日本代表を率いる石川祐希キャプテンは、10月21日(火)に行われた開幕戦から、イタリア・セリエAでの11シーズン目をスタートさせた。常に成長する大黒柱は昨シーズン、イタリアの強豪ペルージャに移籍して欧州チャンピオンズリーグで優勝。今年度の日本代表合流時に、充実したクラブでの経験と進化の秘訣を語った
――2024-25シーズンでのプクラブシーズンを振り返ってみていかがでしたか?
どのシーズンよりもいちばん充実していました。スーパーコッパと(欧州)チャンピオンズリーグ、最初と最後でタイトルを取り、いいかたちで始まっていいかたちで終われたので、よかったと思います。
――長いシーズンにおいてパフォーマンスを維持するために気をつけていたことは何ですか?
アウトサイドヒッターを3人で回していたので、コンディションはいい状態で保つことができていました。常にいい練習ができて、技術を高めようという意識でやっていたことがパフォーマンスにつながったと思います。
――アウトサイドヒッター3人で戦ったことで、ご自身の学びや刺激になったことなどを教えてください
3人それぞれ特徴が違って、(オレフ・)プロトニツキ選手はサーブ、(カミル・)セメニウク選手はレシーブ、僕はスパイク、というふうにうまく分かれていたので、それぞれから学ぶものがたくさんありました。そこは移籍していちばんよかった部分ですね。
――プレーオフでの敗戦を切り替えて欧州チャンピオンズリーグ優勝を成し遂げました。どんなことが優勝につながったと感じますか?
レギュラーシーズンでは定期的に試合に出る回数がありましたが、プレーオフになってから準々決勝と準決勝の途中まで出る機会がありませんでした。なので、その1ヵ月で自分のパフォーマンスを少し落としてしまったという感覚がありました。でも、そういった状況になることも想定したときに、試合にパッと出されてパフォーマンスを上げられなかったことは僕の力不足だと思い、勉強することができました。
加えてプレーオフの敗戦を引きずらなかったことが間違いなく勝利をつかんだ一つの要素であると思いました。負けたあとも非常にいい練習ができ、試合に出る回数が増えるごとにパフォーマンスが上がっていきました。
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自身の学びがさらなる成長につながると予感した場面が、10月7日(火)、8日(水)に行われた「Qoo10 presents ワールドチャレンジシリーズ 2025 サントリーサンバーズ大阪 vs シル・サフェーティ・ペルージャ」で見られた。
10月8日の2戦目で石川は途中出場し、第2セットの3点リードの状況でバックアタックを放つも同じ日本代表の髙橋藍に止められてしまう。しかし、直後に司令塔のシモーネ・ジャネッリと会話を交わし、今度は「トスの高さと跳ぶタイミングを修正」して、見事にバックアタックを決めた。
途中出場でも力を発揮し、見事なパフォーマンスを見せた石川。モンツァとの開幕戦ではスタメン出場し、チーム2位の18得点を挙げ、勝利に貢献した。今シーズンはどのような景色を見せてくれるのか。
いしかわ・ゆうき
1995年12月11日生まれ
身長192㎝/最高到達点350㎝
星城高→中央大→シエナ→パドヴァ→ミラノ
ペルージャ(以上、イタリア)所属
アウトサイドヒッター
文/廣田充則(編集部)
写真/石塚康隆(NBP)、中川和泉
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