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春高2026

「次、誰が勝たせるの?」ヤンチャな下級生へ、3年生が託す思い【清風高 屋台骨を支えた3年生座談会(後編)】

  • 高校生
  • 2026.03.24

今年1月の春高で準優勝した清風高(大阪)。スタメンに1、2年生が多いチームを、コート内外で支えたのが3年生の下野巧揮キャプテン、土屋櫻太郎アナリスト、三輪冬芽マネジャーだった。324日(火)~27日(金)に行われる第31回全国私立高等学校男女バレーボール選手権大会(さくらVOLLEY)で新シーズンのスタートを切る後輩へ、思いを託した

 

 

前チームからスタメンの半数以上が残る2026年度。さらなる飛躍のシーズンにできるか

 

 

――2025年度のチームでコートに立っていた多くが1、2年生でした。後輩たちについて、3年生からは「ヤンチャ」という言葉も聞きますが、この1年での成長はいかがでしょうか?

土屋 ヤンチャなのは変わっていません(笑) ちょっとやったらできるじゃん、というところをサボってしまう。その「ちょっと」が試合に出て、負けてしまうことがあるとわかってくれたらと思います。

 

三輪 去年だと、練習試合で「ここが大事だよ」というセットであまりスイッチが入らないことが多かったです。でも、僕たち3年生がいなくても、自分たちでスイッチを入れてバレーをするようになったのは成長したと思います。

 

下野 ほんとうにそう感じます。このチームが始まったときはやらないといけないときにできないこともありましたが、最後にはやるときはやるようになりました。

 

――いつぐらいから変化が見られましたか?

土屋 春高のギリギリですね(笑)

 

三輪 春高前(昨年12月)の清風合宿でそうなったと思います。

 特に(伊藤)匠太朗は、練習試合ではサーブミスをしたり、最初のほうはレベルの低いプレーをすることが多かったです。でも、最近の練習試合では最初から力を出せていて、成長してきていると思います。

 

土屋 年末の合宿で駿台(学園高〔東京〕)と試合をしたときに、「久しぶりに本気を出したな」って(笑) スイッチを入れられるようになりました。

 でも、今回の準決勝で(尾﨑)亮太が果たした「最後に1点を取る」という役割は、それぞれ ができるようにならないといけません。駿台戦の最後は匠太朗がスパイクをレシーブされて、相手の竹内(祐一郎)くんのスパイクがアウトになって決まりましたが、あれを匠太朗が決められるようにならないと。「次、同じ状況になったときに誰が勝たせるの?」というところを頑張っていくのが、この1年の課題ではないかと思います。

 

 

アナリストとして、コートの外からチームを支えた土屋。チームに欠かせない存在だった

 

 

――後輩たちを支え、引っ張るために、3年生はどう結束しましたか?

下野 言いたいことが言えない時期もありましたが、下級生が変わるためにどうしていくか、3年生だけでミーティングをして言い合うこともありました。

 

三輪 3年生は1、2年生と比べたら心が広いというか、優しい人が多いので。でも、だからこそ強く言ったら嫌われるとか、みんなそういったことを考えてしまって、同期にも後輩にも言えず、見て見ぬふりをしていたことも多かったと思います。

 ただ、それではインターハイと国スポで負けるので、変えないといけないと思ったのが今年(2025年度)のキーポイントになったと思います。下級生にも強く言えるようになった人が増えました。

 

土屋 いちばん怒ったのは、インターハイ府予選の前。後輩たちに指摘できない(下野)巧揮と亮太に怒りました。2年生のときも負けていて、今回もずるずるいってしまいそうな雰囲気を感じたので、巧揮には「おまえキャプテンなんだろ?」と。亮太には「春高を経験しているのは亮太と1年生の(田原)璃晟だけなんだから、ちゃんとやらないといけないんじゃないの?」と言いました。

 

下野 (土屋)櫻太郎に言われたとおりでしたし、1、2年生たちがヤンチャだから、「言ってもやらんやん」と思ってしまうときもありました。でも、櫻太郎の言葉で自分に矢印を向けてみたら、自分も精いっぱいできていたわけではないと理解することができました。

 

土屋 自分はアナリストなので選手に言いやすく、最初のほうはガツガツ言うこともありました。ただ、強く言い過ぎたときには巧揮が指摘してくれて。そこから言い方を考えて、「どうすればこのヤンチャな子たち(の気持ち)を上げられるのか」と考えるようになりました。

 春高前には亮太を抜いて駿台と練習試合をしましたが、2年生を集めて「亮太がいなくても2年生が頑張るんだぞ」と言って。下げるのではなく、上げる声をかけるように、自分の中で変えていくことができました。

 

――メンバーが多く残る来季。後輩たちにはどんな1年を送ってほしいですか?

三輪 ヤンチャな部分を直さなくてもいいと思いますが、やるべきことはちゃんとやってほしい。礼儀などの面ではまだ足りないところがあるので、バレー選手の前に人としてしっかりとしてほしい気持ちがいちばんです。

 

下野 春高であれだけの舞台を経験した1、2年生が多く残っているチームです。どういう 1年だったかを知っているし、何が正しくて、何が悪かったのかを学んできたと思います。自分たちの代で学んだことをムダにしないで、最終的に春高の舞台で優勝してほしいです。

 

三輪 下級生中心でいい結果を出したチームが次の年も結果を残しているかといえばそうでもないし、今年よりも勝つことは難しいのではないかと思います。常に強いと言われて、最初のほうは結果も出ると思いますが、そこで慢心するのではなくて、春高でいちばんを目指してほしい。そのために、自分たちで考えてやることを軸にして、停滞せずにしてほしいです。

 あとは、(三輪)冬芽が言っていたバレー以外の面では、例えばテーピングのゴミが体育館の床に落ちていて、それを先生たちが拾ってくださる場面も見ます。強いから応援されるのではなく、強くなくても応援されるチームになってほしいです。

 

 

(左から)三輪、下野、土屋。後輩たちの活躍を願う

 

 

――最後に、山口誠監督からはどんなことを学びましたか?

下野 ほんとうに熱い人で、自分は小中高、JOC杯とキャプテンをしましたが、そこで学んできた量よりも、高校で学んだ量のほうが多かったです。自分がキャプテンで、清風の顔という立場だからこそ、まず自分がいちばんチームのことを考えないといけないし、バレー以外ではあいさつや礼儀など、社会に出て必要なことをたくさん教えてもらいました。3年間、清風で、先生のもとでやってよかったと思える、とてもいい先生だったと思います。

 

三輪 バレーに熱く、バレーに人生を捧げている感じがめちゃくちゃします。厳しいことも当然言われますが、社会に出たときを見据えて指摘してくれるのは、ほんとうに優しい。清風は部員が少ないですが、全員にチャンスを与えてくれるところでも、すごく優しい先生だと感じます。

 

土屋 バレーだけではありませんが、やっぱり熱い人だなと思います。僕はみんなみたいにエリートの道を通ってきたわけじゃないので、ゼロから先生に教えてもらったことにも感謝しています。(来年度は)その熱さに、2年生、1年生がいいかたちでぶつかり合ってほしいです。

 

下野巧揮

しもの・こうき/身長175㎝/最高到達点315㎝/皇子山中(滋賀)出身/リベロ

 

三輪冬芽

みわ・ふうが/身長177㎝/最高到達点323㎝/鎌ヶ谷五中(千葉)出身/マネジャー

 

土屋櫻太郎

つちや・おうたろう/身長170㎝/最高到達点290㎝/養精中(大阪)出身/アナリスト

 

取材/田中風太(編集部)

写真/中川和泉、編集部

 

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