います。一つの質問としてお答えしますが、どういう感じでリズムをつかんでいくかという部分を彼女は持っています。何よりスイングが速い。バックアタックも効果があります。もちろん改善の余地はありますが、いいプロセスを踏んでいる。もちろん、他の選手も同様です。

 

――セッター対角には和田由紀子選手が入り、安定した活躍を見せてくれました

 現在、和田が入ることによって、我々のプランにしっかりと乗っていける状態がつくれています。アグレッシブなサーブも持っているし、オフェンスもアグレッシブです。アタックもリズムを変えながら打っていける。もちろん、ディフェンス力も高い。なので、和田は我々のチームにとって欠かせない存在です。最終戦はコンディションの面で少し気になるところがありましたが、VNLを通して素晴らしい活躍をしてくれた。彼女にとっても素晴らしい大会になったと思います。

 

――MVPを一人あげるとすれば?

 8人か9人をピックアップすることになるので、おもしろい回答にはならないかもしれません(笑) いつも同じ例を出すのですが、グループ全体で一緒に飛行していこうという話をしています。お互いに感じ取り合いながら進んでいく。この日はこの人が先頭に立って、別の日は別の人が先頭に立って進んでいく。みんなでいい方向に進んでいけたと思います。

 

――先ほど、VNLは「日本のよさが可視化できた大会になった」とおっしゃいました。改めて日本のよさとは何ですか?

 特にVNL1週目、2週目に関してはサーブがよかった。いいレセプションをしっかり返しながら、最初のサイドアウトを取るというところも達成できました。改善点は2つ。一つ目はトランジションアタック(切り返しの攻撃)。二つ目はブロックです。

 

――ブロックに関して、ミドルブロッカーに求めていることは何ですか?

 ブロックシステム全体のリーダーとして発揮するのがミドルブロッカーです。後ろのディフェンスの選手に対して(相手のスパイクを)抜かせるコースを示すために、どこをブロックで押さえるのかをしっかり示す。日本は高さの部分で他のチームと異なるので、キルブロックを増やすことよりもポジティブタッチを増やすことにフォーカスしていきたいと思います。

 

――岩崎こよみ選手と黒後愛選手が練習に参加しています。今後の見通しは?

 世界選手権の準備期間として2人を追加しました。2人とも以前、一緒に仕事をしていて、経験も豊富な選手です。同時に、チーム全体に何かをもたらすスキルを持っている。メンバーの選出を行う上で、他の選手と同様に競走していきます。世界選手権の14人については、今後の練習を見て判断したいと思います。

 

――2人はチームにどういう影響を与えていますか?

 それぞれ別のポジションなので、分けて話す必要があると思います。黒後に関しては、両サイドから打てる選手ですが、ライトの方がより効果があります。後衛でもチームに貢献できることは多い。ですから、他の選手に代わって入るという役割を担うことができます。岩崎はチーム全体にプラスをもたらせる選手です。素晴らしい経験、素晴らしい視点を持ち合わせており、国際レベルでもそれを発揮してくれます。

 

――リードブロックについて、これまでかなり細かい練習をしていましたが、VNLでその成果は出ていましたか? また、世界選手権ではどうしていきたいですか?

 ブロックの戦術は、相手の状況に応じて考えます。低いトスや速いトスを使ってくるチームもあります。それぞれの相手に応じて違った戦術を取り入れていかなければいけません。状況に応じてコミットを使うこともあるし、場合によってはリードブロックを使うこともある。改善できる部分もありますが、現状はそれほど悪いと思っていません。世界選手権も同様に、相手に応じたブロックシステムを構築していきたいと思っています。

 

――秋本選手がドイツ1部のドレスナーSCにレンタル移籍することになりました。VNLでのパフォーマンスはいかがでしたか?

 秋本は経験をたくさん積む必要があります。もっとハードワークしなければいけません。ポテンシャルはあります。経験のある選手と同じレベルに達するまでに、まだ時間を要します。安定したプレーができるようにしてほしいし、ドイツで自分自身を示してほしい。秋本がドイツにいる間も、しっかりと動向を追っていきたいと思います。

 

――最後に、世界選手権の目標と意気込みをお願いします

 グループリーグでセルビア、ウクライナという力のあるチームと対戦します。前回チャンピオンのセルビアは、しっかり準備をして、しっかり結果を出すためのメンバーを持ってくるでしょう。ウクライナは世界的に見ればベストなチームではありませんが、今年はゴールデンリーグ(CEV Volleyball European Golden League 2025)の優勝という実績を持ち合わせています。モチベーションを兼ね備え、ネット際の高さを発揮してきます。グループリーグを突破すれば、オランダ、タイ、もしくはスウェーデンと対戦します。我々としては一試合一試合、着実に進んでいきたい。世界選手権では何かしらのサプライズな結果が出るものです。一日一日にフォーカスし、そして、最終日に試合ができるように頑張ります。

 

取材/岩本勝暁

 

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