「思ったよりプレッシャーはなかった」 初の入替戦に臨んだ甲斐優斗(専修大)が2部降格の危機を救う
- 大学生
- 2025.06.09
昨年の全日本インカレ優勝の専修大は、今年の春季関東大学男子1部バレーボールリーグ戦11位で、2部2位の山梨学院大との入替戦に臨んだ。なかなか勝利をあげられず苦しんでいたが、5月24日のリーグ最終戦から、大阪ブルテオンでプレーしていた甲斐優斗キャプテンが加わって、息を吹き返す。5月31日に駒澤大玉川キャンパス(東京)で行われた入替戦でも甲斐キャプテンは圧倒的なパフォーマンスを見せて勝利に貢献し、1部残留を決めた
スパイクを決めて笑顔を見せる#1甲斐。「入替戦も経験にもなる」とプラスにとらえて試合に臨んだ
リーグ最終戦から専修大に合流
過密日程でも見せた救世主の働き
キャプテンを務める甲斐は、SVリーグで戦っているときも仲間たちの試合結果をチェックし続けていたという。「勝てない時期が続いていたが、自分が入って(得点を)取りきれるようになれば、勝利できる」と自信をのぞかせて入替戦に臨んだ。第1セット、専修大は山梨学院大のミスが重なり主導権を握ると、甲斐キャプテンが連続でサービスエースを決めて勢いに乗り、セットを先取する。第2セット以降も甲斐キャプテンはポイントを量産。さらに今春、アウトサイドヒッターの起用が多かった1年生のマサジェディ翔蓮は、リーグ戦終盤と同じくオポジットに入り、要所でスパイクを決めて相手に流れを渡さない。山梨学院大は序盤、調子が上がらなかったエースの石塚蓮が第3セットに復調して得点するが、追い上げも及ばず。専修大が3-0のストレート勝ちで1部残留を決めた。
最上級生の水野も初の入替戦。得点時にはコートを駆け回り、チームを盛り上げた
初めて大学の入替戦を経験した甲斐キャプテンは試合後、「思ったより緊張感やプレッシャーもなかった」と笑顔を見せた。昨年の日本一を知り、苦しいチームを支えている4年生リベロの水野永登は「全カレ(全日本インカレ)の決勝に比べれば楽にできた」と振り返り、「(甲斐)優斗の余裕がある感じが周りの気持ちを楽にさせて、チームの雰囲気を変えてくれた」とエースの存在の大きさを語った。
この試合の翌日から男子日本代表に合流した甲斐キャプテン。大阪Bから専修大、そして日本代表とハードなスケジュールの中、まさに救世主のような働きでチームを勝利に導いた。
1年生の活躍で
1部の駒澤大がフルセットの激闘を制す
ルーキーの#26森本は入替戦を含めて今春全試合スタメンで出場した
男子入替戦のもう一戦は、関東1部12位の駒澤大と2部1位の日本大が対戦。第3セットはわずか9点に抑えられた駒澤大だったが、第4セット、1年生立石結大のブロード攻撃などで主導権を握り返し、セットカウントを2-2とする。フルセットとなった最終第5セットは立石や森本泰地、菅原秀斗ら1年生の活躍が光り、最後までもつれた戦いを制した。駒澤大の鈴木淳平監督は「『何点取られても3セットを取ればいい。相手の思いを受け止めて、それを跳ね返せるようにしてほしい』と試合前に伝えていた。3セット目から立て直せたのがよかった」と選手たちをねぎらった。
日本大は髙島優作のパワフルなスパイクや、途中から入った藤嶋柊太の得点で駒澤大を苦しめるも、第4セット以降はサーブのミスが目立ち、1部復帰にはわずかに届かなかった。
取材/廣田充則 写真/山岡邦彦(NBP)、編集部
■2025年度春季関東大学男子1-2部間入替戦 試合結果
専修大(1部11位) 3(25-13、25-14、25-20)0 山梨学院大(2部2位)
駒澤大(1部12位) 3(25-21、23-25、9-25、25-21、15-13)2 日本大(2部1位)
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