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春高2026

「みんなで春高で会おう」牛田音羽(就実高)、竹内絢音(京都橘高)、水田愛弓(豊川高)、…。T碧南のジュニア出身者が最後にかなえた約束

  • クラブ
  • 2026.01.21

就実高の③牛田がネット越しに見つめるは、かつてのチームメートか

 

 

高校生活最後の春高を終えて、それぞれが口にした感謝の気持ち

 

 「中学3年間を一緒の仲間で戦ってきて、こうして高校は別々になったわけですが、それでも最後に対戦できたことがとてもうれしいですし、ありがたいことだと思います」

 京都橘高との試合を終えて、牛田はそう語った。Tealmare Jr. OCEAN WINSの仲間たちとこうして戦えたこと。そこには必ず勝敗があったわけだが、それでも彼女たちは喜びと、そして感謝をかみ締めていた。竹内は言う。

 「お互いが高校でも頑張り合っていたからこそ、こういう機会が実現したと思うんです。頑張ってきた証しであり、その成果をこの春高でぶつけ合うことができた。それは今まで支えてくださった指導者や保護者の方々のおかげだと思うので。いろんな人たちに感謝したいです」

 

 その思いは水田も同じだった。

 OCEAN WINSで学んだのは、感謝の気持ちでバレーボールと向き合うことです。こうして自分が東京体育館に来られたのもそうですし、ユニフォームが着られたことも、そもそもバレーボールができていることも、たくさんの方々に支えられているからこそだ、とずっと教えてもらってきたので。それは高校バレーが最後になった今も、感じることができています」

 

 中学時代は日本一を目指し、チームメートどうしで切磋琢磨していた。そこでの学びを胸に、彼女たちは春高という晴れ舞台を駆け抜けたのである。

 そして、その3人の姿を東京体育館で見つめている人物がいた。

 「この春高で自分たちの学年が引退となるのはわかっていましたし、絶対に勝ち負けがあるのが試合ですから。一人ずつ引退していく現実を見て、私もほんとうに引退するんだと実感が湧いてきました。自分のチームを応援するとともに、みんなのことを応援していました」

 

 

中学3年生時、Tealmare Jr. OCEAN WINSの10期生としてプレーした竹内(左端)たち

 

 

「みんなと戦えたらいいなと思ったけれど、できれば戦いたくなかったかも」

 

 16日、大会2日目。東京体育館のAコートでは三重高(三重)が金蘭会高(大阪)との2回戦に臨み、敗れる結果に終わっていた。そのスタンドで、チームに声援を送っていたのが3年生の田島萌。中学時代の所属先はTealmare Jr. OCEAN WINS。そう、水田が話していた「特に仲がよかったメンバー」の、最後の1人である。

 

 竹内や牛田らとともにプレーに励み、卒団後は三重高へ進学。水田とは高校2年生時に対戦機会もあった。

 「以前は仲間だったのに、高校ではネットの反対側にいて寂しい気持ちもありました。ですが、高校で自分がどれだけできるようになったかを見せたいと思うと、ワクワクもしましたね。

 私たち4人はOCEAN WINSでも練習中からたくさん意見を言い合っていた仲なんです。それにチーム内でぶつかったり、悩みが出たときに意見を集めるのが、この4人。高校に進んでからも、ときには相談したり、連絡してバカを言ってふざけたりもできる。とてもいいチームメートでした」

 

 最後の春高でトーナメントの組み合わせが決まったとき、いざ本番で3人が戦い、勝ち上がり、敗れ去る−−、その様子を想像すれば田島は複雑な思いにも駆られた。

 「私も春高でみんなと戦えたらいいなと思ったけれど、できれば戦いたくなかったかもしれません。それで引退が決まってしまうので。少し寂しいな…、と思いました」

 

 ただ、もし仮に対戦が決まったとしていたら、田島は別の感情を覚えていたかもしれない。中学時代から抱えていたケガを高校1年目に再発し、2年生時に手術を決断。けれども復帰してからパフォーマンスを取り戻すことができず、最後の春高で出場登録メンバー入りはかなわなかったのだ。

 「メンバーに入れないと決まったときはとても悔しかったです。でも最後は自分のためではなく、春高を戦うチームのためにできることをやるしかないと。試合であきらめそうになった場面で、応援席から私が声を出すことで少しでもみんなが救われるのであれば、最後に活が入れられるのならば、頑張ろうと思っていました」

 

 いざ金蘭会高戦では応援のかけ声に、コート上の面々が目をやり、うなずいて応える場面も。コートに立てずとも、田島なりの献身がそこにはあった。

 「私はOCEAN WINS時代もケガが多くて、最後の大会も満足に試合に出られなかったんです。けれども、監督やコーチがそれでもできるメニューを考えてくださったり、チームのみんなは心細い私を励ます声をかけてくれました。そうして自分に今、何ができるかを考えて実行する力は、あのときに身についたと思います。高校でメンバーに入れなくても、あきらめることなく周りのために動くことができた。それはOCEAN WINSでの経験が生きました」

 みんなで春高で会おう。その約束が実現したとき、彼女たち4人は中学時代に身につけた学びと培ったきずなをいっそう、実感していたのであった。

 

 

田島は自分のやるべきことを春高の舞台でまっとうしてみせた

 

(文・写真/坂口功将)

 

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