「なんとか間に合った」全員攻撃で春高準優勝【清風高 屋台骨を支えた3年生座談会(前編)】
- 高校生
- 2026.03.24
今年1月の春高で準優勝した清風高(大阪)。スタメンに1、2年生が多いチームを、コート内外で支えたのが3年生の下野巧揮キャプテン、土屋櫻太郎アナリスト、三輪冬芽マネジャーだった。インタビューの前編では、多彩な攻撃を武器に、銀メダルをつかんだ春高を振り返る
(左から)土屋櫻太郎、下野巧揮、三輪冬芽
――春高の試合は振り返りましたか?
三輪 僕は準決勝の駿台(学園高〔東京〕)戦と決勝の東山高(京都)戦を見ます。練習試合ではディフェンスでポロポロとボールが落ちることがありましたが、試合では急に個人のレベルが上がるように思いました。でも、それを練習のときからもっと徹底することができれば、最後まで戦えたのかなと思います。
土屋 僕は東山高戦を見ますが、自分のせいで負けたと思っています。「ああ言っておけば」とか、「これを言っていなかった」ということが出てきて、反省が多いです。準々決勝と準決勝に中日があって、そこで駿台のデータは取れましたが、東山についてはちょっと間に合わなくて。その日の午前中に寝てしまわなければ、もうちょっとできたのかな、と思います。
下野 (SNSで)清風の動画がよく流れてきます。それを見ていたら、この1年の最初と比べるとプレーも表情も全然違うと思います。
――印象的な試合はありますか?
土屋 やっぱり準決勝の駿台戦ですね。
下野 僕は(西村)海司がコートを抜けたとき(※)に、(尾﨑)亮太が「自分がやるしかない」というプレーを見せたのが印象に残っています。エースで、ずっとコートに入っている唯一の3年生。あの大事な場面で役割を果たしてくれてかっこよかったです。
土屋 僕の中では彼が頑張るのは大前提で、そのうえで2年生をどう生かしていくかを考えていました。でも、よくやってくれたと思います(笑)
※第3セットから右脚に違和感があった西村が、第5セットの1点目をバックアタックで決めて途中交代した
――フルセットで勝利した準決勝では、ミドルブロッカーの田原璃晟選手がバックアタックを決めたりと、攻撃の幅を広げてきた成果が出たように感じました
三輪 (伊藤)匠太朗のバックアタックと、亮太の(セッターの)裏のパイプはあまり打力が出ていなかったので、そこで(田原)璃晟を使えたのは大きかったです。
春高前に清風でほかのチームと合宿をしたときは、コンビを隠してサイドを中心とした攻撃をしていて。去年の12月30 日にOB と試合したときから、春高に向けて全部のコンビを使いましたが、それ(サイド中心の攻撃)に慣れてしまってスパイカーどうしが絡んで攻撃できない心配もありました。でも、春高ではうまく使えたと思います。
土屋 ただ、璃晟のバックアタックは大会を通して最初のほうは全然合っていませんでした。ほんとうにギリギリ間に合ったと思います。
ほかのチームのアナリストからは、(攻撃について)「あれで大丈夫なの?」と言われることもありました。さくらVOLLEY(昨年3月に優勝した全国私立高等学校男女選手権大会)の時点である程度の完成形があって、一旦それを崩してバックアタックなども使ってきたので。ほんとうに何とか間に合いましたね。
下野 僕は(左頬骨骨折で)入院していて、チームを見ていない期間がありました。でも、春高直前に璃晟がバックアタックを使い始めたり、春高までの1ヵ月で成長スピードがグンと上がったと思います。
#3田原璃晟
――第5セットの1点目をバックアタックで決め、それまでに右脚に違和感を抱えていた西村選手がベンチに退きました。そこでの焦りはなかったですか?
三輪 亮太はやるだろうと思っていました。
土屋 さっき冬芽の話にあったように、亮太のバックアタックが通用しないと思っていました。だから、亮太が前衛にいる時間を長くするために、第5セットは彼が前衛から始まるローテーションにして。もしそれが海司と逆だったらちょっとやばかったかな、と思います。
試合が終わったあとは頭が痛かったです。でも、「勝ったー!」となったあとに、すぐ「やばい、東山戦の準備をせな」って(笑)
――翌日の決勝は東山に1-3で敗戦。その経験は、これからのバレー人生にどうつなげたいですか?
下野 春高の決勝を経験できるのは2チームしかありません。それを経験できたことはこれからの強みになると思います。あの会場の雰囲気などを、これからに生かしていきたいです。
三輪 山口先生も結構言っていますが、試合前にコンディションを意識しすぎて、去年はあまり体力づくりをしてきませんでした。準決勝が終わった時間が遅かったこともありますが、次の日の試合で体力が持たなかった部分もありました。やっぱり最後に力を出さないと意味がない。僕自身はランニングなどはあまり意味がないと思っていましたが、あらためてちゃんと体力をつけないと最後に痛い目を見ると思いました。
土屋 うちと東山の分かれ目は(去年の)国スポのあとかなと思っています。お互い鎮西(熊本)に負けましたが、僕たちはどちらかというと、「鎮西から1セットを取れた」という感覚でした。でも、東山のアナリストと話していると、国スポ前とは練習中の雰囲気が全然違うと聞きました。うちは駿台戦にフォーカスしていたけど、向こうはちゃんと鎮西を見ていた。だから、体力と気持ちの両方で負けたのではないかと思います。
春高の閉会式を終え、3年生で記念撮影(土屋は不在)。決勝で敗れた悔しさは、次のステージにつなげる
下野巧揮
しもの・こうき/身長175㎝/最高到達点315㎝/皇子山中(滋賀)出身/リベロ
三輪冬芽
みわ・ふうが/身長177㎝/最高到達点323㎝/鎌ヶ谷五中(千葉)出身/マネジャー
土屋櫻太郎
つちや・おうたろう/身長170㎝/最高到達点290㎝/養精中(大阪)出身/アナリスト
取材/田中風太(編集部)
写真/中川和泉、山田壮司、編集部
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