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SVリーグ2024-25

大同生命SVリーグ女子いよいよ開幕 NECレッドロケッツ川崎 ♯10中川つかさインタビュー 「勝負の世界だからこそ“勝ち”に強くこだわりたい」

  • SV女子
  • 2025.10.10

日本代表で得た経験も糧に、司令塔としてNEC川崎の王座奪還に挑む中川つかさ

 

 

 大同生命SVリーグの2シーズン目がいよいよ開幕を迎える。昨シーズン、チャンピオンシップの女子ファイナルで敗れ、惜しくもVリーグ時代からのトップリーグ3連覇を逃したNECレッドロケッツ川崎はけん土重来、王座を目指して挑む。

 

 今年の日本代表には同チームから山田二千華、佐藤淑乃、和田由紀子、中川つかさ、後に韓国Vリーグのペッパー貯蓄銀行AIペッパーズへの移籍が発表された島村春世、さらに追加登録で廣田あいの6人が選出されたが、VNL(ネーションズリーグ)、世界選手権には廣田以外の5人が出場し、それぞれが大きな存在感を発揮した。リーグ制覇へ向けて彼女たちが果たす役割は大きなものとなるに違いない。

 

 今回、地元ケーブルテレビによるNEC川崎の応援番組の収録現場を訪問。その機会に、世界選手権の最終戦となった3位決定戦のブラジル戦では、巧みなトス回しで日本の怒とうの追い上げの立役者となった司令塔・中川つかさにインタビューの機会を得た。

 

 

世界選手権では劣勢の場面でコートに立つと、流れを呼び込むプレーでチームを盛り上げた(写真/Volleyball World)

 

 

世界選手権のコートで

湧き上がった二つの思い

 

――中川選手にとっては2023年に続く二度目の日本代表選出でしたが、VNLも世界選手権も、コートに立ってプレーするのは初めてでした

 アンダーエイジカテゴリーでは経験がありますが(2017年の第11回アジアユース女子選手権と2019年の第20回世界ジュニア女子選手権大会で優勝)、やはりシニアは全然違うな、というのをいちばんに感じました。探り探りの部分はありましたが、その中で自分には何ができるんだろう、何が通用するんだろうと考えながら、チームをよりよい方向へと導くために、私がとるべき行動や発言を常に考えながらすごした代表シーズンでした。

 

――2年前のFISUワールドユニバーシティゲームズ2021(中国・成都)でチームメートだった佐藤淑乃選手も一緒でした。学生時代から一緒に戦ってきた仲間がいるのは、やはり心強かったですか?

 そうですね。佐藤選手もそうですし、今回の世界選手権では最後のブラジル戦で(同じNEC川崎の)山田二千華選手や和田由紀子選手もいました。お互いの考えていることがわかるという面ではすごくやりやすかったですし、安心できる部分はありました。ですが、日本代表というのは各チームのトップ選手が集まり、一からつくってきたチーム。今まで一緒にプレーしたことのない選手としっかりコネクトしていくことが、セッターというポジションではより大事なことだということも、あらためて思いました。

 

――ブラジル戦はセットを先取され、第2セットも劣勢となった終盤での交代でした。あの場面はどのような心境でコートに入ったのでしょうか?

 代表シーズンを通じて、私は途中出場や2枚替えで出ることが多かったので、いつコートに入っても自分のベストパフォーマンスができるようにと心に決めて準備をしてきました。ブラジル戦のときも、“そろそろかな?”“今いける!”と。結局そのセットは取られてしまい、第3セットはまた途中からなのかな、と思っていました。ところが、アクバシュ監督から「スタートでいく」と言われて。そのときには、「よし、やってやろう!」という気持ちと、「ここでくるんだ!?」という驚きの気持ちと、二つの思いがありましたが、いざコートに立ったら、日本代表として活動してきたこの半年間、自分が取り組んできたものをすべて出してやろうという強い気持ちが湧き上がってきました。

 

――そういう気持ちでコートに入ったことが、その後の挽回につながったのでしょうか?

 コートに立ちたいとはずっと思っていましたし、正直、2番手ではなくスタートで出たかった。でも、なぜ2番手なのかといえば、それは関(菜々巳)選手のほうがいいから。ただし、決して自分がダメなわけではなく、関選手より劣っている分は、自分の持ち味をしっかり伸ばしていければいいと思っていました。セッターは精神的にとてもしんどいポジションで、しかも2人しかいなかったので、お互い支え合って頑張っていきたいという気持ちもありましたし。そんな中で、最後に自分のバレーボールを表現できる場所を与えてもらったからには、私が持っているものを存分に出して逆転してやろうという気持ちは、今振り返ると強くあったなと思います。

 

――よく、“代表で経験したことをチームに持ち帰って”と言われることがありますが、間もなく開幕を迎えるSVリーグの2シーズン目に向けた今の思いはいかがですか?

 どんなことがあっても勝つことにこだわりを持ち続けたいですし、勝負の世界だからこそ勝たなければ意味がない。“負けてしまったけれども、やりきった”ではなく、私はどんな勝ち方であっても、どんなメンバーであっても絶対に勝ちたい。“勝つ”ということに対してどれだけ強い思いを持てるか、どれだけこだわりを持てるかが大事だと思うので、そこをもっと強くしていくために、私自身がチームにアクションを起こしていきたいなと思っています。

 

――これまでのバレーボール人生の中でも、この1年間は中川選手として深く記憶される1年だったのではないかと思います。今、バレーボールは楽しいですか?

 私はバレーボールが大好きですし、これまで常に自分の成長を求めてやってきました。正直、その中でいい思いをしたことのほうが少ないです。ですが、少しでもいい思いができるよう、そのために頑張っているのだと思うので、そこを常に追求しながら、これからもバレーボールと向き合っていきたいと思っています。

 

 

 中川の強い思いがいかに深くチームに浸透し、それをどれだけ“勝ち”に結びつけられるか。王座奪還に一歩ずつ近づいていくために、まずはレギュラーシーズン44試合の長い旅が始まる。

 

 

写真上から時計回りに山田二千華、和田由紀子、中川つかさ、佐藤淑乃。和やかな雰囲気で収録は行われた

 

 

 昨シーズンからスタートしたNEC川崎の応援番組、「We love ROCKETS!」(ラブロケ)。今回取材を行った919日には、山田二千華、佐藤淑乃、和田由紀子、そして中川つかさの4人が出演し、10月および11月放送分の収録を実施。日本代表シーズンのオンとオフについてたっぷりと語った。番組は、イッツコムで毎週水曜日夜10時ほか放送中。神奈川県内の一部ケーブル局でも放送。また、J SPORTSオンデマンド、NECレッドロケッツ川崎公式YouTubeチャンネルでも配信中。

 

取材・ポートレート/村山純一(編集部)

 

1015日(水)発売の月刊バレーボール11月号では、佐藤淑乃と和田由紀子のインタビューも掲載

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