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男子日本代表2026

全国大会に初出場を果たしたクラブチーム「SFIDA沖縄」が目にした景色とは。父子鷹で臨む戦いの、ひと夏の結末

  • 中学生
  • 2026.09.09

 チーム名の「SFIDA(スフィーダ)」とは、イタリア語で「挑戦」を意味する。沖縄を拠点に活動するバレーボールの中学生クラブ「SFIDA沖縄」にとって、初出場を果たした今夏の「第56回全日本中学校選手権大会」(全中/広島)はまさに挑戦の場だった。

 

 

創設2年目のシーズンを戦っているSFIDA沖縄

 

 

 

 クラブ自体は2024年夏に発足したばかりだが、今年は沖縄県大会を1位で、続く九州ブロック大会を4位で通過し、全中の切符を手にしている。飛躍のきっかけをつかんだのは、県外に飛び出て行った対外試合の数々だった。昨年末には大阪遠征に出向き、練習会を主催した清風中(大阪)をはじめ駿台学園中(東京)や札幌大谷中(北海道)など全国屈指の実力校とのゲームが実現した。チームを指揮する安座間新也監督は語る。

 「あれがほんとうに大きなきっかけになりました。声をかけていただき、実際に試合を通して選手たちも『自分たちも戦えるんだ』と感じることができましたから、相当の“肥やし”になったと感じています」

 

 そもそも、沖縄県が拠点だ。基本的に対外試合は県内で完結せざるをえないため、県外の、ましてやハイレベルなチームとゲームをする機会は限られる。監督の息子で、今年度のキャプテンを務める安座間新凰は“肥やし”について、こう話した。

 「僕自身は、経験が足りなかったと痛感しました。沖縄なので、なかなか県外へ試合に行くことが難しいですから。実際に大阪遠征では通用しなかった部分が明確になった分、ポジションを変更するなどチームが強くなるきっかけになったと思います」

 SFIDA沖縄にとって初めて見る景色が、そこにあった。「全国レベルの光景を見て、『いい眺めだな』と感じるか、『高いな、すごいな』と圧倒されるのか。実際は後者のほうだったと思いますが、それでもこうした経験を重ねて強くなっていくわけですよね」とは安座間監督の言葉だ。

 

 

SFIDA沖縄の安座間監督(右)と比嘉健一コーチ(左)。ともに息子は福岡の名門・東福岡高へ進学して活躍

 

 

 それは初めての全中でも同じことだった。予選グループ戦ではラポールMITOYOクラブ(香川)との初戦を0-221-2523-25)で落とすと、敗者復活戦では札幌大谷中にここでも0-222-2523-25)で敗れる。各セットで競り合いこそ演じるも、あと一歩、相手を上回ることができない、そんな戦いぶりだった。

 「戦い方自体はシンプルで、サーブレシーブの返球率を平均70%に、そこからアタックの選択肢を少なくとも2つは持った状態で仕掛けていく。ですが、12つミスが出たことで、歯車がかみ合わなくなりました。こういう大きな舞台では一度、『あれ?』というクエスチョンマークが浮かぶと、目に見えて表情にも出てくるものです。もう不安げに戦っていました」(安座間監督)

 

 不安が顔に表れながらも、選手たちが胸に留めていたのは、いつもどおりのプレーをすること。「初めて見る全中の景色だったので、最初は『やっとここまで来られたな』とうれしかったですし、だからこそ楽しんで思いきり戦いたいと考えていました」と安座間キャプテンは言う。

 そもそも全国で強い相手と戦うこと自体が、SFIDA沖縄にとっては「挑戦」そのもの。予選グループ戦敗退という結果に唇をかんだが、安座間キャプテンは「強い相手に対しても自分たちのプレーをいつもどおり繰り出す、それがバレーボールをするうえでの挑戦だと思っています」とあらためて口にしたのであった。

 

 

 ツーセッター制を敷く中、セッターとしてボールを供給する安座間キャプテン

 

 

 初めて見た景色は、苦い思い出とともに記憶に刻まれることになった。それでも安座間監督は「あともう少しの力を瀬戸際で絞り出すことができませんでしたが、目の前の相手に対して自分たちのチームと個々の状態を把握したうえでベストを尽くせていたと思いますし、選手たちの気迫は随所で見られました」とねぎらう。同時にキャプテンである息子が奮闘した姿を思い返すと、その目から涙がこぼれた。

 「そうですね…。(声を詰まらせて)ごめんなさい。親の立場から見ると、よく頑張ったな、と思います」

 チームとしては926日〜27日の「第29回全国ヤングクラブ大会」(大阪、和歌山)で、再び全国ベスト4を目指すという次なる挑戦が控えている。沖縄から羽ばたく父子鷹はそこで、どんな光景を目にするだろうか。

 

 

 バレーボールでは監督とキャプテン。安座間家の親子鷹

 

(文・写真/坂口功将)

 

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